2414.北朝鮮への対応



北朝鮮への締め付けが激しい。しかし、それだけでは問題が解決し
ない。この検討。    Fより

ASEAN地域フォーラム(ARF)主催の北朝鮮の核問題をめぐ
る6者協議参加国のうち、北朝鮮を除く5カ国とマレーシア、豪州
、カナダ、ニュージーランド、インドネシアの計10カ国の外相会
議を行ったが、北朝鮮は出席しなかった。それより、北朝鮮はARF
からの脱退も検討すると言い始めている。

中国の説得も北朝鮮は聞かない状況で、これ以上の説得も国際会議
での決議案も北朝鮮は無視するので、問題解決には結びつかない。
普通の国と違って、国益の観点が北朝鮮の場合は違う。

普通の国の国益は、国民の利益・富を最大にすることであるが、北
朝鮮の場合は金正日総書記の利益や思いが最優先される。米国と中
国が金融封鎖したために、金正日氏自身の口座が封鎖されたことに
対するダメージと反発が大きいのでしょうね。

そういう意味で、米国財務省は、偽ドル、偽元札を認定したことで
大手柄である。しかし、国際的な孤立も恐れずに金融封鎖解除とい
う主張をする北朝鮮に次の打つ手がないのが現状でしょうね。もし、
封鎖を解除すれば、偽ドルと偽元札が出回る心配をする必要があり
それもできない。

中国も北朝鮮への制裁をし始めているが、北朝鮮はビクともしない。
国民が100万単位で餓死しようが放置する。韓国からの食料援助
を断られても、主張を変えないので、どうしようもない。

金正日総書記の動静報道がなくなったが、中国派の軍幹部からの暗
殺と米軍のピンポイント爆撃を警戒していると思われる。もう、北
朝鮮の最後と思われたその時、手助けを申し出た国がある。

それがイランで、核開発の技術的な指導や中距離ミサイルの供給を
北朝鮮から受ける。ロシアも中国も米国など国際社会の手前、イラ
ンへの支援はできない。国際社会から孤立している北朝鮮は、その
心配をする必要がなく、イラン支援ができる。このことで、イラン
との同盟関係を確立したようである。

そして、イラン核開発禁止の国連安保理決議が全会一致で採択され
るが、イランはそれを北朝鮮と同様に強く拒否すると宣言した。国
連脱退に近い国が2ケ国できた。そういえば、第2次大戦前夜、イ
タリア、ドイツ、日本が次々と国際連盟から脱退した事象に似てい
るような気がする。米国の覇権が揺らいでいる証拠でもある。

中国軍は4千人を北朝鮮国境付近に増派して、北朝鮮との摩擦に対
応している。しかし、中国はまだ北朝鮮との関係をどうするか最終
決定ができないでいる。中国が軍事行動を起こさないと北朝鮮内部
からのクーデターは難しいのかもしれない。

もう1つの解決が米朝対話かもしれないが、これを米国は拒否して
いる。しかし、米国は現在、中東で手一杯であり、アジアの問題を
解決できないし、する気がない。中国に米国は期待するしかないが
、その中国も金融封鎖したために北朝鮮が反発して対話もできない。
そして、米国や国連を非難するために、米中日から除け者にされて
いる韓国も力にならない。

現在、日本は対北朝鮮への金融封鎖をしていない。北朝鮮との対話
可能なのは、日本しかないのかもしれない。統一教会ラインで山崎
拓元副首相が訪朝するが、小泉さんの出番があるかもしれない。
これが最後の仕事になるのですかね??
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「北朝鮮、4月にミサイル18基をイランに販売」(中央日報)

北朝鮮が今年4月に中距離ミサイル18基をイランに販売したと、
LAタイムズ紙が28日報じた。 

同紙は、イスラエルの情報責任者ヤドリン氏の話を引用し、「北朝
鮮が4月にSSN6またはBM25と推定される中距離ミサイル18
基をイランのミサイル基地があるバンダル・アッバース港に輸出し
たという証拠がある」と明らかにした。 

これに関連し、イスラエル安保専門家のアロン・ベン・デビッド氏
は「イランに輸出された北朝鮮製ミサイルがボックスに入っていた
ため、どんな種類かは確認されていない」とし、「このミサイルが
北朝鮮が最近発射実験を行ったミサイルと同じかどうかに関心が集
まっている」と述べた。 

イスラエルのミサイル計画責任者だったルビン氏も「イランは北朝
鮮の多段階式テポドンに特別な関心を持っている」と明らかにした
。 ルビン氏はまた「新しく開発された北朝鮮ミサイルは射程距離が
2500キロであり、イランはイスラエルだけでなく、南部ヨーロ
ッパまで攻撃できると評価される」と伝えた。 

