2542.沈黙の宗教ー儒教



先月の本を読んで所感
From: 浅山      

「沈黙の宗教ー儒教」加地伸行著・ちくまライブラリー99
[ 読書 ]
位牌と墓が先ず儒教に関係していることに驚き、花・灯明・線香がそれぞれイン
ド・中国・中国の宗教に由来するものだと、そして日本はそれを受けとめ、日本
独特の仏壇が作られていると著者は書いている。

儒教が中国人の現実的、経験的、即物的、具体的な性格から来た、生命の連続と
いうことを基礎としている考え、家族道徳、親子の関係が根本になると。「孝」
が重要な徳目。

家族は夫婦と言う単位を中心にするのではなく、親子と言う単位を中心にする、
その点では欧米近代の個人主義に基づく両性の合意に基づいて結婚し、夫婦を中
心とする核家族とは、真正面から対立することになると。

最近、増えている女の前の男との中でできた子を新しい男の前で虐待、刺殺する
事件、動物的な個体維持の本能からは当然、今の男に身体ごと捧げ添いたい、邪
魔なのは前の男との間に出来た子ども、女の性ではまっとうなのかもしれない
が、子どもにしたら、親の心から学んで生き延びようとする、未だか細い生き方
の時代。今、新しい規範が要求されている気がしてならい、この本を読みながら
考えさせられました。

生産関係もそれに伴う上部構造も変化している今、新たな次世代の共存のあり方
の規範が生まれるための痛みを伴った胎動が始まっているのではないかと考えさ
せられます。

それは、復古と革新と分かったふりの現状維持派と絡み合いはこれから、大いに
盛んになることでしょう、あるときは血も涙も流される、いやもう流され始めて
いるのかもしれません。直ぐに異常者とか差別意識で人にレッテルを貼ってその
場しのぎで行くのではなく、何かその下に隠れている深層海流を究めてみたくな
ります。

そうした意味でなら、皇室の存在の意味も見えてくるのですが、欧米化の波の中
で、民主主義が時代の文明の先端とすれば、本当に耐えられる皇室を国民が維持
させることができるか、勿論皇室の中にも、時代にマッチした皇室を作られる知
があるや無しや。

中国がイニシャチィブをとってアフリカや回教国をまとめていけば、その内、欧
米の文明と対決するような時代も来ないとは言い切れません、民主主義を骨抜き
にしない、真に優れた物に育てる「教育基本法?」、やれいじめ、やれ少年事
件、やれ自殺と表層だけで追いかける政治屋たちの罠にはまり、税金の無駄使い
が気になります。
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ロス在住のブログ仲間からの反応

Re:「沈黙の宗教ー儒教」加地伸行著・ちくまライブラリー99(11/25)
Hirokochanさん
【直ぐに異常者とか差別意識で人にレッテルを貼ってその場しのぎで行くのでは
なく、何かその下に隠れている深層海流を究めてみたくなります】

文章のなかで、この部分に、とくに、共感しました。
深く掘り下げていくと、、人間は自分で自分の首をしめていることに気付きます
が、それをやめようとしないのが、人間の性でもありましょう。
ハイテク、ハイテク、、と、浮かれているのはいいけれど、それが、どうなる
か?という事を考える人がいても、そして、それを、防ごうとする人がいても、
大衆がそれについていかないところに来ている感じがします。それを、ブログな
どで、その教育を広めていくというてもありますでしょうね。

つまり、テクロノジーが進むのと同時に、人間の精神が蝕まれていくケースが増
えている事実はみのがせませんね、それが、子供同士の殺しであれ、夫婦問題で
あれ、あなたのおっしゃる、利己主義な子殺しであれ・・・・

(Nov 27, 2006 10:46:40 PM)




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