2551.同盟と親友



同盟と親友                        tomato  
   
 英国の外務,総理を兼任したPalmerston 3rd Viscount(1784〜1865)
の有名な言葉で‘英国には永遠の友も永遠の敵もいない。ただ国家
利益だけがあるだけである’と言う心をえぐる冷徹な明言があります

そんな英国も今じゃどうなんでしょうね
覇権の謙譲から早 半世紀 強

もう牙のヌケタ虎もいいとこで今あるのはけばけばしい栄光なる歴史
以外何もない

国際政治学は伝統的な見地であるバランスオブパワー論から端を発す
るように歴史的流れや協調などを重視しており強大国中心的で保守的
な見地ばかりだが学問として気高さや政治的discourseが生々しく感じ
られ有機的に血の通ったものだったと思う

学問の政治的活用に関する論議があるくらい米方が覇権を手にしてか
らの国際政治学は顕著にかわった

若干論議の飛躍なので戻ります

脱冷戦後の米方の対外政策に関する権威的論議の中で一番有力なの
がB.Russettを中心とするdemocratic peace である
I. kantを継承したとするこの理論は簡単に名前を見ても分かるとお
り民主主義国家体制の拡大による永久平和だと言う

脱冷戦後的のいなくなった米方にとって人道的介入やらfree trade
の拡大など常々米方がもっていたcrusade的な価値の拡大を狙ってい
る。

そんな中で英国も民主主義採択第1世代と言うことで米方と価値感を
共有してるとも取れる。
英国が今尚敵味方の単純論理ではなく国家利益の見地で政策を繰り
広げてるかは誰も分からないだろうが米方が2次大戦以後張り巡ら
した覇権体制内のアメリカナイズされてある価値はそうそう拒否で
きるぐらい生易しくない。

今米方陣営直接的な形で入っている国々はそんな価値観のハザマで
苦悩しているのだろう。価値観を取り込んできた米方と国家利益で
物事を思考したい各同盟国のリアリストたちにとってこういう面で
も米方は厄介である。

同盟は友の領域を超えるものだが共存の義務があるわけではない。
国際政治はinterest defined in terms of powerを中心に動くから 


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