米国の世界戦略考察



 今までのクリントン・オルブライト外交は、何がどうなっている
のか、ハチャメシャ外交で、戦略性がよく分からなかった。
しかし、次期政権のブッシュ共和党外交は、非常に分かりやすい。
この共和党政権外交を考察してみよう。今回も藤井先生のセミナか
ら。

 米国の地政学は、ユーラシア大陸から離れた島に位置している。
このため、陸軍が陸伝いに、世界のハートランドへ攻めることが
出来ない。このため、陸軍を大規模に持つ必要がないのです。海兵
隊でいいのです。そう言う意味では、海洋国家でしょう。

 この米国に比して、中国やロシアは、ユーラシア大陸にいるため
ハートランドからリムランドに拡張する陸上国家と言える。この中心
は陸軍です。

 米国のブッシュ次期政権は、石油資本がバックでかつ、軍エリ
ート、外交専門家がサポートしているのでその意見は、当然のこと
ながら石油地域の支配を確立することになるのです。

 世界の石油地域は、YSさんの調査でも明かなように、ペルシャ
湾岸とカスピ海地域です。ここの支配を目指すことになるのです。

 湾岸は、既にサウジアラビアの米国軍基地があるので、イラクを
監視すればいいだけ。今もイラクへは爆撃が繰り返されているが。

 エアー・アンド・バトルに今後、米国はシフトしていくことが
既に決まっている。このため、軍のリークで朝鮮戦争時、米国軍が
朝鮮民間人を大量殺害した事実を報道機関が発表したが、軍も公式
に認めている。これは、40万人の在韓米軍の削減か撤退する準備
のように思える。北朝鮮との交渉もあるが。

 エアー・アンド・バトルは、世界の必要な所に飛んでいき、一期
に敵を潰す戦略ですが、現地に基地は必要です。
 ここで地図を見ていただけますか?
 カスピ海・ペルシャ湾岸両地域の基地として最適なのは、イラン
なのです。イランは昔ハーレビ国王時代は親米派でしたが、ホメイニ
革命後、反米になっていたが、現在米国との摩擦は無くなって
きています。
 気になるのが、イランがレバノンのイスボラ(シーア派)を支援し
ていることですが、中東和平ができれば、この件も終わるはずです。

 イランはロシアと今まで親密な関係でしたが、チェチェン紛争に
より、イスラム圏は反ロシアになっている。イランも例外ではないの
です。
 チェチェンをロシアは離したくないはずです。石油地域に近いため
です。この地域が独立すると、ロシアはカスピ海沿岸に領土を持たな
くなってしまいます。石油利権の確保が、難しく成ります。

 今後、米国はイランとの国交回復を行うでしょう。本格化するのは
中東和平が実現してからだと思いますが。

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