2567.北朝鮮の恫喝



北朝鮮問題の最新情報を網羅して、検討する。    Fより

金融制裁下にある北朝鮮は、貿易や海外での取引に大変な苦労をし
ているようだ。まず、香港に停泊していた北朝鮮貨物船の装備が古
いと香港当局から指摘されて、それほど掛からない安全装備代がなく
て、1ケ月も停泊せざるを得ない事態になっている。外貨がない証
拠である。

そして、北朝鮮は外貨を獲得するため、ロンドン金市場で金塊売却
を計画していると報じられた。このため、どうしても1月の米朝2
ケ国協議で金融制裁を解除したいのでしょうが、米国は日本の脅し
に北朝鮮を使い、レーザーでミサイル防衛する装置の開発費を出せ
ときた。このため、米国は危機を高めるために北朝鮮の要求を拒否
する。6ケ国協議を開催しても、北朝鮮は金融制裁以外は話し合わ
ないはず。

研究費を日本になぜ出させるかというと、米国の予算で国防費が膨
張しているが、そのほとんどをイラク戦費に回さなければならない
ため、米国の軍事研究費自体は減額されている。しかし、この研究
で実用化したレーザーMDを一番必要としているのが、イスラエル
である。ヒズボラ地域であるレバノン南部から1分以内で着弾する
ロケット弾を防御するには、レーザーしかない。

しかし、イスラエルは200億ドル程度米国から毎年軍事援助を受
けて、やっと国防ができている状況であり、レーザー開発費を出す
ことが出来ない。日本は北朝鮮からロケット弾では届かないために
レーザーMDを本当は必要が薄い。しかし、お金を出せるのは同盟
国でも日本しかない。このため、米国は北朝鮮からのロケット防衛
という名目で日本を取り込みたいのでしょうね。今後、日米関係は
このように防衛機器開発で日米が協力して行うことが増えるように
思う。米国の国力が落ちて、自国だけでは防衛のための研究開発費
が出せない。

しかし、北朝鮮は日本を敵と恫喝し始めた。それに対して、山崎拓
氏はのこのこと平壌に行くという。何を御見上げに持っていくので
しょうか。何を見返りにもらうのでしょうか??日本は今、出て行
っても得る物がないと思う。日本に戦争を仕掛ける北朝鮮は、弱さ
を隠すために、強がりな瀬戸際外交しかできない。それに乗るのは
損だ。どうして、時間を掛けて弱らし、どうしようもない状態にし
ないのか不思議である。

韓国は1月の米朝交渉で北朝鮮をサポートするために、北朝鮮は核
実験の準備をしていると発表した。韓国は北朝鮮をサポートして、
現状のままの北朝鮮維持を狙っている。このため、援助も増額して
支えている。しかし、朝鮮統一も北朝鮮の中国への併合も望んでい
ない。この中国への併合を金正日総書記も望まないために、今後も
自分が統治するという発言になっている。

中国は親中派の金正男か張成沢を後継に据えようとしている。そう
すると、行く行くは中国への統合の可能性が出てくる。これに対す
る防御であるが、中国が北朝鮮の生死を左右できることには間違い
ない。

北朝鮮の瀬戸際外交に慣れたことと、北朝鮮は外交の条約も守らな
いことが長い交渉の過程で分かっているので、米国も中国も北朝鮮
の言葉を信用していない。このため、制裁や脅しを北朝鮮に逆瀬戸
際外交するしかないと見ている。日本は甘すぎである。北朝鮮に対
してミサイルを発射したら、即空爆などと脅しを掛けるしかない。
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山崎拓氏が近く平壌訪問 日朝関係打開めざす(ASAHI)
2007年01月06日03時05分
 自民党の山崎拓安全保障調査会長が、近く平壌訪問を予定してい
ることが5日、わかった。複数の政府・与党関係者が明らかにした。
宋日昊(ソン・イルホ)・日朝国交正常化交渉担当大使らと会い、
核開発問題や日本人拉致問題について意見交換し、停滞している日
朝関係を打開したい考えだ。 

 山崎氏は同日、福岡市での自身の後援会の会合で、「今、一番大
事なのは北朝鮮の非核化問題だ」と指摘したうえで、「中国や米国
の政治家から『北朝鮮と対話して説得する行動を日本の政治家はと
れないのか』とよく言われる。今年の私の政治行動の中で重点問題
として取り組んでいく決意だ」と語り、北朝鮮問題の解決に向け、
自ら積極的に行動する意向を示していた。 

 北朝鮮は昨夏、山崎氏へ平壌訪問を招待している。北朝鮮として
も政府間交渉が暗礁に乗り上げる中、北朝鮮が望む米朝直接交渉を
すべきだと主張する山崎氏と会談するのは有益だと判断したと見ら
れる。 
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「武力衝突ラインに肉薄」=対日敵意むき出し−北朝鮮機関紙
1月4日17時0分配信時事通信

