2595.NHKスペシャル見ながら



昨夜のNHKスペシャル見ながら。浅山
From: 浅山     

あのインドでも慌しい、エリート目指して頭の良さを競う若者の世界が出来上
がっている様子、あと4半世紀すると、アメリカも日本も経済力でインドに追い
越されて居るのだそうだ。それは、自明と言っては悲しいが、今のような政治家
や教育関係者、いや国民のわが子への教育意識では、そうなるしかないのでは。

咋秋にも書いたが、浦和の高校にライオンズクラブ交換学生で来ているオースト
リアの高校生から高校の学期試験の様子を聞いてびっくり、長い時間かけて、口
頭試問、論文提出、それも論理構成、独創性を評価されるのだとか、その交換学
生は「日本人の勤勉さ」を学ぶために日本を選び(同期に海外交換生に出たのは
4名、それもあちこちの希望国へ散っているのだとか)、彼は日本の高校生に勤
勉の一かけらも無く、がっかりした表情。慰めにも似た気分で私は「そんな育ち
方をした日本人は集団になると凄く、いい仕事をするのですよ、その日のため
に、休み休みゆっくり頑張るのですよ」と。

しかし、あのゼロと言う数字を発見し時間を感じさせないインドの人たちの生活
イメージはその番組からは想像できなくなりました。仏教が生まれたインド、確
かに食うことには心配の無かった王家の息子、今ならビルゲーツさんが新たな人
類の哲学を悟り、語り始めるみたいなものでしょうか。ですから、インドでも大
衆は明日の食いぶちを探し、そのための知恵を競い、生きるか死ぬかの瀬戸際
で、ピンチをチャンスにする知恵、多くはそんな時、生まれる知恵は多くは悪知
恵ですが。

この市場社会、多くの人口になればなるほど、その競争は激化してくるのではな
いかと、その番組を見ているうちに気分はブルー。あの田舎から、頭の良さだけ
で期待されてIITというムンバイのエリート大学に入り、家族全員が20歳に
なったばかりの青年に生活の保障を期待し、応援している。あの地球自然を感じ
て抽象性を掴むのではなくて、感情抜きの数値で頭の中で法則を掴む能力を頭が
良いとされる、コンピュたー社会、火星の水の存在も読み解ける、人間にとり、
文明の進歩とは何か。

日本も自分が人間だと考える時間など無く、機械だと、為政者にしたら国民の一
人一人が人間銃弾丸に見えたり、男は生殖して次世代の財を産ませるオスであ
り、女は生ませられるメスと言う機械だと、何と正直な政治家なのでしょうか。

PS. 得丸様、先のメールの返信、有難う御座いました。
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不都合な真実。浅山
From: 浅山 

An Inconvenient Truth を見て。

出るべくして出た映画と思いました。政治家でも元気な善意を漲らせた人がここ
までやれるのでしょう。映画の中の科白にも有りましたが「野党も与党にも環境
問題の危機意識を持つ人はいる、ところがそこに踏み込んだら最後、政治生命が
絶たれる」のだと言うようなことを述べていました。

営為自体が人類の存在自体が環境破壊を招いているのですから、終末を迎える、
それは人の死と同じく、予測できない、ある日突然、見舞われるのかもしれません。

地球環境破壊を食い止めることは難しくても、遅らしながら、次の打つ手が無い
かと考える時間稼ぎをして工夫するのも、人間らしいのかもしれません。そして
一握りの人間が生き残る、また地球が回復して、そのヒト種が残り繋いでいく。

いや、この考えは余りにも悲しい未来予測です。あの東京都知事が黒い灰の入っ
たガラス瓶を振って、自動車の排気ガスの恐さを訴えていましたが、何時の間に
かそのパフォーマンスもなくなりました、人は新規なものには飛びついて、マン
ネリの中には飽きが来て、忘れます。そんな繰り返しで生きてきたのが人類で
しょう、存在の軽さ?

忘れることは、個人の精神面には良いことでも有りますが。そろそろ、忘れられ
ない悪夢の続きを、更に続きを、止むことなき悪夢を見せれることになりそうで
す、そうで無いように、自分の神に祈る気持ちです。

氷河期を招き「ご破算で願いましては」ソロバン練習の時のようになるのでしょ
うか。アル・ゴア氏の育ちも、10歳違いの姉の肺がんでの早い死という教訓、
父親の経営した牛牧場の少年時代の体験も彼の今日の心に大きな影響が在ったの
でしょう。皆そうした、体験を通して成長過程が在ったからこそ、危機意識も想
像でき、見通し、態勢を備える政治家たりえるのでしょう。

今は世界が終末兵器を持っていますから、自国だけの勝利のためにもう戦争は始
められません。そのかわり、氷が溶けて、水が今より6メートル高くなったと
き、海岸地帯の人々は、夥しい人々が移動していくのです、我先に、まさに歴史
で習った「ゲルマン大移動」をさらに大規模にした人類の大移動が。

アル・ゴアはアメリカの政治家らしく民主主義の強さをして、この環境問題の転
換軸にもできるのだと語っています、その態勢が整えられていない所、例えば日
本はどうなるのでしょうか。

その枢軸としての政治家の役割、そして真実を述べる学者が、知識人がと、日本
では官僚も含め、その危機に備えて体制は整えられているのでしょうか。評論は
書けますが、自分が何を為すべきかを考えても、実行可能なものが書けません。
これは何故なのか。

日々を大切に、自分の営為の一つ一つを大切に、小市民的ですが、小さな親切、
小さな幸せを。そして大きな流れは地球時間、歴史の流れと宿命感に任せるのが
良いのかもしれません。


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