2486.次期国連事務総長に韓国外相



次期国連事務総長に韓国外相がなることについての一考

 国連の存在は、安全保障学的に考察すれば「集団安全保障」とな
る。現実は孤立した小国への軍事介入はできるが、それ以外では安
全保障を託せる存在ではない。しかし、外交戦略上は国際世論とい
うソフトパワーとして利用価値は高い。つまり大義名分を獲得する
場である。

 次期国連事務総長の3回目の予備投票で、韓国の潘基文韓国外交
通商相が「不支持」1票、「どちらともいえない」1票でトップに
立っている。不支持が米国を含む常任理事国でないなら、潘基文韓
国外交通商相が当選する確率が高い。潘基文氏は確信的な反日家な
ので日本にとっては都合が悪いと判断できる。日本外交は現実に対
処する必要がある。韓国がごり押しをしてきた場合には、即座に合
理的反撃を世界に向けて発信しなければならない。さらに逆利用の
手段を準備する必要がある。麻生大臣に期待したい。

 国連事務総長は大国以外から選出する慣例がある。なぜなら、大
国の都合で運営されない予防処置と拒否権を持つ常任理事国の牽制
により実質的に大国からは選出されないからである。さらに、内乱
状態の国家や分断国家からも当人の資質以前に利害が発生するので
選出される事は常識的にない。次期国連事務総長に潘基文韓国外交
通商相が有力視されている状況を考察してみる。

 潘基文氏は経歴から基本スタンスは米欧の価値観を理解した行動
を取ることが予想され、対イスラム問題を含み米欧等からは支持さ
れているのだろう。ただし、米国の判断は別の観点も存在すると思
う。東アジア情勢を数年間で考えると、2008年に韓国大統領選
挙と台湾総統選挙がある。発展に伴う国内問題の解決策が不十分な
中国で北京オリンピックがある。さらに、北朝鮮がある。各国の選
挙結果や中国の社会安定度により2009年から2012年ごろに
多くの問題が発生する可能性が大きい。もし、米国が北朝鮮政権の
崩壊をこの時期に計画していると仮定すると、韓国外相の国連事務
総長就任は大きな意味を持つ。

北朝鮮が崩壊した場合、韓国による統一に大義名分上、誰も反対で
きない。その時の韓国大統領は、現状の反米大統領よりは現実主義
者に変わっていることだろう。如何に中国が妨害工作を画策しよう
とも、中共軍の派遣ができないようにするための対策が韓国外相の
国連事務総長就任だ。そして、米韓同盟はその時まで存在すると中
国の台湾侵攻は軍事的に不可能になる。対北朝鮮に備える必要がな
い韓国軍はこの時期には韓国軍の装備調達計画から想定すると台湾
防衛に協力できる武装が整っているからだ。

つまり、米国は核兵器拡散の危険性が現状で一番高い北朝鮮を数年
以内に崩壊させると共に、米国に被害を及ぶ危険性が高い中国の台
湾侵攻を阻止するシナリオを画いているのでないだろうか。

佐藤俊二
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(Fのコメント)
韓国の潘基文韓国外交通商相が次期国連事務総長になる大きな目的
が、韓国主導による朝鮮統一である。北朝鮮の原爆実験で、米国は
単独での軍事行動を計画している。しかし、実験後は中国もロシア
もある程度の米軍事行動に関与する必要になる。特に中国は北朝鮮
と国境を接しているために、軍事行動を起こす可能性が高い。

そうすると、北朝鮮の帰属問題が出てくる。この帰属問題で韓国は
北朝鮮を中国に取られる心配をしている。この防止に潘基文次期国
連総長は大きい。

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