2525.米国のイラク政策はどうなるか??



米国中間選挙で共和党が敗退して、イラク戦争の方針が変更になる
と見ているが、どうなるか??   Fより

米国のイラク政策見直しが本格化しているが、その行く先は不透明
である。民主党、共和党、大統領、軍幹部の意見が集約されていな
い。

しかし、イラクのマリキ政権は今後を見通して、スンニ派の追い出
しを画策し始めている。スンニ派トップに逮捕状を出して、スンニ
派の怒りを買っている。スンニ派の政治組織は政府からの脱退を言
い始めている。これはマリキ首相の思う壺であるが、その結果はス
ンニ派、シーア派、クルド人の3つにイラクが分割されることにな
る。また、フセイン前大統領に死刑判決が出て、マリキ首相は死刑
の執行をするというが、それをしたらスンニ派が怒り、収拾がつか
なくなる。

そして、すでにシーア派民兵マハディ軍も政治化して米国に妥協し
たサドル師から離れて行動しているし、アルカイダや旧イラク軍は
イラク政府軍や警察との戦いを志向している。米軍はアルバイン州
の統治を諦めている。アルバイン州に展開していた米軍をバクダッ
トに集めて、グリーンゾーンだけでも治安を安定させようとしてい
る。しかし、そのグリーンゾーン内にある高等教育省で200人以
上が拉致されるのであるから、グリーンゾーン内部でも危なくなっ
ている。

米軍はイラク政府軍を強化することが重要としているが、すでにス
ンニ派とシーア派の戦いになり、イラク政府自体がシーア派化して
いるので、その政策は有効ではないことが明確化している。内戦の
一方を支援していることになる。イラクの周辺諸国と交渉するとし
ているがシリア、イランはレバノンや核問題との関係で米ブッシュ
政権は条件を付けているために、交渉をしない可能性が高い。

そして、とうとう、マリキ首相は政府組織の全面的な改造をする意
向を米国に表明している。これは、スンニ派閣僚の追い出しである。

米軍幹部は、今米軍を撤退させると、米国の敗退が明確になるので
それはしたくないと表明しているが、そろそろ、米国の敗退を認め
る必要があると感じるが、どうであろう。

しかし、一方でイラク駐留軍の増強を共和党タカ派は主張している。
ここで撤退すると、イランの影響力が増して、今後イランとの対応
も劣勢になると見るために、イラクを平定して撤退するべきだとい
う意見である。どちらにしても今後のイラン核問題を含めて、米国
の苦悩は続くでしょうね。中東での米国の覇権は崩れてきている。

それに乗じて、イラン・ペルシャ帝国が力を増している。その裏に
いるロシアもニンマリですね。その状態に危機感を持っているのが
イスラエルでしょうね。中東の最終戦争が近いようにも感じるが、
どうであろうか??
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<米イラク政策>支持率31% 過去最低を記録

 【ワシントン及川正也】AP通信が17日発表した世論調査によ
ると、ブッシュ米政権のイラク政策に対する支持率が31%と過去
最低を記録した。これまで最低は今年6月と8月の33%。また、
ブッシュ大統領の支持率は36%、議会に対する支持率は26%で
、ともに低迷している。
(毎日新聞) - 11月18日9時58分更新
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<米大統領>イラクに適用できるベトナム戦の教訓は「忍耐」

 【ハノイ和田浩明】イラクに適用できるベトナム戦争の教訓は「
忍耐」――。ブッシュ米大統領はアジア太平洋経済協力会議(APEC
)出席のため訪問中のハノイで17日そう語った。忍耐強いイラク
政府支援の必要性を、かつての戦地で呼びかけた形だ。
 ベトナム戦争(60〜75年)中に徴兵年齢に達したブッシュ大
統領は、当時テキサス州兵部隊に入隊したが、現地には派遣されて
いない。これまでに「実戦を避けた」と批判され「事実無根」と反
論するなど、ベトナムはいわば「因縁」の場所だ。
 ベトナム戦争では約5万8000人の米将兵が死亡した。ハノイ
到着後の記者会見でイラクに適用できるベトナムの教訓は何かと聞
かれ「イラクでの任務は完了には困難が伴うが、やめなければ成功
する」などと主張。米軍の早期撤退論をけん制した。
(毎日新聞) - 11月18日10時42分更新
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イラク政府、スンニ派トップに逮捕状…宗派抗争激化か(読売新聞)

