2529.沈黙の宗教



沈黙の宗教

皆様

現在の中国は毛沢東時代文革の批孔批林から変わって胡錦濤政権下
では、「左手にマルクス、右手に孔子」と儒教学校を全世界に展開
しようとする大中華戦略を目指しているという。(SAPIO11/22
号より)「儒教の教えと共産主義の教えを車の両輪のように発展さ
せることによって、中国の未来が形成される。」「共産主義の優れ
た部分と、中国4千年の歴史の中で脈々と受け継がれてきた孔子の教
えを合体させることで中国は世界に貢献できる文明の発祥の国とし
て飛躍できる」という。文革時代には家父長的な宗法制度や男尊女
卑の思想が近代化を妨げるとして孔子廟を片端から破壊した方針と
は大いに変化している。

比べて戦後60年一貫して愛国も、道徳も防衛も語ることさえ犯罪行
為のようにされてきた学校教育。戦争原罪反省の呪縛からいまだ自
らの力で自国を変えられない国民と昇り竜のエネルギーの違いの源
泉は何であろうか?

「沈黙の宗教」では234ページあたりに靖国の捉え方について中国と
日本の違いが明解に記述されていた。「日本人の場合(1)成神・
成仏 (2)降霊・招魂という本来あい容れない立場、便宜的な矛
盾を平気で並存させている。中国人は純粋に儒教的で死者を死後も
生きた人間と同じように思って平気でその恨みをはらそうとする。
死者は、日本人が考える成神・成仏している尊い存在ではないので
ある。」

彼の国の人から何時まで恨まれることになるのだろう。末代まで懺
悔してもしきれない日本国が滅びるまでいつまでも日本人は自虐し
ているべきなのであろうか。60年という年月は人の一生に近くかな
り長い。戦後生まれの日本人は運悪く生涯戦犯の子であって先祖の
罪を反省しているしかなかったのだ。永遠に子孫に対しても戦争で
行った罪を償うことを求めなければならないのであろうか。戦争と
いうものは有りたくはないものであるが有史以来古今東西いつでも
有ったものではないか。欲望の強い人間がいる限り平和を長く続け
ることは難しい。中国は古来自国の中でさえ民族の戦争と殺戮の歴
史を繰り返してきた国である。

日本と大陸とは、日中戦争までは過去千年の間壬申の乱以降 元寇
、秀吉の出兵、日清戦争とたった数回しか大きな戦いをしていない
良好な関係であったという意見もある。いやいや日中戦争は宣戦布
告もなく始められた戦争であり侵略行為であってとにかく日本は悪
い等等反論も強い。やはりこの問題は、為政者の覇権争いと権力闘
争の道具であるのだろうと思う。

閑話休題、なぜか中国の老人は日本の老人と比べて明るく幸せな顔
をしているような気がする。平日の昼間から太極拳、将棋、麻雀に
興じて仲間が集まって楽しんでいる姿を良く見かける。貧困ながら
高齢者への社会福祉には厚い。経済大国日本の老人は高額の老人ホ
ームの中で暗くて孤独である。年金制度の不安に駆られ、街は子供
と若者の消費の天国地であり老人は公園しか足を踏み入れられない
場と化している。末法的な“姥捨て山“思想である。

儒教の国では、未だ長幼の序の精神が強く残っている。韓国も然り
。祖先祭祀と招魂再生の慣習が強く残り長老を敬っている。お祖父
さんの前ではタバコも吸えない。戦前の日本も同様であったと思わ
れるが良い慣習も敗戦とともに民主化には悪しき封建的なものとし
て捨てられてしまった。修身も道徳教育も再び侵略戦争を鼓舞する
可能性のあるものとして排除された。

昨今話題になる子供のいじめ問題や自殺問題も学校や先生のせいば
かりではあるまい。家庭や社会が本来機能させていたものまで軍国
につながる悪しき物として捨ててきてしまったのではないか。他民
族からなる大国・中国が儒教を見直して国の思想の中枢に置こうと
している姿は、他山の石とすべきものかと思う。

