ロシアの北方領土返還について



(読者からの意見)
Fさま

ご指摘ありがとうございます。転石太郎です。

Fさんの主張されるロシアの危機的状況は
具体的で勉強になりました。

しかし、それだけの危機的状況に直面していながらも、
決して領土返還をする気はないのではないか、
いまだに私はそのように感じております。

確かに北方領土は日本固有の領土です。
しかし、ロシア人には固有の領土という概念が存在しないとも聞き
ます。
彼らにとって、戦争で得た領土は、れっきとしたロシア領なのです。
きっと、チェチェンと同じように感じているのではないでしょうか。
(憶測です。証拠はありません。)
そうだとしたら、チェチェンで金が必要だから
北方領土を手放すと考えるはずがありません。

また、Fさんは住民の間に返還賛成派が出てきていると
指摘されましたが、議会はどうなのでしょうか。
住民が動いても、それが議会に伝わらないかぎり、
ロシアは一致して返還反対と言うことになるのではないですか。
だから、例えプチンが大統領になり、北方領土を売ってしまえ、
と思っても、議会全体を敵に回すことは出来ないのではないでし
ょうか。

Fさんがおっしゃられる
「冷静さ、マキャベリ的冷徹さ、冷酷さ」
とは対峙する感情の論ですが、
人間には感情で動く生き物であるため、
ロシア人のこのような感情も考慮に入れるべきだと思います。

このような理由から、どんなに戦争で困っても
ロシアは北方領土を手放さない、と思うのですが、
いかがでしょうか。

私は返還がかなうためには、日本が中国並の
戦略を立てられるようにならなければいけない
−つまり、日本固有の領土だ!とロシア国民を
洗脳し、脅迫するくらいの計画が必要−
と思うのです。

いかがでしょうか。ご指導をよろしくお願いします。

                       転石太郎
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(Fからの回答)
 プチン政権は基本的にエリティン政権の路線を踏襲すると表明し
ていますので、目があるかもしれません。

 転石さんの言っていることの方が、常識的ですが、日本外交は日本
の国益に基づいて行っているので、日本のウイルをハッキリしておく
必要があります。このため、援助するなら、北方領土の返還からです
と、日本は言う必要がある。

 前回も言いましたが、希望はチェチェン戦争で劣勢で、戦費もたい
へんなことになっています。また、IMFや欧米からの援助もありま
せん。この資金不足を日本は利用するしかないのです。

 今月10日にイワノフ外相が来日し、3月の選挙前後プチン大統領
代行も訪日する方向ですので、期待できるのです。もし、明確に返還
しないのであれば、来るはずがない。情勢は転石の方向ではなく、私
Fの予測している方向に進んでいる。ここを確認ください。

 冷めた目ではなく、日本の国益をどう表現するかが問題です。日本
は今、ロシアと友好関係を構築しないと、困る状態ではないので、
ダメであれば、ゆっくりやればいいと思います。

 議会は反対が多いのは事実ですが、これはエリティンの政権を潰す
目的もあったためです。プリマコフがどうプチンの政策をサポートす
るかです。2人は同じ思想傾向の持ち主ですから、友好関係を構築す
るはずです。ロシアは資金不足であることは、議会関係者は知ってい
ますから、議会がどう出るかは予想できません。

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