 【ソウル4日時事】北朝鮮の平壌放送によると、労働党機関紙・労
働新聞は4日、「倭国(日本の蔑称=べっしょう=)の対朝鮮敵視政
策は限界を超えている。事実、朝日関係は現在、武力衝突ラインに
肉薄している」と警告する論評を掲載した。ラヂオプレス(RP)が
伝えた。
 論評は「米帝の対朝鮮敵視政策によって朝鮮半島情勢が暴発前夜
に至った」と主張。その上で、「倭国の軍国主義者らはいわゆる『
日本の安全保障』の口実の下に、わが国に対する先制攻撃で朝鮮再
侵略の野望を実現しようとしている」として、日本国内での北朝鮮
の脅威に対する防衛力強化や拉致問題の解決を求める声が高まって
いることを批判した。
 また、「わが軍隊と人民は、日本軍国主義者らがわが国を攻撃す
るなら、軍事優先の威力によって無慈悲な懲罰を与え、百年の宿敵
に対する恨みを晴らさずにはいないだろう」として、日本に対する
敵意をむき出しにしている。 
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レーザー使いミサイル迎撃、米が日本に協力要請
(nikkei) 
 米政府がミサイル防衛(MD)をめぐり、日本に発射直後の迎撃
システムへの技術協力を要請していることが分かった。上昇段階に
ある敵の弾道ミサイルを航空機からレーザー光線を照射して破壊す
る仕組み。日本企業の技術供与のほか、財政的な支援も求めている。
日本政府は協力の枠組みの検討に入ったが、技術面や財源など課題
も多い。 

 米政府は北朝鮮による昨年7月のミサイル発射後に日本に協力を打
診し、10月の核実験も踏まえた昨年末の防衛当局間の協議で詳細な
内容を提示した。 (07:00) 
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<北朝鮮>金総書記、長期政権を宣言 後継者論議タブーに
1月4日3時3分配信 毎日新聞

 【北京・西岡省二】北朝鮮の最高指導者、金正日(キムジョンイ
ル)総書記(64)が昨年10月の核実験実施後間もなく、北朝鮮
指導部に対し、今後も長期間にわたって最高指導者として実権を握
り続けることを宣言、後継者論議がタブーになったことが3日、北
朝鮮の政権に近い関係者の話で分かった。一方、金総書記は今年の
自身の誕生日(2月16日)には祝賀行事を取りやめるよう指示し
たとされ、厳しい国内事情を反映したものとの見方も出ている。
 この関係者によると、金総書記は昨年10月下旬、朝鮮労働党幹
部らに「私は今後も長期間、最高指導者としてやっていける。80
歳も90歳も可能だ」と述べた。発言を聞いた幹部らの多くが「金
総書記は少なくとも80歳まで、つまり、あと15年は第一線で活
動する。それまでは後継者問題を口にするなと総書記が意思表明し
た」と受け止め、その結果、後継者問題が語られなくなったという。
 これまで金総書記の後継者に挙がっているのは、映画女優だった
成恵琳(ソンヘリム)さん(02年5月死亡)との間に生まれた金
正男(キムジョンナム)氏(35)▽愛人で大阪生まれの帰国者、
高英姫(コヨンヒ)さん(04年6月死亡説が有力)との間に生ま
れた金正哲(キムジョンチョル)氏(26)▽その弟の金正雲(キ
ムジョンウン)氏(23)の男性3人。他にも、金総書記の義弟、
張成沢(チャンソンテク)氏(60)の名前も浮上している。
 一方、総書記誕生日は北朝鮮の「国家祝日」で、これまで北朝鮮
内外で大規模な祝賀行事が催されてきた。しかし、今回は昨年11
月末の段階で祝賀行事取りやめの通達が出されたという。金総書記
は「4・15(故金日成(キムイルソン)主席の誕生日)だけを祝
ってほしい」との意向を明かしたとされる。
 北朝鮮では昨夏の大規模洪水などの影響で市民は苦しい生活を強
いられており、北京の北朝鮮研究者は「厳しい国内事情を考慮すれ
ば2・16と4・15の2度も大規模行事を実施するのは難しい」
と分析する。一方で「金総書記は自身の誕生日の祝賀行事は縮小し
ても、父親である金主席への賛美を最優先させる姿勢を強調するこ
とで、国内での評価を高めて求心力を維持できる。総書記独特の統
治手法とも解釈できる」と解説した。
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北朝鮮が核実験準備完了か 米ABC報道(ASAHI)
2007年01月05日11時19分
 米ABCテレビは4日、複数の米国防総省高官の話として、北朝
鮮が再度核実験を実施するのに必要な準備を完了させたとみられ、
米国が懸念を強めていると報じた。昨年10月9日に核実験を実施
したのと同じ場所で、実験前に見られたのと同様な活発な動きを、
米国の偵察衛星が探知したという。ただし、実際に実験に踏み切る
兆候なのか、米情報機関の判断は分かれているという。 

