2456.台湾親中化と日本の選択



台湾の親中派が政権を取る可能性が増している。この検討。Fより

台湾民進党政権は、2008年の選挙で負けることがほぼ間違いな
い。国民党政権が中国との統一を目指すので、台湾はほぼ、中国圏
となる。このため、米国もそれを見越した対応をしている。

防衛ラインをグアム、ハワイまで下げて、台湾から中国軍の攻撃を
受けないよう変更することと、パイリオット、イージス艦などの最
新鋭の武器を売らない。

日本の反中有識者は、台湾は親日だと今も見ているが、このコラム
では相当早い時期から、中国に進出した台湾企業の技術者と会話し
た結果、反日親中派が増えていると警告していた。しかし、日本の
右の人に話しても、そのようなことはないと頑固に拒んでいた。
しかし、人気がある馬・国民党党首の出現で近未来に実現すること
が見通せる状態になっている。

東南アジアでの世論調査でも友好度は日本と中国が同列になってい
る。米国有識者の世論調査でも日本と中国はほぼ一緒の友好度にな
っているために、反中国家は世界的にも日本と台湾しかなかった。

中国は、日本と違ってロシアとの領土問題でも今までの主張を取り
下げて、ロシアに大譲歩し解決した。そして、インドとの領土問題
も譲歩して友好条約を結ぶ方向ですし、東南アジアとのFTAでも
東南アジアの要望をほとんど認めて締結し、かつ東南アジア全体と
中国を結ぶ道路、鉄道の建設を中国が主導して進めている。

中国は日本以外には大譲歩して、周辺諸国を親中国家にしてきた。
イランやカザフシタンなどの中央アジアもロシアから中国に靡いて
いる。中国の経済的な支援がその大きな理由で、イランの首都テヘ
ランの地下鉄も中国の支援で完成している。

一方、日本はロシアとの領土交渉も進展せず、東南アジアの要望を
一切聞かないために、シンガポール以外のFTAはほとんど進展し
ないなど、ODAの援助や日本企業の投資以外では日本に対する不
満があるようだ。

この結果、国連の常任理事国の投票で、中国が棄権を東南アジアに
根回しした結果、東南アジアからの賛成票は皆無となる。東アジア
共同体の審議でも中国の主張が、金融以外では東南アジア諸国から
の賛成を得て、日本の主張は通らないことが多い。日本の主張が入
れられた豪州やインドも加盟する方向になったが、中国は豪州から
石炭や鉄鉱石、レッドロブスターなどの海産物を大量に輸入して、
豪州のタカ派ハワード首相も反中から親中にさせている。

このため、日本が東アジア共同体の結成に反対すると、日本なしで
締結する事態になっている。中国の日本孤立化戦略は大成功の様相
になっている。

安倍さんも東南アジアの親中化と台湾の離米離日で、世界的に反中
国家は日本しかなくなる事実で、中国との関係を改善する意向のよ
うである。

関係改善で日中は経済的な関係を一層発展させていくことになる。
靖国神社参拝問題も、朝日新聞などの反日新聞が騒がないで、国内
問題として処理することができれば、中国は、大変な問題を抱えて
いるために問題視しない。できない。現時点で日本の援助が必要に
なっているためだ。

特に不良債権問題が成長率低下と国内投資が減少して爆発する可能
性が高まっている。このため、中国は精神的な些細な問題で日本と
の友好関係を壊せない。現実的な危機が迫っている。これをどう乗
り越えるかが、重要なことで、それには日本が必要なのである。

中国企業も他省では事業がうまくいかない事実から東南アジアに工
場を建てているために、中国国内投資がマイナスになり、人民元を
無理やり切り上げすると、中国経済が失速すると米ポールソン新財
務長官も見ている。このために、人民元の切り上げと言わず、人民
元の柔軟性拡大が優先課題とトーンを下げている。

米国の経済見通しが住宅需要の下落で弱くなっている。ポールソン
は金融業界にいたために、経済がよく分かる。今後、米国が世界経
済のエンジンでなくなることを知っている。次の世界経済のエンジ
ンを中国とインドに担って欲しいと見ているようだ。

この意味からも米国は当分、経済面で親中的な行動を取ることにな
る。そして、日本の国家戦略も引き直すことが求められている。
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FACTAが、「安倍氏が10月にも日中首脳会談 代償には『台湾
切り捨て』カードか」というメルマガを本日付で流している。
http://tameike.net/comments.htm#new

政権発足後も、中国に対して強硬外交を展開すると見られてきた安
倍晋三新首相が「サプライズ外交」に踏み切ろうとしている。就任
早々の10月にも北京を訪れて胡錦涛国家主席と首脳会談を行い、そ
の途上でソウルに立ち寄って盧武鉉韓国大統領とも会談する構想で
、水面下では日中韓の複雑な駆け引きが始まっている。

他方、FACTAの記事では、安倍陣営がその見返りに「台湾を見
捨てるカード」を切るとしている。これはどうでしょう。安倍さん
がやりますかね、そういうことを。もうひとつの懸念は、言うまで
もなく靖国問題ですが、こちらについては日本側さえ大人しくして
いれば、何とか収まると思うのですが。
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ポールソン長官の訪中、人民元の柔軟性拡大は優先課題=米財務省
高官
2006年09月14日08時15分
 [ワシントン 13日 ロイター] 米財務省高官は13日、中
国に人民元の柔軟性拡大を求めていくことが、依然としてポールソ
ン財務長官の優先課題であるとの認識を示した。 

 長官のシンガポール・中国訪問に先立ち、同高官は記者団に対し
、長官が中国政府に働きかけていく姿勢を弱めると考えるのは誤り
だと述べた。米政府は中国が一連の市場ベースの経済改革を実施す
ることを望んでいるが「為替相場の柔軟性拡大が依然として優先課
題」と述べた。また新多角的貿易交渉(ドーハラウンド)再開に向
け、長官は中国の支持を求めていく方針だと述べた。 

 ポールソン長官は19日に訪中する予定。 


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