2421.日本の循環型社会に向けて



インホイールモーターの先生の所に行って、循環型社会の可能性に
ついて論議した。     Fより

先生は、電気自動車の開発をしているために環境問題の情報をたく
さん持っているし、アイデアが豊富である。自然界に習うことをそ
のアイデアの中核に持っているために、いろいろなことを発想でき
るようである。

汚い所にいる幼虫はその体内にばい菌を入らないようにガードされ
ているために、幼虫自体は非常に高たんぱく質とその他の栄養素が
多く含まれているという。そういえば、蜂の幼虫を子供の頃に食べ
たが、一般的に昆虫の幼虫は栄養素が高いのでしょうね。この幼虫
を粉末の肥料にして、野菜を作ると甘みが増して、非常においしく
なる。そういえば、先生が野菜工場のアイデアも出したと言われた
のを思い出す。

そして、この肥料を入れた野菜畑は害虫が寄り付かないと。どうも
、欧米型の肥料や農薬はバランスを崩しているために、野菜自体が
弱くて、そのために害虫が付くようである。この見解は不耕農業の
福岡さんも言っていることである。

もう1つが、ある動物の骨を1500度Cで焼くと、汚染土壌の水
と汚泥の分離が簡単にできる。この原則はある特殊な病気が起こる
ということは、健康な動物にはその病気に対する抗体があるとの発
想から思いついたという。今、その成分を調査しているが、リン酸
カルシウム+アルファーだそうです。これも面白いことになる。

ピンクの光沢ある電気自動車の塗料を見せてもらったが、この塗料
が昆虫の光沢の成分を抽出した物質を塗料に混ぜたことで、発光し
たような色になっているという。これも昆虫からの発想ですね。

このように先生の発想は昆虫や動物の生態からの洞察で成り立って
いる。この洞察はお寺に預けられた苦しい子供時代に和尚さんから
獲たようですね。この和尚さんに気合いや武道も習ったという。

先生と一緒に歩くと、時々、気を入れて背筋を伸ばして、早足にな
ることがあり、その早いこと。こちらも気を入れて付いて行かない
と離れて見失う可能性がある。そして、夏の暑い時期、早足で歩い
ても息が乱れない。それは呼吸法が違うと先生は言う。

藤山一郎に付いて、歌手の練習もしてプロ並の腕ですから、多芸で
あるが、その基本は気をどう使うかということでしょうね。気を使
えると自分がしたいことを全てできるようですね。私より、何段も
気のレベルが高いように見ている。私は、この部分で先生を尊敬し
ている。一番最初に御会いしたときから、気の周波数が高いなあと
思ったが、その実態を一緒に行動すると見えてくる。

先生は、また、電気自動車の販売をしているが、一緒に行くと電気
自動車を売り込まない。相手のビジネスの話をしている。ついでに
電気自動車の話もするというスタイルですね。御見上げにご自分で
作ったパウンドケーキを持っていくが、このケーキをいかに作って
いるかおいしい理由を解説する。相手は、恐縮していただくことに
なる。演出ですね。

電気自動車の関係者にも多数会わせていただいたが、相手の商売を
助けるためにどうするかという観点から、話をするために相手は喜
んで先生のオーダーを聞いている。相手が先生の手のひらに乗って
いるような感じである。

お客も循環社会の一員となる企業の方が多い。山陰地方で最大の産
廃企業の専務と先生とお供して行ったのが、無酸素熱分解の炉を開
発した企業であり、そこの社長と意気投合している。この社長も大
きなパワーが言葉に乗っている。そのパワーに圧倒していると、私
はエジソン、グラマン、アインシュタインを尊敬しているし、自分
もその仲間になると、この炉を開発したと言う。

この炉は3000度Cの高温で、産廃などのゴミを熱分解して、純
粋炭素や水素、その他の分子構造体にすることができる。今までの
燃やす炉は、PCBや有害物質を出すために厚生労働省の規制がだ
んだん厳しくなると、使えなくなる。しかし、この炉はそのような
有害物質を一切出さない。このため、煙突もない。

課長一人で、この炉だけで年間20億円の売り上げを上げている。
この炉から出てくる水素と安価なLPガスで発電して、この炉が必
要な電気を生み出す仕組みを作るという。電気代に比べて、3分の
1程度になるようだ。

とうとう、日本は江戸時代と同様な最先端の循環型の社会になるよ
うですね。その仕組みがどんどんそろっていくし、一方で、昆虫や
動物の生態物質を使うと、今まで嫌われていた部位や昆虫が、一番
価値のある物になる。そして、ゴミの量もその分減ることになる。

このような発想をどうして皆はできないのかと先生に尋ねたら、自
然界がどうなっているかという疑問を持たないからでしょうねと。
欧米科学のような分解して1つに注目する方法が限界に来て、いろ
いろな要素のバランスの上で自然界は機能していることに注目する
方法を確立することが重要であるという。これは参考になると思っ
た。

産廃企業の専務に今後、エネルギー費用が高騰してくるので、生ゴ
ミや畜産廃棄物でメタンガスを作るのはどうですかと尋ねたら、安
定的な発生がなかなか難しいために、エネルギーとして使うのは難
しいと言う。それより、今後、間伐材などのエタノールを研究テー
マにしているとのお話であった。そして、この無酸素熱分解炉には
大いに興味を持ったようである。
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・ウジムシは消化管が短いので、糖やアミノ酸のような簡単な構造
 の物質しか消化できません。


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