2526.北朝鮮問題について



コメントありがとうございます

僕本人が今韓国にいると言うこともあって北の問題のシナリオや今
後に関心が高いので引き続きFさんの北朝鮮問題の見解を伺ってみた
いです

当コラムがリアリズム(主観的にはネオリアリズムに近いと思って
る)に立脚し論議を行ってるので、バランスオブパワー論上での強
大国中心に思考し構造として体制(システム)を決定付ける極性に
主な関心を示している。

6者協議やpost coldwarでの東北アジアの特殊関係などが作用して
この北朝鮮問題は勢力としての中国や日本,ロシア,米方を見るの
にとどまってはいけない気がする。

Fさんが指摘したとおり中国,米方は北の体制維持を願ってることに
は同意だが中国のほうの体制維持の思惑と米方の思惑は微妙に違う

中国はまだ米方に比べれば北の突発に対して敏感度が低い
なぜだろう 米方はブッシュ(第1期)政権が掲げた悪の軸への宣言
 悪の軸を分ける基準,危険国家の基準がデモクラティックピース
に立脚したりとアプローチがウィルソン的である 言い換えれば敵
を分ける基準はキッシンジャーが言うアメリカ政策の分類で言えば
正に十字軍的である。

要は中国は北の体制維持を国家利益の観点で捉えておりアメリカは
大きく掲げすぎた世界政策の枠内であり地獄に陥ってる。

まあ今回の中間選挙でも明らかになったように米方は北朝鮮問題に
関心なし 即 中国にお任せ状態 もうすでに‘Neo−Dem’と騒
がれ始めてるがアメリカの政策決定過程の性質上外交政策方針は賛
否両論なイラクを抜かしてはそのままだろう 北は中国の体制維持
の思惑内で自由に行動できる。

北の日本への攻撃シナリオですか
地理的に日本より近くにいる身の見解として(?)その可能性は低
いものと見えますね 北の政策決定どのように行われてるか詳しく
は知りませんがやはり中国の政策の協調性が一番大事な北として日
本への攻撃が中国の逆鱗に触れることになることは予想できるので
は(中国は今 和平崛起の真っ只中と言うことで)
tomato
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(Fのコメント)
北朝鮮を生かさず殺さずの政策は、米中で合意しているので、そう
なるでしょうね。

また、中国は北朝鮮にある鉄鉱石、ウラン鉱、タングステン鉱や人
件費が中国の数分の1である人的資源を使った工場など、北朝鮮支
配には大きなメリットがある。それと、実質的な属国として元通貨
圏にしたことで国内と同じ感覚で商売できるために、中国の資本家
には非常においしい状態が出現している。

しかし、その中国の利益を北朝鮮の軍部が中国に北朝鮮の国富を取
られると騒ぐ可能性があり、現実に起きている。この捌け口が親中
派の張成沢の交通事故を装った暗殺未遂事件や軍部強硬派が仕掛け
るミサイル発射や核実験であったりする。

この北朝鮮の軍部強硬派台頭は先軍政治の結果であり、金正日将軍
もどうすることもできない。親中派も中国との関係で優遇し、かつ
先軍政治で生まれた軍部強硬派にも配慮する政治にならざるを得な
い。

金正日将軍の健康状態も良くないということは、政治的な決断がぶ
れることになっている。この結果、北朝鮮の行動が揺れる事になっ
ているように感じる。今回の唐カセン委員の訪朝は効果的であった
可能性が高い。親中派が盛り返している。軍部強硬派が少し退いた。

米国は北朝鮮のプルトニウムがイランに流れないようにするだけし
か、現時点で興味が無いと思う。米国の政治的状況がアジアを見て
いる余裕を残していない。中東のイラク情勢とイランの核問題がど
うしても最優先事項である。北朝鮮問題は、中国に任せるし、もし
、中国が米国を裏切るなら、北朝鮮の核施設やミサイル施設を空爆
すると、北朝鮮の脅しと言うより、中国への脅しで使っているよう
に思う。

中国も親中派が北朝鮮で十分活躍して、中国の国益に適うなら、そ
のまま北朝鮮を従属国にしておきたいはず。

このキーは北朝鮮の軍部強硬派をどう押さえるかでしょうね。
しかし、もし、再度この軍部強硬派が盛り返すと、その先はより強
硬な手段に出る可能性があり、まさか中国や韓国へ戦争を仕掛ける
ことはないので、目標は日本になるなと見ている。

韓国は北朝鮮を支えている。自国に攻撃されないように経済的なリ
ンケージ戦略で北朝鮮に対応している。その意味では韓国の戦略も
分かるし、しかたがない面はある。

日本は北朝鮮の完全否定であり、日本の制裁レベルは普通、戦争時
の制裁レベルにあるから、何が起こっても、その意味は分かる状態
ですね。
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北朝鮮“2度目”虎視眈々…“無言の恫喝”か 

  核実験直前の北朝鮮に入国したパキスタンの核技術者約20人が
、いまだに出国していないことが17日までに、分かった。金正日
総書記率いる北としては、ハノイで開催中のAPEC(アジア太平
洋経済協力会議)や来月前半にも開催予定の6カ国協議を見据えて
、いつでも2度目の核実験に踏み切る用意があると“無言の恫喝(
どうかつ)”をしているとみられている。

 中国消息筋によると、パキスタン技術団は9月末、中国遼寧省丹
東市から鴨緑江大橋を渡り、北の新義州に入ったという
(夕刊フジ10月7日既報)。

 パキスタンといえば、「核兵器開発の父」と呼ばれるカーン博士
の国。北の核との結びつきは密接で、北がミサイルを輸出する見返
りに核兵器開発に必要な技術を提供したとされ、北の10月9日の
核実験でもパキスタン技術団がアドバイスしたとみられている。

 この技術団が出国していないことについて、前出の中国消息筋は
、失敗とされる核実験のデータ収集と分析を行っているだけでなく
、2度目の核実験実施も視野に入れていると警戒している。

 中国消息筋は「核実験後の18日、中国の唐家セン国務委員らが
平壌入りして『2回目の核実験に踏み切れば、貴国への石油供給は
即時停止する』と強硬に迫ったが、金総書記は何も明言しなかった。
北は2度目の核実験というカードを手放していない」と語っている。

ZAKZAK 2006/11/17


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