2585.世界経済の状況



世界的な経済状況を検討してみる。違う姿が浮かぶ。  Fより

どうも経済状況の説明がおかしいように感じる。資源不足を煽り、
資源の価格を上げているのは先進諸国ではないかと見ている。この
当たりを検討しようと思う。

工場が世界に出来て、供給過剰の状態にあり、かつ先進諸国では買
う物がないために消費が停滞している。日本の我々も買うものがな
い。先進諸国には物が充満している。これ以上、需要を喚起できな
い。

世界的に需要を喚起するには、中進国の給与を上げることである。
テレビ、冷蔵庫、洗濯機など欲しい物はたくさんある。自動車も欲
しいという。グッチのカバンももう少し高給になったら買いたいと
なる。海外旅行にも行きたい。その証拠に中国の物欲は凄い。欧州
のブランドも中国で売れている。

ということは、中進国家の資源価格を上げればいいことになる。ロ
シアやインド、ブラジルなどは、資源価格が高騰したために消費も
大きく伸びている。この消費のほとんどは欧州や日本の製品を買う
ことになる。

そして、洋服などは中国から買うことになる。資源国にお金を上げ
て、耐久消費材の購入を促していると見ることができる。中国など
は、洋服などを全世界に売り、その儲けで高級品を買うために欧米
日は大きな市場ができたのだ。

そして、欧米日は好景気が長期に持続している。日本は景気の上昇
の時期が過去の景気に比べて長期になり、人手不足の状態になって
いる。

そして、米国ファンドから欧州ファンドが世界から金を集めて、か
つ石油の高騰でイスラム教地域からの投資が、中進国家に集まって
いる。このため中進国家は高度成長している。ロシアのように資源
立国して、大成功している。しかし、その引き金は欧米日などの資
源消費国が結託して、資源価格を上げたことによる。

資源価格の高騰はもう1つの意味がある。ゴミからリサイクルで資
源を生み出すコストと見合うようにすることである。もし、リサイ
クルで資源化できると、世界最大の鉱山は東京になる。この50年
間、東京にいろいろな資源をぶち込み、かつ地震のため、ニューヨ
ークやロンドンの建物に比べて、多くの鉄を使う必要があった。

リサイクルのコストの低減のために中国の安い人件費を使うことで
資源を復活させている。

石油の高騰で石炭液化などの工場が建ち、かつそのコストが1バー
レル50ドルと分かると、石油も50ドル辺りまで下がってきてい
る。今後は、石油も他の代替エネルギー価格と比較されて値段が決
まることになる。

一番気がかりなのは、農産物価格の上昇でしょうね。この理由は地
球の温暖化で今までの産地が砂漠化したり、温度上昇で適作地では
なくなることで、収穫量が減っていることに加え、エタノールなど
石油代替エネルギーの原料にされているためで、農産物が燃料か食
物かの選択が出来るようになり、石油高騰で現時点、燃料に逃げて
いる。

このような状態で一番得をした国家が話題にもならないオーストラ
リア、ニュージーランドでしょうね。


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