2453.中国の反日感情抑制について



中国の外交が変化している。反日政策が失敗して、その副作用が深
刻な結果になっている。        Fより

中国政府が小泉首相の靖国神社参拝で中国国民の反日デモを抑制し
たのに続き、次期首相の呼び声高い安倍官房長官の靖国神社参拝は
完全に沈黙している。

数年前の反日宣伝とはまったく違う様相になっている。日本国内で
の反中感情が国民全体に行き渡り、朝日新聞の影響力が無くなって
無条件に中国を弁護する左翼知識人の意見を国民が反発して、一層
、安倍さんの反中行動を支持することになり、日本では反中的な言
論が大手を振るっている。

このような状況は中国にとっても大きな問題を発生させている。中
国、ロシアと中央アジアが加盟する上海協力機構での中国とロシア
の主導権争いの局面でも、ロシアは日本をオブザーバーに引き入れ
て中国をけん制しようとする。インドやイランなどを引き入れたが、
これは中国の目線を拡大させて、中央アジアから引き離そうとして
いる。それだけ、中央アジアでの中国の行動は効果的なのでしょう
ね。

それにしても残念なのが、日本がロシアの思惑に気がつかないで、
この申し出を断ったことだ。このことで、ロシアを大いに失望させ
た。それがロシアのサハリン天然ガス開発に反映されている。パイ
プライン建設を中止に追い込んで、かつ油田開発も停止させる方向
に動いている。

もう1つが、EUからの武器が購入できない。日米は中国と日本が
敵対関係にあることで、EUに対して、中国への武器輸出を自制し
てほしいと申し入れている。この申し出を無効化するためには、日
本と友好関係が必要になっている。

もう1つ、今後中国の不良債権が爆発する可能性がだんだん、高く
なっている。今までは成長率が高いだけでなく、外国資本の投資が
工場を建てて、技術を中国人に教えている。特に日本の技術を得て
、中国企業は成長してきたが、この日本企業の投資がなっくなって
いる。技術を自力で得ていかざるを得ない状態になるし、日本がベ
トナムなど中国周辺の国に投資して、中国企業に対抗する企業を作
っている。

このため、今の年率10%の高成長率はバブルを膨らませて達成し
ている。このバブルが弾けると中国は当分、苦しむことになる。そ
して、その不良債権額は、中国当局は21兆円としているが、米フ
ァンドは100兆円と見積もっている。中国のGDPは160兆円
程度であり、中国一国で解決できない規模になっている。

日本の不良債権も大変な額であったが、100兆円程度でしたから
、中国の不良債権は大変な額である。日本には海外ファンドが大挙
して押しかけて解決したが、中国は日本国家に期待している。

日本はアジア通貨危機時に、韓国、タイ、インドネシアなどに大量
の資金を投入して、通貨危機を米ファンドに対抗して解決した。
日本に助けを借りたくない韓国はIMFに依存し、危機後米国資本
に乗っ取られ、大変な苦労を今もしている。マレーシアやインドネ
シアは米ファンドやIMFを拒否し、日本と共に対応策を取って、
ファンドを追い出している。どちらが、その後良くなっているかは
一目瞭然である。中国もこれを見ている。

日本も中国のバブル崩壊で、進出した企業が苦難に会うことが確実
である。このためにも、中国に手を差し伸べることができる環境を
整える必要がある。それには日本での反中感情を中国を含めて、対
応しないと無理がある。さあ、中国はどう出てくるのでしょうかね。
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EUと中国、包括協定交渉開始へ・エネルギーなど20項目
(nikkei)
 【ヘルシンキ=下田敏】欧州連合(EU)と中国は9日、フィンラ
ンドで首脳会議を開き、新たな「包括枠組み協定」の締結に向けて
交渉を始めることで合意した。貿易・経済の連携強化にとどまらず
、環境やエネルギー、移民問題など幅広い分野で協力関係を築く。
中国は武器禁輸の早期解除を重ねて要求したが、EUは慎重な姿勢
を崩さなかった。
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御手洗経団連会長が安倍長官に報告 中国訪問の結果(ASAHI)
2006年09月07日13時07分
 日本経団連の御手洗冨士夫会長は7日午前、首相官邸を訪れ、安
倍官房長官に中国訪問の結果などについて報告した。安倍長官は同
日の記者会見で「(御手洗氏と)経済交流の深化が両国の発展につ
ながっていくという認識を互いが持つことが大切だという話をした
」と語った。 

 御手洗氏は日中経済協会の訪中代表団の最高顧問として4、5日
に温家宝首相ら中国要人と会談した。御手洗氏は温氏の「できるだ
け早期に政治的障害を取り除き、友好関係を発展させたい」などの
メッセージを安倍長官に紹介した。 

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