イスラエルの閣議で、地上攻撃を限定した。この検討。 Fより イスラエルのオルメルト首相は軍事関係者ではないので、危機時の 対応を心配していたが、その心配が的中したようである。軍事作戦 で、一時に大量の攻撃を一箇所に集中して敵を壊滅させないと、逐 次追加作戦となり、いい結果にならないことは作戦指揮官は知って いる。しかし、オルメルト首相は、その積極的な作戦を退けて、消 極的な作戦を取った。 この代償は、非常に大きくなると思う。地上戦を始めたからには、 ビントジュベイルを早期に制圧して、リタニ河を目指して進撃する しかない。現局面では大規模な兵力を集中して投入するしかない。 勿論、バンガーバスターをヒズボラの強固な地下トンネルにどんど ん打ち込み、壊滅させる。このような意気込みが、首相にないと現 場の兵の士気も下がることになる。 オルメルト首相の弱気が、この戦争を負けにしている。国連安保理 ではイスラエル非難決議を米国の拒否権で採択できないが、イスラ エルに対する風当たりは強くなっている。ここで、戦闘にも負ける と、国際社会はイスラエルの常勝の神話が崩れて、中東での存在感 もなくしてしまうことになる。 オルメルト首相、どうか判断を間違えないで欲しいものである。 ヒズボラはイランのミサイル「ラート」を持っているようであるの で、テルアビブも攻撃できる。また、ヒズボラの指導者ナスララ師 がシリアのダマスカスで、何をしているかが疑問である。補給をど うするかの協議だとは思うが、シリアが今後のキーになってきてい る。 ============================== イスラエル、現状規模でレバノン攻撃継続 閣議が方針(ASAHI) 2006年07月27日22時14分 イスラエル政府は27日、国防関係閣僚による閣議を開き、当面 現在の規模でレバノンへの攻撃を継続する方針を決めた。26日に 国境近くのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラの拠点をめぐる戦 闘で兵士30人が死傷したことから、今後の戦闘方針を検討した。 首相府によると、攻撃規模は変えないが、地上部隊の編成のし直 しなどのため予備役を非常招集することも決めた。イスラエル放送 によると、閣議でオルメルト首相は「これまでの戦闘は所期の目標 に達している」との認識を示した。 イスラエル紙ハアレツ(電子版)によると、空爆を伴う大規模な 地上侵攻を求める軍などの強硬意見と、「大規模な地上攻撃はシリ アを刺激する」などとする慎重論の双方があったという。 ============================== イスラエル、国連10施設を146回攻撃(ASAHI) 2006年07月27日11時37分 国連レバノン暫定駐留軍(UNIFIL)関連の国連施設が空爆 を受け、停戦監視要員4人が死亡した事件にからんで、この施設を 含めて攻撃開始の12日以降合計10カ所のUNIFIL関連の施 設が146回にわたってイスラエル軍の攻撃を受けていたと、国連 PKO(平和維持活動)局幹部が26日明らかにした。国連施設が 標的にされたと見た同局幹部やマロックブラウン国連副事務総長は 、イスラエル側に繰り返し攻撃中止を訴えていたという。 国連PKO局のまとめによると、4人の犠牲者が出たヒアムのパ トロール基地のほか、イスラエル国境付近や地中海沿岸にある9カ 所のUNIFIL関連施設が攻撃されていた。 4人の犠牲者が出た25日だけでも、この施設以外に4カ所で、 100メートル以内に砲弾が着弾したり、不発に終わったものの迫 撃砲が直接建物に着弾したりするなどの事例が報告された。 また、4人が犠牲になった施設は25日午後1時20分〜6時29 分、施設から100〜300メートルの範囲に対するイスラエル軍 の空爆が11回繰り返されていた。午後6時29分には地上から発 射されたとみられる4発の砲弾が施設に着弾。通信回線が破壊され た。その後も攻撃は続いていた。 施設から5キロ以内でヒズボラの活動は確認されていなかったと いう。 国連側は「攻撃を受けた施設の近くにヒズボラの活動拠点がない こと」「施設には国連関係であることを示すUNの表示が掲げられ 、存在は長らくイスラエル側にも知られていた」などのことから、 国連を狙った「明確な攻撃だと見なしている」という。 しかしイスラエルのギラーマン国連大使は26日、安保理議長に 対して書簡を送り、イスラエル軍による攻撃が意図的だったとの指 摘に対して「断固として、この不幸な疑惑を否定する」と主張した。