2510.中国の政治大国化



中国の外交的な動きが活発になっている。その検討。  Fより

米国のライスを中国に呼びつけて、北朝鮮との会談をセットして、
米国から歓迎される。そのセットした経緯で、中国報道官の言い草
が両国共に、柔軟になったと評している。これは目上の者が目下の
者に対する言い方であり、米国を政治的に仰臥したと見ている証拠
である。

続いて、ASEAN10ケ国を広西チワン族自治区南寧に集めて、
中国が首脳会議を開いている。1980年に中国とアセアンの貿易
は、20億ドルしかなかったが、現在往復1300億ドルになって
いる。この会談でも経済援助や長期契約などで100億ドルの商談
がまとまるようである。中国は現在、外貨準備高が1兆ドルになり、
このドルを資源獲得やアジアの覇権獲得競争に使っている。

そして、中国・アフリカのサミットを開催して、北京にアフリカの
48カ国首脳が集結する。ここでも経済援助と資源の権利の長期契
約が結ばれることになる。このように中国は手に入れたドル札を積
極的に使った実弾(カネ)の外交にシフトしている。

この影響を受けるのが日本である。世界中の資源を中国が高値で持
っていくために、日本に資源が入ってこないことになる。または資
源自体の値段が高騰することになる。

しかし、中国は高度成長を糧に、そして、米国の衰退を追い風にし
て、世界中から資源を中国に集めているし、経済的な関係を強固に
して、中国の世界覇権を確立する意図を持っている。

米国は中国に弱みを持っている。ドルを1兆ドル持っているために
、それを市場に出されると、直ぐにドル暴落になる。日本も8000
億ドルを持っているが、米国に脅しを掛けたことがないが、中国は
米国に脅しを掛けている。日本は米国に従順なために、米国は日本
の利害を考慮しない。そのいい例が米中共同覇権であり、その実行
を裏で実施している。中国の行動を米国は認めている。日本の田中
首相が資源獲得を仕掛けた時は激憤した米国は、中国にはできない。
それはドルの放出を言われるためであり、もう1つ、今後のドル買
い支えをしなくなることにある。

ドルは石油産出国も買わなくなっている。今、ドルを買い支えてい
るのは中国と東南アジア諸国である。その内でも一番、ドルを買っ
ているのが中国であることだ。日本は買い支えることもできないほ
ど、円安になっている。このため、ドルを現時点買い支えていない。

このため、米国は中国の行動を容認するしかない。アジア外交のほ
とんどを中国が握っている。そして世界国家・中国を演出している。
中国の政治大国化を、日本はなすすべも無く見ているだけである。

アザデガン石油採掘権も中国に奪われ、サハリン1も全量中国が奪
い、ロシアとの外交を拒否する日本は、ロシアからの天然ガスも入
らない。

そして、中東のイランはホルムズ海峡封鎖を示唆している。中国は
中東以外の世界から石油を必死に調達しているが、日本政府は中国
の動きを無視している。日本は再度、石油危機がないと動かない国
家であり、資源外交の危機を無視しているように感じる。
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中国・アフリカがサミット 北京に48カ国首脳集結(ASAHI)
2006年11月03日21時46分
 中国とアフリカ48カ国の首脳らが集まる「中国・アフリカ協力
フォーラム北京サミット」が4、5の両日、北京で初めて開かれる。
かつては台湾に代わって国連での代表権を得るための支持集めとい
う色彩が濃かった中国の対アフリカ外交だが、近年は資源獲得を視
野に入れた経済関係の構築へと拡大。相手国に人権問題などを問わ
ない「中国式接近」で欧米などから批判も浴びる中、サミットはア
フリカでの中国の存在感を見せつける形になりそうだ。 
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<中国・ASEAN>戦略的関係強化うたった共同声明に調印

 中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国の首脳会
議が30日、中国広西チワン族自治区南寧で開かれ、戦略的関係の
強化をうたった共同声明に調印した。双方は北朝鮮の核問題で、関
係各国に6カ国協議の共同声明(昨年9月)堅持と協議の早期再開
を求めることでも一致した。
(毎日新聞) - 10月30日20時47分更新
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「米朝双方が柔軟性示す」 金融制裁めぐり中国報道官(ASAHI)
2006年11月02日22時41分
 中国外務省の劉建超報道局長は2日の定例会見で、6者協議の再
開で合意した北京での米朝中3カ国の非公式協議で、米朝双方が金
融制裁問題をめぐり「柔軟性」を示した、との見解を明らかにした
。6者協議の開催時期については「早ければ早いほど良い」と語っ
た。 
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「 サハリン1の日本向けガス600万トン、中国が獲得

日本が開発に参加しているロシア・サハリン沖の資源開発事業「サ
ハリン1」で、事業を主導する国際石油資本(メジャー)の米エク
ソンモービルが、産出される天然ガスの全量を中国に輸出する仮契
約を中国側と結んだことが20日、明らかになった。

正式契約が結ばれれば、日本は産出された天然ガスを輸入できなく
なる。

イラン・アザデガン油田の石油開発や「サハリン2」に続き、サハ
リン1でも資源確保につまずくことで、日本のエネルギー戦略は大
幅な見直しを迫られることになる。

サハリン1は日、米、ロシア、インドが権益を持っているが、天然
ガスの輸出先についてはエクソンが事実上の決定権を握っている。

関係者によると、エクソンは今月、中国の国営石油会社「中国石油
天然ガス集団公司(CNPC)」と仮契約を結び、産出天然ガスの
うち、ロシアの取り分を除く約600万トン(液化天然ガス換算)
のすべてがパイプラインで中国に輸出されることになったという。

(読売新聞) - 10月21日3時4分更新」
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イラク、中国のCNPCと油田開発の再契約で協議開始へ
(nikkei)
 【北京=桃井裕理】訪中しているイラクのフセイン・シャハリス
タニ石油相は28日、北京市内で記者会見し、フセイン元大統領時代
に調印された油田開発に関する契約について、中国石油天然気集団
(CNPC)と再契約のための協議を11月から開始すると発表した。
他の中国石油大手とも精製分野などでの投資に向けた協議を進める
見通しだ。

 同プロジェクトは1997年に契約されたもので、投資額は12億ドル
(約1400億円)規模とみられている。同石油相は記者会見で「再契
約が成立すれば、すぐにでも油田の開発に入ることを期待する」と
強調した。

 イラクは治安回復の遅れなどで石油産業の復興が遅れており、石
油相は「1日あたり250万バレルの現在の生産量を2010年までには同
400万―450万バレルに引き上げたい」と表明。外資の導入で生産設
備の復旧を急ぐとともに、中国や日本などアジアに向けた石油輸出
を拡大する意向を示した。 (00:31) 


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