同紙は「平壌(ピョンヤン)を訪問したイランの国会代表団が24
日、北朝鮮最高人民会議(国会)が主催したレセプションで手厚い
接待を受けた」とし、「北朝鮮とイランがミサイル取引など軍事・
外交的関係をさらに強化している」と伝えた。 

崔源起(チェ・ウォンギ)記者
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イラン国営ラジオ論評「安保理決議を拒否」
(nikkei)
 【バーレーン=加賀谷和樹】イラン国営ラジオは29日に放送した
論評で、イラン政府は国連安全保障理事会が31日に採択を予定して
いる対イラン決議を拒否すると伝えた。同決議は8月末までのウラン
濃縮停止を義務づける内容。論評は「たとえ国際機関の決議の枠組
みのなかでも、イラン国民は不当な決断を受け入れない」と主張し
た。

 論評はイラン指導部の意思を反映している可能性が高い。 
(01:16)
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対イラン決議案 全会一致で安保理採択へ

 イランの核開発問題をめぐり、イランに8月末までのウラン濃縮
関連活動停止を義務付けるよう要求、従わない場合は制裁を警告す
る決議案が31日の安全保障理事会で全会一致で採択される見通し
となった。イラン核問題での決議採択は初めてで安保理が結束を示
すことにより、イランには大きな国際的圧力となる。さらに「制裁
の外堀を埋めた」(国連外交筋)とされる対イラン決議は北朝鮮が
事態を悪化させた場合の先例ともなりそうで、安保理の非難決議を
拒否する北朝鮮に一定の影響を与えるとの指摘もある。
(ニューヨーク 長戸雅子)
(産経新聞) - 7月30日8時2分更新
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北朝鮮 孤立深める 10カ国会合 実効性乏しく 中国また説得
に失敗 日米、我慢比べ続く

 【クアラルンプール28日永田健】28日、北朝鮮問題に関する
10カ国外相会合が開かれた。開催にこぎつけるまで関係国は調整
に奔走したが、北朝鮮の前向きな姿勢は全く引き出せなかった。孤
立する北朝鮮、圧力を強める日米、説得に苦しむ中国という従来の
構図が鮮明になっただけ。事態の膠着(こうちゃく)化は隠せず、
しばらくは日米両国と北朝鮮の「我慢比べ」の状況が続きそうだ。

■“遅刻”実らず

 10カ国の外相会合は、クアラルンプールの大会議場で午後2時
45分から始まる予定だった。しかし中国の李肇星外相が現れない。

 そのころ李氏は、同市内のホテルで、北朝鮮の白南淳(ペクナム
スン)外相と向かい合って、会議に参加するよう説得を試みていた。
午後3時25分、李氏は説得をあきらめ、会議場に向かった。「話
は終わった」―李氏はホテル出口で待っていた報道陣に、これだけ
言った。

 すでに始まっていた会合に“大遅刻”して到着した李氏は「連れ
てこようと最後まで努力した」と説明した。北朝鮮の「後見役」だ
ったはずの中国。その影響力低下を印象づけた光景だった。

■この場限り?

 10カ国会合の開催で、北朝鮮に対する包囲網がさらに強化され
たようにみえる。しかしその実効性には最初から疑問符が付いている。

 会合では米国のライス国務長官が「この会合は6カ国協議を代替
するものではない」と発言。事態を動かすのは、あくまでも6カ国
協議との認識を示した。

 新たに加わった5カ国が、特に北朝鮮に影響力を持っているわけ
ではない。今回だけの会合なのか、続けて開くのかさえはっきりし
ていない。対北朝鮮の枠組みづくりというより「この場限りのデモ
ンストレーション」という性格が強い。

■出方を見守る

 この日、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF
)に出席した北朝鮮の白外相は、ミサイル発射への憂慮を表明する
議長声明案が用意されていることに怒り「ARFにとどまることを
再検討するかもしれない」と脱退をちらつかせた。国際社会からの
孤立を気にする様子もない。

 ただ、日本政府も今回の新たな会合に過大な期待をしていたわけ
ではなく、北朝鮮の参加拒否は予想済みのことだ。

 会合後、麻生外相は今後の見通しについて「いろいろな制裁をや
っていく。だんだんしんどくなってきて、北朝鮮がどう出るか。折
れて出てくるか、さらに強気になって出てくるか。何とも言えない
が、北朝鮮は6カ国協議以外に交渉する場はない」と語った。日米
で制裁措置強化の準備をしつつ、北朝鮮の出方を見守るというのが
当面の戦略だ。
=2006/07/29付 西日本新聞朝刊=
(西日本新聞) - 7月29日10時8分更新

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