2473.安倍政権の目標



安倍首相、おめでとうございます。エールを送ります。 Fより

小泉内閣は織田・豊臣政権と同じような旧来の秩序体系を破壊する
政権でした。今から徳川政権と同じような新秩序を確立する政権と
いう位置づけになる。この政権如何で、日本の今後が決まるという
重要な政権であると見えます。

百年の大計を立てる内閣ですので、徳川政権が260年にも渡り、
続いた思想を天海和尚が作りましたが、この思想が必要でしょうね。
その上で、個別の政策を考えることだ。どうも現時点では、個別政
策の議論が先行していて、思想の面で遅れているような気がする。

この政権の使命は、今後米国が衰退した時に、その代わりに世界の
多くの国民から歓迎されるような思想を指し示すことである。
一神教の国々の戦いを修復して、平和な世界にすることが必要にな
っている。どちらにしても、その実現にはリアリズム(現実主義)
の原則で世界を見ることが重要だ。

個人も国も思想信条の自由な世界を作るしかない。市場主義がいや
なら、それを強制してはいけないし、それぞれの個性ある国家を認
めるしかない。しかし、個人の自由と民主主義は確立しないといけ
ないことで、独裁国家はなるべく民主化することでしょうね。
このため、中国に民主化を促すことは必要になる。

東アジア共同体も推進していくことが必要だと思う。次の覇権確立
は地域連合でしかできない。一国で、他国の数倍も違う経済力や軍
事力を持つことは無理で、今後はEUや東アジア共同体のような国
家群でしか、覇権を請け負えない。このためには中国との関係も回
復する必要がある。

東アジアは多様性のある国家群ですが、その中心国である大乗仏教
の日本、道教の中国、ヒンズー教のインドともに多神教であり、そ
の多様性を容認できる精神を持っている。キリスト教の豪州、フィ
リピンやイスラム教のインドネシア、マレーシアがあり、上座仏教
のタイ、ミャンマー、ラオス、ベトナムと多彩である。

国内を見ると、平等の概念を機会の平等に置くのか、結果の平等に
置くのかで政策の対応が違う。ここは徹底的に機会の平等を推進す
ることが必要でしょうね。このための仕組みを作る必要がある。

しかし、大きな格差は修正することも必要であり、所得税の利率は
見直しが必要だ。それで、富裕層が海外に出るのであれば、出ても
らえばいい。日本にはキリスト教やイスラム教のような喜捨や寄付
と言う慈善行為をする習慣がなく、それを藩や国家が税で行ってい
る。もう一度いうが、日本の仏教には貧者への施しという教えがな
い。これを日本の今までの欧米かぶれの評論家は忘れている。勿論
、特定の寄付行為は免税処置を行い、富裕層に税金で取られるか寄
付にするかを選択してもらえばいい。こうすることで、やっと欧米
の富裕層と同じことになる。ビルゲイツのような個人資産を大規模
に寄付する富者が居ないことでも分かると思う。

都市と田舎も同じ考えが必要で、道州制で多様性を認める機会の平
等を確保して、結果の平等にしないことである。しかし、大きな格
差はある程度の修正が必要でしょうね。ダメな道州からは住民が逃
げ出すような仕組みがあるといいかもしれない。ばら撒きができな
い仕組みも作ることでしょうね。

江戸時代の富者と為政者と権威者を分けて、それぞれが他の権利を
行使することに制限を設けていた。これは見習う必要がある。この
江戸の伝統・精神は守るべきでしょうね。

機会の平等は教育が重要になる。貧者の子供でも優秀であれば、東
大に進学できるようすることである。このためには、公立高校の独
立法人化を進めて、特徴ある学校を各高校が目指せるようにするこ
とだ。たとえば日比谷高校が東大などの進学を目指すとか、おちこ
ぼれを救済する高校にするとかができるようにするべきである。
勿論、教える内容も違ってもいいことが重要である。また、大学も
多様なコースが必要で、職人を目指す大学があってもいい。

社会人の大学も必要で、リストラにあった人の能力開発を行うこと
で、ミスマッチな状況を改善する必要がある。

日本人は農耕民族に特有な社会的な人間たちで、個人がバラバラで
能力を発揮する人たちではない。このため、会社や団体に所属する
ことが重要で、そこで先輩からいろいろと教えてもらって一人前に
なるから、この会社選びが人生を左右することになる。この事実を
早いうちに教える必要があるし、教育途上での落ちこぼれを無くさ
ないといけない。このためにも多様な教育を認めないといけない。

大量生産の低付加価値な工業社会から、多様性のある知的な高付加
価値な工業社会に変革することが重要ですね。米国のように工業を
捨ててはいけない。メーカは高付加価値な製品を出し続けないとい
けない。

農業も変革の時である。不耕起・自然農業を推進して、低コストで
かつ安心できる農産物が生産されるように、日本農業を変革する必
要がある。農薬や肥料が要らない農業で、自然を取り戻し、かつ石
油依存から脱却することだ。

このように産業全体に効率を犠牲にしても、研究や遊びが必要のよ
うである。この研究を促進することも重要な政策になるでしょうね。
特に農業の改革には支援する必要があると思う。

ガンバッテください。期待します。


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