2440.イラン核開発について



イラン核開発問題もここへ来て、国連決議に従わないとイランは回
答した。今後の予測。           Fより

イランが国連安保理に回答したが、核開発を進めるというものであ
ったために、米国は経済制裁を国連安保理に掛ける方向で調整に入
ったが、EUはドイツによる「包括的見返り案」に対するイランの
回答について「詳細かつ慎重に分析する必要がある」との声明を発
表し、欧州側の対応について留保する姿勢を示した。

米国の味方である欧州もレバノンはイタリア・フランスが中心で、
ベルギーと共に7000名の兵力を派遣して対応し、イランはドイ
ツやフランスで交渉して、そして英国はアフガニスタン、イラクへ
と兵を派遣しているなどと欧州も大変な負担になっている。

そして、レバノンのヒズボラ対応でイスラエルの負担が欧州の国連
軍派遣で軽くなる。この派遣が確定した直後に、イスラエルはイラ
ン原子力施設の破壊を目的とした軍事作戦を行うための司令官を任
命した。米国は有志国連合のイラン制裁を志向し始めている。欧州
と米国、イスラエルでイスラム教シーア派、テロ対応の分担が確定
したように感じる。この中に日本や豪州も含まれることになるので
しょうね。

それに対して、ロシアは早々と国連安保理での制裁に反対すると述
べて、国連での議論を封じ込めている。イランは重水炉施設を開設
して、国連決議に従わないことを世界に示している。

そして、イランは軍事演習を行い、米・イスラエルの軍事行動に対
応する方向である。中央アジアとロシアは軍事演習を行うと表明し
ている。これも米国の軍事行動を拡大させないための防御的な演習
と思われる。ロシアの復権により、米ロ関係はだんだん悪くなって
いる。

中国は今の所、静観している。中国は米国への配慮をしている。し
かし、イランの石油が欲しいために米国の思い通りにはならないで
しょうが、現時点では北朝鮮への対応で手一杯というのが中国の立
場でしょうね。

今後、イスラエルがF16で重水炉爆撃などを行った場合には、ヒ
ズボラがイスラエルに反撃をする可能性もあり、EU派遣部隊も紛
争に巻き込まれる可能性がある。それでも、EUがイスラエルを守
る決断をしたのは、イランの核施設、核開発を快く思っていないこ
とによりますね。

7月に第3次世界大戦とブッシュは宣言したが、イラン核問題が中
心になり、イスラエルが欧米の代理戦争をイランに仕掛けることに
なりそうですね。ローマ・プロテスタントキリスト教&ユダヤ教連
合軍対イスラム教の戦いが鮮明になってきている。

さあ、どうなりますか??
日本としては、ハルマゲドンにはなって欲しくないと願いしかない
ですね。
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イスラエル 対イラン「作戦マネージャー」を任命(机の上の空)
 イスラエル紙「ハーレツ」(電子版、8月25日付け)によると
、イスラエル国防軍のダン・ハルッツ参謀本部長が、同国と国境を
接していない敵国に対する「作戦マネージャー」に、空軍最高司令
官のエリイゼル・シュケディー少将を任命していたことが明らかに
なった。

 国境を接していない敵国とはイランを指すもので、イスラエルが
イランの核施設攻撃を視野に戦闘準備を進めていることが分かった。

 同紙によると、シュケディー少将の任命は、イスラエル軍のレバ
ノン侵攻以前に発令済み。

 シュケディー少将はモサドや軍情報部をも指揮下に置き、作戦の
立案、実施にあたるという。

⇒
http://www.haaretz.com/hasen/spages/754702.html
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イラン国営テレビ「重水の本格生産に成功」

 【テヘラン共同】イラン国営テレビによると、イランの当局者は
26日、同国西部アラク近郊にある工場で重水を本格生産することに
成功、アラクで建設中の重水炉稼働に向けて前進したと語った。重
水炉は軽水炉に比べ、核兵器に転用可能なプルトニウムの抽出が容
易とされ、国際原子力機関(IAEA)などが懸念している。 

