欧州問題について



  欧州問題を考えること必要です。それは、米国のバブル崩壊に
よる経済混乱が起こると、EUと日本が世界を支えることになるの
ですから。

 しかし、欧州がどうも元気がない。米国資本の支配が確立してきた
ようです。MCIワールドコムが、欧州の基幹インタネットを構築し
これで、欧州全域のインタネットの独占は確定的になってしまった。

 EU東方拡大で、投資が東欧に取られ、欧州中核部の投資が疎かに
なると、次世代の経済であるインタネット経済に乗り遅れて、欧州
中核の競争力が減退するのではないかと心配です。

 フランスは日本に好意的で、ルノーが日産に過大な資本参加をした
のも、官僚制の政治構造が似ていること等、社会の共通点があり、
米国流の資本主義を日本?と同様に批判的だからでしょう。
そして、欧州と日本は米国の横暴な要求を共同で阻止することが多い
のですから、欧州は大事です。

 しかし、日本の戦前の過大な投資をする植民地支配と、どこか似て
いるように思うのです。このままであると、新しい世代技術への投資
ができずに、投資のほとんどを東欧の開発や日本企業救済などに費や
し、欧州中核の国力の増強ができずに衰退するのではないかと。

 一方、日本は過剰投資を地方に振り向けて、公共部門の赤字を増や
しているのですが、民間セクタの投資、特に通信関係はインタネット
投資や携帯電話投資が大きく、次世代への投資が続いているのです。
このため、2000年は次世代経済へバトンタッチできる可能性が出
てきた。しかし、日本だけで、米国崩壊後の世界経済を支えることは
土台無理です。やっと、病気から治って、一息いれた状態ですから、
どうしても、欧州の動向が気になります。

 日本と同様に欧州人口も減少している。人口を維持しようとすれば、
移民が必要です。この方面からも、欧州問題は日本の問題でもあるので
す。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(共同通信からの引用)
01/12 11:46 1・5億人の移民必要 老齢化の欧州に衝撃 

 【ブリュッセル12日共同】人口老齢化が急速に進む欧州連合(
EU)諸国で現在の労働力を維持するには、二○二五年までに一億
五千九百万人の移民受け入れが必要とする国連報告が十二日までに
明らかになり、欧州諸国に大きな衝撃を与えている。      
 EUは六日に、少子化のため昨年の人口の自然増は約二十六万人
で戦後最低だったと発表、人口の老齢化傾向は以前から明らかだっ
たが、生産活動の維持に必要な移民の数が具体的になったのは今回
が初めて。                         
 欧州の一部には根強い移民排斥の動きがあるほか、移民には文化
や治安の問題も絡むだけに「政治的な爆発をもたらす結論だ」(フ
ランスのルモンド紙)ととの危機感も出ている。
 欧州諸国はこれまでも労働力維持のために計画的に移民を受け入
れているが、今回の報告だと、フランスの場合、年間十万人の受け
入れ枠を七・六倍に拡大する必要があるという。        
 スペインやベルギーは今年から限定的に不法移民を正式の移民と
して認め労働力を維持しようとしているものの、報告から見れば焼
け石に水。このため「欧州は移民の大陸になってしまう」(ベルギ
ー紙ルソワール)との報道も目立つ。             
(了)  000112 1145  

コラム目次に戻る
トップページに戻る