2556.日本が、核を持つことはないじゃろう



日本が、核を持つことはないじゃろう。 虚風老
   
 今までは、膨張ということでは、慎重に「日本の膨張」に歯止め
をかけてきたのは、アメリカであって、中国ではないわいな。
(瓶のフタ論等)
思わぬほど、日本が、経済面で膨張しようとしたときには、激しい
日米摩擦になり、金融面(まあ、プラザ合意以降、金融戦争ともよ
ばれたが、その敗戦の結果は、対日年次要求書になっておる。)に
よって叩き潰された。今や、外務も金融関係もホールドアップ状態
なんじゃけど。
まあ、日本の体制にも、いろいろ「難」があったわけで、それを利
用しながら、またシステムを変更しているのは、いいんじゃがね。
変更できないシステムは死すのみじゃからね。

アメリカにとって、日本が「自前の核=日本が、自分達で作って自
分達の意志で運用する」を持つ利点というのが、考えられんのじゃ
がね。
であるから、「米国の持ち込みを認めよ」というのだけが、可能な
方法というのなら、それは、他の核を持つ利点として上げたことと
は関係ががなくなり、単に依存を深めよということじゃろう。

北朝鮮の核は、相互確証破壊という範疇があてはまらないために、
みんなが手を焼いておる。彼等のは、「俺が死ぬときは、みんな道
連れだぁ」という威しによってなりたっておるから、大国間の失う
ものがお互いに大きすぎるという論理では、防げない。だから、こ
ちらが核武装しても北朝鮮の脅威を防ぐことはできない。どちらか
といえば相手の緊張を高めるだけじゃろう。奴等が撃ってくるのは
、金正日が、もう失うものが無いと思ったときだけじゃからじゃ。
まあ、すべては、金正日の権力への妄執の上になりたっておる。
それが、たくさんの人間の命や安心を不安定にさせておるんじゃか
らの。

米国は世界を管理(支配)していることによる、多大な利益をえて
おる。
ドルが基軸通貨であることの発行益がその最大ともいえるが、
ドル(金融力)−エネルギー権益(石油等)の支配力―軍事力−情
報力−科学力が、ペンタゴンを形成しておって、どれかの優位性が
落ちると、それらの輪が崩れてしまう。
その点では、地域大国に簡単におちこんでしまうということを避け
ようとするじゃろう。だから、モンロー主義をとりたくてもとれず
、世界に関与し続けようとするじゃろうな。

ネオコンは、それを<力>で支配の完成ができると千年王国のよう
な夢を見たわけであるが、逆に米国の圧倒的な力(ハード・ソフト
を含めて)の破綻の幕開けになったかもしれんがね。(戦略的には
、オサマ・ビンラデンは、非常に適確な一点を打ち込んだのかもし
れん)

五つの輪では、
エネルギーの支配(確保)という輪が、一番壊れ易いところじゃろう。
また、それによる、ドルと石油のリンクというのも、ユーロしだい
で予断を許さぬものになろう。まあ、元がでてくるのは、先かもし
れないが、中国人の海外展開からみれば、円よりも広範囲に使われ
る可能性はあるな。(ならば、アジア通貨構想は、ヘッジになるか)

アメリカは、イスラエルの策略にのって、
世界の警察官というイメージの正当性を失ってしもうたしの。
まあ、だが、まだまだ、そう急激に落ち込むことはなかろうな。
何と言っても、大陸国家なのだし、懐は、非常に深いからのう。

対米同盟重視・国連重視・アジアとの共栄というのは、矛盾ていわ
れるが、対米同盟重視というのは、小判鮫戦略のつもりなんなのじ
ゃろううし、国連重視は、アメリカが時に嫌がる、ガリバーを縛っ
ておく小人達の紐の役割を期待し、尚且つ、<世間>というものを
価値の尺度にしてきた日本人の心情にあうからだろううし、アジア
重視というのは、何はいっても、世界を覆っているのは、「西洋近
代」であるから、バランスとそれに対する重しということであろう。
(しかし、ここには、中国・インド・イスラムがあって、しかも台
頭傾向にあるので、日本(科学や経済で成功したので、力があると
見られている)の影はうすくなるが。

イスラムが台頭しているかは、疑問があるじゃろうが、人口は増え
ているし、主な原油生産地はイスラム圏に偏在していおる。以前は
流通を押え、採掘技術を押えたところ(先進国)が勝ったが、ロシ
アやベネゼイラ・イランなどの動き(国有化か準国策会社化)や、
などが広がると油断がならない。

脱国家化しつつある、金融資本はどのように動くか(国家利益とい
う古典的な要因を越えて)分からない部分がある。
資本は資本の自己増殖のためだけに動くともいわれておる。
そうすると、資本は「自己増殖を阻害する要因は潰していく」こと
になる。この辺を分析すると面白いかもしれん。
(ま、人間の生活もつぶされるんじゃがね。)

やはり、中国においても、ネックはエネルギーになるじゃろう。
(これは日本においても、世界のどこの国においてもそうなのじゃ
が、特に産業経済的に巨大になろうとする国では、その影響がもろ
に現れる)

という意味で、国際金融資本が中国をどうみるかじゃが、今の米財
務長官(ポールソンだっけ?)は、最強外資ともいわれる、ゴール
ドマンサックスじゃし、(わしゃ、ブッシュ政権の中枢はチェイニ
ーだったと思うが、それが、彼が入ったことによって、政権の権力
構造が変わったとみておる。ネオコンがパージされているのもその
関係じゃとおもうとる。)
彼が、中国をどう位置づけているかは諸兄も、知っておると思う。

金の流れる水脈が変わったということじゃね。(軍需産業複合から
、金融へ)で、「市場」だけは活況(不思議じゃが、実需でなく、
金融の虚界はね)というわけじゃ。

どちらにしろ、日本は<核>など持てんよ。技術的に可能というが
、それをやる原子物理学者も、施設もありゃあせん。NPTが、日本と
ドイツを核武装させないための仕組みのために作られたことはよく
知られたことじゃ。

中川昭一が、原爆投下は、戦争犯罪・人道犯罪だと正直に言うて、
ワシもそう思うんじゃけどな。
しかし、自民党の政策責任者が、ああ発言をすれば、安部政権はア
メリカに目をつけられるんじゃなかろうか?虎の威を借りとるのに
、虎の尾を踏むと、長くはもたんじゃろうね。、、戦後はずっと紐
付きのようにしてやってきたが、それでもそれを利用してたのじゃ
が。。。
(まあ、今の日本は、あまりにもやすやすとハンドリングできるの
で、ファクターとして、あまり相手にもされておらんように思える
けんどの)
まあ、ああ、小泉みたいに猫になって、相手の膝の上で、ごろにゃ
んとしているのも、厭らしいがの、、、。

国際戦略もだが、日本国内の崩壊要因(子供・生活・仕事・地方・
財政等)のほうが、外国に攻められるより早く、駄目になるんじゃ
なかろうかね。

                  虚風老


コラム目次に戻る
トップページに戻る