THE LAST RESORT in DAVOS



YS/2000.01.26

1月27日から2月1日まで世界経済フォーラム(THE WORLD
ECONOMIC FORUM)の年次総会(通称ダボス会議)が開催
される。米国からはクリントン大統領、オルブライト国務長官、サマー
ズ財務長官、デーリー商務長官、リチャードソンエネルギ−長官、パシ
ェフスキー通商代表などが参加する。産業界からもビル・ゲイツはじめ
AOL、バイアコム、オラクル、ソニーなどのトップが一同に集まる。

こうした中、昨年の年次総会においてWTOシアトル会議の前哨戦とも
いうべきグローバル化への疑問を投げかけたマハティ−ル首相が急きょ
出席を取りやめている。すでにWTO同様総会会場の窓ガラスがこわさ
れるなどの事件が発生しているようだ。

今年はグローバル化、情報通信技術、遺伝子分野などを中心に論議が行
われる予定であるが、この中でついにEMIまでも巻き込んだAOLタ
イム・ワーナー誕生劇に触発された情報通信分野における新たなる再編
第2幕に注目が集まる。特にマイクロソフト、ソニー、そしてドイツメ
ディア大手ベルテルスマンなどはすでに提携先の絞り込みを始めている
かもしれない。

ベルテルスマンのCEOトマス・ミッデルホフはみずからAOLの取締
役会に外部取締役として参画しヨーロッパにおけるAOLのパートナー
として提携を推進してきたが、タイム・ワーナーとの合併で辞任を示唆
している。ベルテルスマン傘下のアメリカ大手出版社ランダムハウスと
のライバル関係がその原因である。ベルテルスマンはまた傘下にベルテ
ルスマン・ミュージック・グループ(ホイットニー・ヒュ−ストン、ケ
ニー・Gなどが所属)を有しており、この点でも提携解消は決定的とな
る。ドイツ銀行との取締役兼任結合関係を利用し再編の核となるはずだ。

ドイツ銀行傘下のモルガン・グレンフェル、バンカーズ・トラスト(旧
J・Pモルガン商会)のM&A部隊の腕の見せどころであろう。モルガ
ングループと関係の深いソニーも当然候補にあがっているものと思われ
る。(ソニー・ミュージック・エンターテイメントと音楽分野での事業
統合が実現すればワーナー・EMIを上まわる世界最大の規模となる。
ソニーにとっても携帯情報端末事業への効果を考えれば決して悪い話で
はないはずだが・・・。)

アメリカ西海岸を中心に活躍したイーグルスの代表アルバム「ホテル・
カリフォルニア」から引用しよう。

『THE LAST RESORT』

  何が君のもので 何が僕のものなのか
  その大いなる設計を規定するものは誰なのか?
  今や ニュー・フロンティアなど存在しない
  僕達がここで創りださなければならないはずだ
  だけど 人々は限りない欲望を満たしつづけ
  残虐な行為すら正当化しようとしている
  「運命」という名のもとに
  そして「神」という名のもとに・・・

  彼等はそこを楽園と呼ぶ
  僕にはなぜだかわからない
  もし あそこが真の楽園なら
  僕はキスして さよならをいおう

タイトル曲『HOTEL CALIFORNIA』のspritを日本
語訳ではワインとしているが、スピリット(精神)と訳せばこうなる。

『当ホテルではそのスピリットを69年から切らしています』

今夜は深酒かな。
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(Fのコメント)
 ダボス会議は、スイス山中の町での会議です。創始者は、クラウス・
シュワプで経済学者、30年前に始めた。当初は欧州ビジネス・フォー
ラムと呼んでいたが、どんどん大きくなっていった。現在は、世界の
政治家・ビジネスマンなど、多数の実力者が集まり、世界の問題を討議
する場となっている。日本の政治家の参加すればいいと思うが??

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