【カイロ=柳沢亨之】イラク内務省は16日夜、国営放送を通じ、
イスラム教スンニ派法学者集団「イスラム聖職者協会」のハーリス
・ダーリ事務局長にテロ扇動の容疑で逮捕状を出した、と発表した。

 内務省はシーア派が支配しており、スンニ派宗教界トップを刑事
訴追することで、宗派抗争の激化が懸念されている。

 具体的な容疑事実は不明だが、ダーリ師は最近、西部アンバル県
のスンニ派武装勢力掃討作戦を非難するなど露骨な政府批判を繰り
返していた。同師は現在、ヨルダンに滞在中とされる。マリキ政権
の一角を占めるスンニ派最大政党「イラク・イスラム党」は地元テ
レビで内務省の動きを非難した。
(読売新聞) - 11月17日12時3分更新
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米民主・共和両党、イラク政策めぐり激突=上院軍事委員会
[ライブドア・ニュース]

【ライブドア・ニュース 11月17日】− AP通信によると、米上院軍
事委員会は、来年1月までにブッシュ大統領にイラク政策に関する超
党派の提言をまとめる予定だが、民主党と共和党の対立が深く、提
言のとりまとめが難航しそうだ。7日の中間選挙で勝利した民主党は
イラク駐留米軍の段階的撤退を主張しているのに対し、共和党は増
派の意見が強いからだ。

  一方、軍の責任者は兵力の現状維持を求めており、同委員会の
提言策定は方向性を見いだせない状況にある。イラクなどを所管す
る米中央軍のジョン・アビザイド司令官は、15日の同委員会での証
言で、「駐留米軍は現状を維持する必要がある」とし、イラク駐留
米軍の規模は急激に増減すべきでなく、イラクの治安維持能力を高
めるために軍や警察などの訓練に米軍は力を注ぐべきと述べている
。増派しても効果は一時的で、段階撤退も武装組織を勢いづかせイ
ラク新政府を危険にさらすという。

  上院の民主党は、軍事委委員長に就任する予定のカール・レビ
ン議員を始め、数カ月以内に米軍の一部を撤退させるべきだと主張
している。これは、米国の関与には限界があることを示し、イラク
自身が一層の責任を負うよう促すのが目的だ。一方、共和党議員は
イラクの破滅を招くとして撤退に反対している。同委で共和党のリ
ーダーを務めることになっているジョン・マケイン議員やジョン・
グラハム議員は、暴力を完全に鎮圧するため増派を狙っている。

  両党と現場の軍の3者の考え方の違いが鮮明になり、議論の行方
はますます不透明さを増した格好だ。もちろん、イラク政策再検討
の努力は議会だけにとどまらない。ベーカー元国務長官やリー・ハ
ミルトン元民主党下院議員らの超党派グループが、年内にイラク政
策についてブッシュ大統領に勧告を行う。ブッシュ大統領は12日、
国防総省など政府の国家安全保障担当機関に対し、イラクでの米国
の「すべての選択肢の見直し」を指示している。

  しかし、イラク近代史の専門家で、ベーカー・ハミルトングル
ープの勧告案作成に協力しているフィービー・マー氏は「対イラク
政策を再検討し、新しい方針をまとめても、すべての人々を満足さ
せることは不可能だ」と語っている。【了】
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独立委への期待は「幻想」=イラク政策見直しで元米国防次官
時事通信<11月14日15時0分更新>

 【ワシントン14日時事】ウォルター・スローコム元米国防次官は
13日、時事通信とのインタビューに応じ、イラク政策に関する提言
を取りまとめている超党派の独立委員会「イラク研究グループ」に
ついて、「独立委の勧告に『奇跡』を期待する声が大きいが、それ
は幻想にすぎない」と指摘、イラクの治安回復は米国の政策修正だ
けでは難しいとの見通しを示した。

