2502.米国の現状



米国のドル暴落が近い。この現状を検討しよう。   Fより

掲示板にこのような質問を受けた。

2006年10月10日 アメリカ議会 軍事委員会法が可決成立

9月26日、米下院でペンタゴン予算4480億ドルが394対22で
承認された。イラク戦費は月額80億ドル、昨年より700億ドル上
回った。また27日には米下院本会議で、28日には上院本会議で、
「06軍事委員会法」が賛成多数で可決された。

同法は大統領にテロ容疑者を特定、無期限拘束、尋問する権限を認
めており、これにより米当局が外国人、米市民をともに『違法な敵
の戦闘員』として無期限に拘束でき、恣意的逮捕や拘束から身を守
る「人身保護令状」申し立ては禁止され、拷問も許される。

こんなニュースが入ってきました。拷問。。。アメリカは、変質し
つつあるのか?自由を捨てつつあるのでしょうか?この辺りに詳し
い方、教えていただけないでしょうか?             こんきち

こんきちさん、ありがとう。米国の現状について報道機関は沈黙し
ている。このため、日本国民は米国の現状が分からなくなっている。
ネオコンシンパの日本の評論家は米国の実態を書かなくなっている。

特にサンケイの古森さん、元NHKの日高さんはミスリードしてい
る。米国と中国は敵対関係あると報道して、日中の関係を分断しよ
うとしているが、事実とは違う。米国の経済人たちは親中派が多い
し、ライスなどのリアリストはアジアは中国に任せるとしている。

意図的に米国のネオコンの意見だけを日本に紹介し、リアリストの
意見を無視している。このため、リアリストであるライスの行動を
日本人は読めない。米国のネオコンは米国の共和党でも亜流になっ
ている。共和党の本流はリアリストたちである。

そして、米国経済に変調が来ている。米国の経常収支が上半期で
50兆円以上の赤字であり、年間100兆円以上の赤字になること
は間違いない。年間1兆ドル以上の赤字であり、ドル暴落は近い。

ドルは基軸通貨であったために、ドル札を印刷して世界にばら撒い
て、経常収支の赤字に対応してきたが、ドル暴落で基軸通貨でなく
なり、それも出来なくなる日が近いことになる。石油産油国はドル
からユーロにシフトし始めている。このため、世界の銀行ランキン
グで、欧州の銀行が10位中7行も入り、米国2行、日本1行とな
っている。これでもユーロにシフトしていることが見える。

この経常収支赤字の原因はイラク戦争の泥沼化であり、米国経済の
柱が軍事産業と石油産業しか無くなったことによる。

米国の民生向け製造業は日本、中国、韓国に負けてほとんど無くな
っている。GM、フォード、クライスラーなど米国3大自動車メー
カもトヨタ、ホンダ、韓国現代に負けて、今年は大幅赤字になり、
石油高騰が続けば倒産の憂き目にあう可能性も高い。

石油を手に入れるためにイラクへの侵略を米国は決断するが、ゲリ
ラの抵抗で、イラクでの戦争は失敗であると見られている。

しかし、イスラム・テロは米国としても封鎖する必要があり、この
ための行動として、正規軍を出してもうまくいかないことがアフガ
ンの戦争で、米国タカ派やネオコンたちにもやっと分かってきたよ
うである。

テロとの戦いには情報網、スパイ網での戦いしかできない。非正規
兵には非正規なスパイしか対応できない。このため、スパイが情報
をつかみ、その情報から容疑者を監視する仕組みが必要になる。
この行動を正当化する法律を米国は制定した。しかし、この法律は
、そのまま国民監視にも使えることになる。その歯止めがなくなる
と警察国家に米国はなる可能性がある。

もう1つ、米国の経済力は落ちて、国内の治安も非常に悪くなって
いる。この国内の治安に使う可能性があり、心配である。米国の覇
権も終わりに来たようですね。他国民が米国に行きたいと思わなく
なる。監視され、かつテロリストとして拷問も受ける可能性がある
国に危険を冒して行きたいとは思わなくなる。

米国の活力は、実は他国の優秀な人が米国に行き成功してきたがゆ
えに米国は豊かになったのですが、その優秀な人材に魅力ある国と
見られなくなることになり、経済が立ち行かないことになるでしょ
うね。

そういう意味では、米国も普通の大国になる予感がするのですが、
どうでしょうかね?
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米、イラク武装勢力と秘密協議=アンマンで2日間にわたり−英紙

 【ロンドン22日時事】英日曜紙サンデー・タイムズは22日、米政
府当局者が先週、ヨルダンの首都アンマンでイラク武装勢力と秘密
協議を行ったと報じた。
 同紙によると、協議の詳しい内容は不明だが、少なくとも2日間に
わたって行われ、有力なスンニ派武装勢力「イラクのイスラム軍」
のメンバーらが参加した。 
(時事通信) - 10月22日9時0分更新
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米政権、イラクに期限付き工程表検討 NY紙
2006年10月22日11時44分
 22日付の米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、治安の悪
化するイラク情勢を立て直すため、ブッシュ政権が期限を定めた工
程表を作成してイラクのマリキ首相に実施を要求することを検討中
だと報じた。具体的な内容は最終調整中だが、民兵の武装解除など
国家安定に必要な目標が盛り込まれ、年内にも同国側に提出すると
いう。 

 複数の米政府高官は、イラクがこの目標達成に失敗した場合など
には「駐留米軍の戦略変更を検討する」と同紙に語った。(時事) 
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<イラク>武装勢力掃討作戦の失敗認める 駐留米軍

 イラク駐留米軍報道官のコールドウェル少将は19日、バグダッ
ドで会見し、バグダッドで展開中の武装勢力掃討作戦について「我
々の目標を満たしていない」と述べ、作戦の見直しに着手したこと
を明らかにした。米軍が事実上、作戦の失敗を認めたもので異例の
発言といえる。見直しはケーシー司令官が先週、指示したという。
(毎日新聞) - 10月20日22時20分更新


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