2480.目標も戦略もない国家



玉九

 正論10月号の樋口譲次論文 「本当にこれでいいのか『防衛庁設
置法案』」は、防衛庁をよく知っておられる幹部自衛官の気持ちが
よく現れている好論文であると思った。問題点もわかりやすく整理
されていて、とても読みやすかった。

しかし、p293上段で、「国家目標」、「国益」、「国家戦略」の策
定が必要であるという意見については、そもそも今からそれを作ろ
うなどという意見こそ、ナンセンスだと言わざるを得ない。

敗戦後60年以上にわたって、目標も戦略もない国家(擬似国家)
であり続けてきたのだ。
なんでいまさら目標や戦略を立てる必要があるだろうか。どうせそ
んなものを付け焼刃で立てても、一貫性に欠ける中途半端なものし
かできないであろう。それに、日本国憲法や日米安保条約の改正を
含む、大きなシステムの設定変更がなければ、今の無目標、無戦略
の状態から逃れることなどできるわけがない。

むしろ、世界に向けて、わが国には目標も戦略もないのだと、広言
すればよいのではないか。ないものはない、なんか文句ありますか
、と胸をはればいい。平和ボケと馬鹿にされるかもしれないが、
ないものはない、そのとおり平和ボケしていると堂々と言えばいい
のである。正直に生きることは、強みを与えてくれるはずだ。

そうすれば、きっと世界は、日本という国家を、日本人を見直すこ
とになるだろう。
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(Fのコメント)
面白いが、現実の政治家にはできない相談でしょうね。日本の戦略
がないとは言えない。死んでも言えないでしょうね。日本の恥と思
うためでしょう。

日本は米国の属国であり、外交を米国に任せているとなるのかもし
れない。しかし、その米国も外交力が著しく弱体になっている。
誰も米国の言うことをまともに取り合わなくなっている。米国の外
交も末期的な状態になっている。

軍情報部自体が、ブッシュ大統領のイラクで勝っているというのは
ウソで、ゲリラが増えているというのですから、他国はブッシュの
言うことを聞くはずが無い。

当分の間、世界は漂流した状態が続くのでしょうね。その中で日本
も漂流しているのでしょうか??

しかし、最低でも、次の手は見ておく必要があると思う。

米国の属国という位置は当分修正しないで、その意味では第2位の
経済大国でありながら、居心地のいい世界に対する無責任な状態で
いることになる。

やはり、普通の国になるためには、憲法改正が一番重要でしょうね。


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