2508.「核」先制攻撃と抑止力戦略の崩壊



アメリカによる「核」先制攻撃戦略と抑止力戦略の崩壊 DOMOTO 
   
 「田中宇の国際ニュース解説」での「日本の核武装とアメリカ」
(10月24日号)の中に、「核抑止力を無効にしたブッシュ」という
章があった。田中さんの個人的な考察をもとに書かれたのだろうが
、現在のアメリカ軍の実態からすれば、的外れである。

http://tanakanews.com/g1024japan.htm

米ソ冷戦時代以来の核抑止力がこの数年間で無効となってしまい、
「過去の遺物」となってしまった本当の理由は、

@最新鋭大型偵察衛星「スペースレーダー」などや無人偵察機によ
る偵察システムの進歩により、中国にも、北朝鮮にも、その全土を
くまなく監視する体制が敷かれ、相手国の核弾頭搭載の大陸弾道弾
の発射準備を、簡単に事前察知できるように成った事。

Aその探知した発射準備に対応して、アメリカが「核」先制攻撃を
かけるための最新の核弾頭W888型は、6000キロ〜9000キロ飛ん
で誤差10メートル前後、またこの数年で開発実用化された「精密爆
弾」とクルージングミサイルによる正確な先制攻撃により、相手国
に一発の核ミサイルも発射させずに、中国も、北朝鮮も全滅(主要
基地・施設が30分以内に全滅)させる攻撃体制が、アメリカ軍によ
って現にとられている事。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4198621861/sr=1-1/qid=1161789720/ref=sr_1_1/

中国も、北朝鮮もいまだに時代遅れの核抑止戦略をとり続けている
が、アメリカは5600発の最新鋭の核兵器を所有しており、核兵
器保有国と核保有能力を持つ国が30国以上であろうと、アメリカ
による核攻撃の独占体制が支配しているのが現在の状況だ。

2001年5月、ブッシュ大統領がウェストポイントの演説で発表した
「核兵器を使っての先制攻撃」の決定は、それ以後の5年間でその
攻撃システムを確立し、約半世紀続いた核抑止力戦略の時代は既に
終わっている。
==============================
北朝鮮の核実験はブッシュ政権の戦略的誘導−アメリカ空海軍によ
る全面爆撃作戦― DOMOTO 
   
 北朝鮮との二国間協議を拒否し、終始一貫して六カ国協議でしか北
朝鮮との交渉には応じないとブッシュ政権がフォームを貫いてきた
のは、まさに北朝鮮に核実験を踏み切らせるためであったのではな
いか。

六カ国協議でしか北朝鮮との交渉には応じないという、北朝鮮にと
っては絶対的な無理難題をわざと外交政策で通すことが、最終的に
アメリカの北朝鮮攻撃を可能にするという見通しを、落合信彦氏が
『SAPIO』誌上で確か1年以上も前から述べていたが、今回の北朝鮮
の核実験はそれを具現化しつつある形で行われた。

北朝鮮を核実験に踏み切らせ、今後も連続核実験を行わせれば、北
朝鮮への全面爆撃に必要な、ワシントンの上院議会の同意とアメリ
カ世論の支持という政治工作が可能になってくる。ブッシュ政権は
5年をかけて仕掛けたと見る事ができる。

日本人ではブッシュ政権内の事情に詳しい、ワシントン在住の日高
義樹氏の『日米は中国の覇権主義とどう戦うのか』(2005年7月刊)
というレポートから、北朝鮮へのアメリカ空海軍による全面爆撃作
戦についての情報を要約的に述べてみたい。

ブッシュ大統領の戦略機関である国防政策会議の関係者は全員、北
朝鮮攻撃で多く兵士の死者の出る地上戦などは考えておらず、空海
軍による全面爆撃しか考えていない。その理由は北朝鮮の核施設だ
けの拠点攻撃だけでは、金正日が報復として38度線地下に隠し持つ
大砲・ミサイルにより、一千万人以上の住む首都ソウルに総攻撃を
かける可能性が高いからだ。
このアメリカ政府部内で用意されている全面爆撃作戦は、「アメリ
カ軍が持つすべての航空機部隊、戦略空軍や機動艦隊、さらには潜
水艦隊が総出動して、30分以内に、北朝鮮のあらゆる軍事施設と指
揮命令系統を破壊するという作戦である。」

多くの人々が、現在の中東情勢を考慮に入れ、アメリカによる北朝
鮮攻撃の可能性は低いと見ていたと思うが、2005年4月頃、中国が
北朝鮮の核兵器問題について交渉の仲介役から一切手を引くという
情報がワシントンで流れていた翌5月に、ブッシュ大統領はアメリ
カ戦略空軍に対してグアム島アンダーソン基地に主力部隊を進出さ
せ、北朝鮮への爆撃体制を秘密裡に整える事を命じていた。
北朝鮮はこの事を全く知らず、中国の偵察衛星もステルス性(見え
ない)の高いアメリカ軍の攻撃準備を、その時点では探知できなか
ったようだ。
==============================
初めまして。山本と申します。
いつもコラム楽しみに拝読させていただきます。

さて、私は心形刀流という古流剣術を稽古しておりまして、この流
派では「本心」練る事を重要視致します。心正しければ即ち形正し
く、形正しければ即ち技が整うと教えられており、その根幹となる
のが「本心」です。

今までは本心という言葉の意味が良くは分かりませんでしたが、先
日のコラムを拝読し、ようやく大まかな意味合いを掴めたように思
いました。心学が思想の元であるとは知りませんでした。

ご許可がいただけましたら、このコラムの内容を我々道場生内で回
覧させて頂きたく、転載許可のメールをさせていただきました。

ご許可の程、よろしくお願い致します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(Fのコメント)
どうぞ、ご利用ください。
==============================
ひたに ことほぐ
From: hibiya

-----竹下さんへ-----

生還とその経緯(ゆくたて)を語りをる
  声の強さよ 君の靭さよ

いかほどの二年(ふたとせ)を経ての言葉なる
  ただに聞き入り胸ふたがるる

それもまた君が個性と受け入れて
  添ひてゆきませ篤き病も

読み込みて さばかり深くも読み込みて、
  一冊の本。邂逅である。
  
母君の君への思ひ しのばるれ
  ピエタの像の慈愛の笑み、と

それぞれに君が闘病聴く場所に
  逝きにし人も魂降り居るらん

心肺の停止もありし手術とは。
  戻りし君を ひたに ことほぐ



コラム目次に戻る
トップページに戻る