2410.レバノン情勢続報3



イスラエルの負け確定。その検討。  Fより

イスラエル軍が、ビントジュベイル町の攻略に手間取っている。国
境から4キロしか離れていない。当初、リタニ河までの20キロを
侵攻する予定で戦闘を始めたが、このヒズボラの予想を超える抵抗
でビントジュベイル町の制圧に時間が掛かっている。ロケット弾を
イスラエル領内に打ち込まれないようにするためには、どうしても
国境から20キロを緩衝地域にすることが必要であるが、その望み
は潰えたようですね。

その上に、ヒズボラからの停戦要請は出ないし、レバノン政府から
も停戦要請は出ないはず。米国がイスラエルの形勢不利を見て、停
戦を仕掛けることになると、これはスンニ派諸国は米国に同調する
が、イランが停戦の仲裁に入る形になり、交渉材料が必要になる。

この交渉は平和利用の核燃料製造=濃縮技術研究を認める必要にな
り、イランの思う壺に嵌る。

イスラエル軍やモサドはこの地域を偵察していなかったのでしょう
かね。イラク歴戦の勇者を抱えるヒズボラのゲリラ戦を甘く見たの
でしょうかね。ゲリラ戦の準備をしていないように感じる。

イスラエルの負けで、中東全体の形勢はシーア派イランが有利にな
っている。
増田俊男さんや田中宇さんなど多くの評論家の情勢分析は、間違え
ている。今後の中東分析はイスラエルの劣勢を見て検討することに
なるようですね。
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レバノンへの国際部隊派遣決まらず ローマ国際会議(ASAHI)
2006年07月27日01時21分
 レバノン情勢をめぐる関係各国・機関による国際会議が26日、
ローマで開かれた。イスラエル軍による攻撃が激化し、国連の駐留
部隊にも死傷者が出る事態を受け、各国と国連は、レバノン南部に
国連安全保障理事会が承認する本格的な国際部隊を展開させる意見
で一致した。しかし、具体的な部隊の編成方法や派遣時期を含む停
戦への道筋は決まらなかった。

 レバノンのシニョーラ首相は会議で、「イスラエル人の涙の一滴
はレバノン人の血の一滴よりも価値があるのか」と強い語調でイス
ラエルを非難した。アナン国連事務総長やアラブ諸国などは、イス
ラエルとイスラム教シーア派組織ヒズボラ双方に即時停戦を強く求
めたとみられる。 

 しかし、会談後の共同記者会見でライス米国務長官は、「元の不
安定状態に戻ってはならない」と述べ、「即時停戦」は呼びかけな
かった。 

 共同議長声明は「停戦の実現へ最大の緊急性を持って行動する」
と表現しつつ、「永続的で持続可能な停戦」をめざすとの文言も盛
り込み、米国の立場を反映させた。 

 国際部隊について声明は「国連(安保理決議)によって権限を付
与されるべきだ」と明記。ライス氏は、数日中に主要国が具体策を
協議する見通しを明らかにした。欧州連合(EU)は8月1日に中
東問題で緊急外相会合を開く。 

 会見でアナン氏はヒズボラを支えるシリア、イランを名指しし、
「問題解決のために力を合わせねばならない」と述べた。ライス氏
も「シリアにも責任があり、イランの役割にも強い懸念を持ってい
る」と語った。 

 会議は米国とイタリア両政府の共催。18カ国・機関が参加した
が、イスラエルやシリア、イランは加わっていない。 
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レバノン南部で戦闘激化・イスラエル兵13人以上が死亡か
(nikkei)
 【カイロ=横田一成】レバノン南部のイスラム教シーア派民兵組
織ヒズボラの主要拠点、ビントジュベイルで26日、イスラエル軍と
ヒズボラの激しい戦闘が続いた。中東の衛星テレビ局アルジャズィ
ーラはイスラエル兵13人以上が死亡したと伝えた。確認されれば、
12日の戦闘開始後、イスラエル軍最大の犠牲者数となる。

 ビントジュベイルに向かっていたイスラエル軍の車列が襲撃され
たもよう。イスラエル軍はこのほか、国境に近いヤルーンでもヒズ
ボラと対峙(たいじ)している。

 イスラエルのオルメルト首相は26日の議会委員会でレバノン南部
に国境から2キロの幅にわたってヒズボラの影響力を排除した「緩衝
地帯」の確保を目指す方針を示した。同首相は「レバノン駐留に戻
るわけではない」と強調、国際部隊などが入るまでの一時的な措置
であることを示唆した。

 ヒズボラ側は同日、イスラエル北部ハイファ、アコーなどを125発
以上のロケット弾で攻撃、十数人が負傷した。 (07:00) 

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