小川
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いじめと教育基本法改定
From: 浅山      

こんな時期に政府は国民に「教育基本法」について説明不十分ではないのか、与
党は改定して何を目指すか、民主党も何ゆえ改定を言っているのか、説明不十分。

騙しのテクニックか、目くらましのテクニックか、与党の手を読みたい、沖縄の
選挙で、様子見になった日には、全く日本の民主主義は御仕舞いだ。

国民は自ら自分を守る権利放棄をするのか、難しいことと、おカミにあずけてし
ますのか。こんなことで国際競争では敗北するのでは、民主主義の自分の言える
次世代を育てないと、エリートというひ弱な官僚集団では米国も中国も相手に出
来ないのではないのかな。

寺脇さん、在野で頑張って下さい。貴方の薩摩の郷中教育の伝統の良い所、異年
齢教育の教育力、稚児どん、似せどん、の区切り方で、一寸上の年長者に学ぶ、
また年少者に驚いて、我が身を正す、そんな薩摩の教育力を在野で徒党組もう
じゃないか。

でも、今度の加地伸行氏は民選政治家は官僚政治家に劣ると、行政官はエリート
で、でも人間性が欠如した官僚、いや安江さんは違います、アメリカでリベラル
を見てこられていますし、しかし、本当に最近の多数の官僚、更に次世代のエ
リート群は人間性は、誰言うとも無く、戦後の日教組がだめにした教育と与党が
言いますが。本当か、これから定年退職される団塊セだの人たち、すぐに働き始
めないで、一寸寄り道して、今まで味わったことの無いことも、少しかじってみ
てください。あまった退職金で新たな女性を、若いヒトでは疲れるから、年相応
の方を得て、人生を終えられるのも良いでしょうが。
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一本化、教育基本法改定。カルト日本教を子どもの時から。
From: 浅山

各位

今回の課題図書は、読み方で大いに考えさせられる課題が沢山あるように思いま
す。安江様に感謝しています。初めの方は民俗学あり、宗教学あり、後になるほ
ど、時代を憂える著者の気持ちが、儒教を通して、国と民のあり方を語ります
が。軸足はやはり官製にあります。

戦後、欧米から学んだ民主主義、最近では江戸時代の日本には民主主義が在った
と、この民主主義を保全するシステムまで考えていくことが次世代に残す、健全
な文化のバトンの渡し方ではないのでしょうか。

政府与党は、あの理念先行の北の国、朝鮮民族特有の理屈と陰謀を祖先から受け
継いだ、安倍総理、彼の思想が彼なりに描かれているのでしょう、若い彼を取り
巻く若手のチームは、これから暫く、日本の若者を魅了するかもしれません、こ
れが悪い仕掛けにならなければ良いのですが、若者の多くが松坂の報酬に驚いて
いる間に、、なんて無いですよね。

加地さんは未だ軸足は年寄りですから、自分の良かった、元気だった時代に学ん
だ思想で、その時代を実現できたらと考えるのは自然でしょう。しかし、戦後学
んだ、12歳で止まっているのかもしれませんが、儒教文化と民主主義の特性、
有意性を暫く信じて、折衷のオウへーベンを楽しみたいものです。

読書諸氏、今時代は面白い所へ来ているのかもしれませんが、日本の政治学の先
生が「もう政治学部の存在の使命は終わったのではないか」と言われるのは早計
ではないでしょうか。
課題は満ち満ちています。

昨日は松本様、小生の足元のオアシを心配頂き、澄みません。ラボの40周年祭
りは少し遅れるかもしれませんが、出かけて、ラボの行く末と次世代教育につい
て識者の言を良く聴いて帰るつもりです、ニコル氏や鈴木先生にも会えるのが楽
しみですが、そんなに近くへ行けないと思いますので、宜しく、お願いします。

安江様、本当にプロバカティブな本を紹介していただき、感謝です。高校時代か
ら親友の長男の奥様、阪大の中国思想の院卒ですから、呼びたいところですが、
1歳の子育て真っ最中で、その内、千葉ででも会って頂けますか、旦那も良い仕
事していますから。

今夜は「九耀」で書きました。草々


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