 イランは22日、核問題の「包括的見返り案」や国連安全保障理事
会決議が求めるウラン濃縮活動の停止を拒否。核活動拡大の意思を
鮮明にしたことで米欧との緊張が一層高まるのは確実だ。 

 重水炉は、核分裂で発生した中性子を減速させるため比重の重い
重水を用いる原子炉。濃縮していない天然ウランを燃料に使える利
点がある。 (19:42) 
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平和目的の核技術取得、当然の権利とイラン前大統領

 訪日中のイランのハタミ前大統領は25日、都内の国連大学で講
演し、「平和目的の核技術取得は当然の権利で必要」と述べ、核開
発を継続する方針を強調した。

 イランが22日提示した国連安全保障理事会の5常任理事国とド
イツの包括案への回答には、ウラン濃縮停止の受諾は明記されてい
ないとされる。

 包括案には国際的な体制でイランへの核燃料供給を保証するとの
構想が盛り込まれたが、前大統領は「政治的要因で供給に影響が出
ることも考えられる。どのぐらい信頼が置けるのか」と懐疑的な見
方を示した。

 前大統領はさらに、「100個以上の核爆弾を持つ国が国際社会
から圧力を受けず、支持までされている」とイスラエルを念頭に国
際社会の対応を批判した上で、核問題を理由とする対イラン制裁の
不当性を訴えた。
(読売新聞) - 8月25日20時4分更新
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EU、イランの回答「慎重に分析」・対応留保

 【ブリュッセル23日共同】欧州連合(EU)のソラナ共通外交・
安全保障上級代表は22日、イラン核問題の解決に向けた国連安全保
障理事会常任理事国とドイツによる「包括的見返り案」に対するイ
ランの回答について「詳細かつ慎重に分析する必要がある」との声
明を発表し、欧州側の対応について留保する姿勢を示した。

 その上で、イラン核交渉責任者のラリジャニ最高安全保障委員会
事務局長を含む当局者との対話を「今後も続ける」と述べ、交渉継
続の可能性が残されていることを示唆した。

 EU筋はイラン側が書面で示した回答が20ページ以上の長大な文
書であることを明らかにしたが、内容については「ノーコメント」
としている。イランのメヘル通信は、米欧が求めるウラン濃縮停止
を拒否したと伝えている。

 6月に包括的見返り案をイラン側に提示したソラナ氏は、今月20日
にもラリジャニ氏と電話会談し「対話継続」の必要性で一致。国連
安保理とは別に、英国、フランス、ドイツを含むEU加盟国を代表
する形で調整に乗り出す可能性がある。 (08:07)
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イラン、ウラン濃縮停止を事実上拒否・包括案に回答
(nikkei)
 【テヘラン=加賀谷和樹】イラン政府は22日、国連安保理常任理
事国とドイツの6カ国が提示した支援と引き換えにただちにウラン濃
縮停止を同国に迫る「包括見返り案」に回答した。詳細は不明だが
、濃縮停止は事実上拒否し、当面は濃縮活動を続ける姿勢を示した
とみられる。米欧の反発は必至で、安保理決議が期限とする31日ま
でに濃縮活動を停止しなければ、イランに対する制裁決議を安保理
に働きかける構えだ。

 イラン核開発問題の対外協議を担当する最高安全保障委員会のラ
リジャニ事務局長がテヘランに駐在する英国、フランス、ドイツ、
ロシア、中国、スイスの6カ国大使を呼び、包括案の回答文書を手渡
した。スイス大使は、イランと外交関係のない米国の利益代表とし
て招かれた。同事務局長はこの場で「イランは23日以降、包括案に
ついて6カ国側と真摯(しんし)な姿勢で話し合う用意がある」と表
明した。 (01:01) 

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