 昨年12月の6者協議が結果を出せずに終わり、米国の対北朝鮮
金融制裁に関する米朝協議が今月にも開かれるという状況の中で、
交渉を自国優位に導くための示威行為という可能性もある。しかし
ABCは、前回の実験が部分的にしか成功しなかったとみられるこ
とから、国際的な非難を浴びても再実験に踏み切る可能性は否定で
きないとした。 

 ABCによると、1人の国防総省高官は、「彼ら(北朝鮮)は事
前の予告や警告なしに実験を実施できる、すべての準備を整えたと
我々はみている」と述べた。別の2人の高官もこの情報を確認した。

 しかし、米情報機関の高官は「私にとっては驚きだ」と述べ、核
実験が近いとは限らないとの見方を示した。別の高官は、北朝鮮は
今後2、3カ月の間に新たな核実験を実施する可能性があると予想
した。 

 一方、ロイター通信に対し、情報機関高官はABCの報道を否定
した。実験の準備が進められている兆候があるとの情報についても
「それを示す証拠はない」と否定した。 

   ◇ 

 韓国外交通商省当局者は5日、米ABCの報道について「北朝鮮
の核実験場と疑われる地域で一部、活動が観測されてきたが、現在
の時点で追加実験に直結する特別な兆候はない」と述べた。 
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朝鮮半島有事計画の検討、麻生外相が認める(ASAHI)
2007年01月06日01時13分
 麻生外相は5日の閣議後会見で、朝鮮半島有事を想定した港湾・
空域の使用や後方支援活動などの日米両政府の「共同作戦計画」に
ついて、「在留邦人、観光客をいかにして(退避させるか)という
ことは以前から考えている。在留邦人をこちらに連れ戻す手段とい
うのを米軍や民間の船、ボートから何から使うことを考えるのは当
然だ」と述べ、日米で有事計画の具体化を検討していることを公式
に認めた。 
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「北朝鮮軍事費、国民総所得の30%以上」・韓国国防白書
(nikkei)
 【ソウル=峯岸博】韓国国防省は29日に発刊した2006年版の国防
白書で、北朝鮮の軍事費が「国民総所得(GNI)の30%以上」に
及ぶと推定した。05年11月以降、金正日総書記の軍部隊視察が大幅
に増えたなかで、北朝鮮は新型を含めた多様な種類のミサイルを試
験発射するなど「戦闘準備態勢を強化している」と指摘した。

 白書は北朝鮮を「深刻な脅威」と規定。前回出した04年版では「
直接的な軍事脅威」だったが、核実験実施や大量破壊兵器の開発強
化、軍事力の前方配置などを踏まえ、表現を強めた。

 北朝鮮の核兵器開発の状況は「北朝鮮の主張通り03年と05年に使
用済み核燃料棒の再処理を完了した場合、30キログラム余りのプル
トニウムをさらに確保できたと推定される」と分析した。1994年以
前に抽出したと同省がみている10―14キログラムを合わせると北朝
鮮は核兵器6、7個程度分に相当するプルトニウムを保有している計
算だ。(19:58) 
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北朝鮮「ロンドンで金塊売却を計画」 英紙報道(ASAHI)
2006年12月29日11時17分
 英紙タイムズは29日、北朝鮮の金正日政権が米国などによる金
融制裁の影響を和らげ、外貨を獲得するため、ロンドン金市場での
金塊売却を計画していると報じた。 

 同紙によると、北朝鮮の朝鮮中央銀行が今年、ロンドン貴金属市
場協会の「適正供給者資格」を再取得した。トレーダーらによると
、今のところ、北朝鮮が金塊を売却した様子はないが、定期的に供
給できるようになれば売却に乗り出すとみられている。(時事) 
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6者協議、「月内再開は可能」 米国務省報道官が見通し(ASAHI)
2007年01月06日03時06分
 米国務省のマコーマック報道官は5日、北朝鮮の核問題をめぐる
6者協議について、「次の段階に移るべき時が来ている。今月のう
ちに再開することが可能だ」との見通しを記者団に示した。6者協
議は先月、1年1カ月ぶりに北京で再開されたが、具体的な成果を
上げないまま再び休会となっている。 

 北朝鮮が再び核実験の準備を整えた兆候があるとの米ABC報道
については、機密情報は論評しないと強調しつつ、一般論として「
もし再度核爆発を起こせば、政治外交プロセスに深刻な影響を及ぼ
す。なぜこの段階でそのような手段に出なければならないのか」と
述べ、牽制(けんせい)した。 

 6者協議とは別に、今月ニューヨークで開かれる予定の米朝間の
金融問題協議については、個別の動きと位置づけ、その成否を6者
協議開催と関連づけるべきではないとの米国の立場を改めて示した。


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