 2003年のフセイン政権打倒後に設置された統治機構、連合国暫定
当局(CPA)の上級顧問を務めたスローコム氏は「現状打開のための
容易な方策があるなら、ずっと以前から実行している」と強調。「
われわれの(イラクでの)戦略が機能していないことは明白だが、
もっとうまくいく方策があるのかどうかは明確ではない」と語った。
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米民主党、イラク戦費で本格追及へ・米紙報道
(nikkei)
 【ニューヨーク12日共同】12日付の米紙ニューヨーク・タイムズ
は、米民主党がイラクでの戦費支出などを調べる連邦機関の権限を
延長する法案を13日にも提出する方針だと報じた。民主党はこれを
皮切りに関連法案を相次いで提出、イラク戦争の戦費をめぐる問題
を本格追及したい意向だ。

 イラク復興をめぐっては、チェイニー米副大統領がかつて最高経
営責任者(CEO)だった石油関連大手ハリバートンに、多額の事
業を受注させていた事実が判明するなど不透明な取引や戦費の浪費
が指摘されていた。

 イラク戦費に関する連邦機関の権限は当初、来年10月に失効する
予定だった。法案は、中間選挙で上下両院を制した勢いを背景に、
イラク関連の事業契約に不正がなかったかなどを議会で明らかにす
る狙いがある。

 イラク駐留米軍に絡む不正行為などがあぶり出されれば、撤退時
期の設定などイラク政策の転換につながる可能性もあり、ブッシュ
政権は民主党の動きを警戒。同党と協調して今後のイラク政策を進
める姿勢を示している。 (01:22) 
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イラク首相「内閣改造が必要」
(nikkei) 
 【カイロ12日共同】イラクのマリキ首相は12日、連邦議会の非公
開協議で「現状に合わせた完全な内閣改造が必要だ」と述べた。首
相府が声明で明らかにした。マリキ首相は以前にも内閣改造に言及
しながら、与党内の反発で断念しており、今回も実現の見通しは不
透明だ。 

 治安改善に失敗し、焦点のイスラム教シーア派民兵解体も手付か
ずのマリキ政権に対し、スンニ派会派「イラクの調和」などは失望
を表明、連立内閣からの離脱を示唆する発言が相次いでいる。 

 同会派のアニ議員はAP通信に対し、首相が同日の協議でスンニ
派武装勢力の暴力を非難する一方、シーア派民兵の責任には触れな
かったと指摘。「内閣改造発言は、スンニ派を排除しようとする脅
しを含んでいる」と批判した。 (00:10) 
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2005/02/01
 [アラブの声]米国防総省、イラク3分割を真剣に推進 イラク紙が
計画を暴露

2005・02・01日付のアルクドゥス・アルアラビーがイラクの独立紙、
アルフラートから引いて伝えた。

 複数の米国消息筋は同紙に、「米国防総省(ペンタゴン)は、イラ
クの選挙結果に基づきイラクを分割しようとする重大な計画を持っ
ている。米軍がイラクの戦場に高密度に展開している故、米国議会
がペンタゴンに広範囲な権限を付与した後、この計画の詳細を廻っ
てCIAと国務省は、イラク問題を牛耳ろうとするペンタゴンと意見の
相違がある」と明かした。

 「ペンタゴンが、他の選択肢を考慮せず、予定期日の選挙実施に
固執したのは、それがこの計画と結びついているからだ。イラク人
全員が選挙に投票しないことで、ペンタゴンは『イラク人は決して
内戦突入を避けるために合意することは無い。従ってこの難問の適
当な解決策は、スンナ派、シーア派、クルド人にそれぞれが独立し
た小国を与えることだ』との口実を正当化できることになる」

 「それにより、ペンタゴンは、イラクを南部、中部、北部の3小
国に分割するようヘンリー・キッセンジャー元国務長官が提唱した
古くからあるこの計画を通過させ易く出来るのだ。ペンタゴンのタ
カ派とその子分の補佐官たちは、この計画を実行すべく真剣に取り
組んでいる。この目標実現のために密かにイラク人への馴致・啓蒙
活動が行われている。キッセンジャーの弟子であるラムズフェルド
国防長官とウォルフォウィッツ副長官が留任したことで、イスラエ
ルが祝福する古くて新しいこの計画の遂行が容易になる」


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