2391.北朝鮮への対応



ここは、じっくりと攻めるがよかろう。もう、動き出してしもうた
からの。           虚風老

 もう一つ忘れとったが、決議案は、最終的には議長声明でええ。
それを、引いたとか譲歩したとかというような論評はせぬほうがい
いぞい。
実際、かなり高度な拘束力のある安保理決議を最初から得るのには
には無理がある条件といえるじゃろう。交渉のテクニックとして高
めに決議を出すのはこれは常套なので問題ないがの。
固執しすぎて、紛糾するより「全会一致」での早い対応を見せた方
がええ。言葉で圧力をかけるにはサミットもあるしの。(これには
、裏でイラン情勢への対応もからんでおるんじゃしの)

しかも譲る形で、中国にこの先はわかってるでしょうね。ちゃんと
圧力を加えてくださいよ、と念を押しとくのがええじゃろう。
また、声明の中に、北朝鮮がエスカレートした徴発行動をした場合
のことを想定して、押える文言はすべりこましたほうが戦術的には
高く評価できる。

また、金融制裁については、与党等が声を上げるのはいいけれども
、政府としては、より高いカードを温存し切ることができるとして
おいた方がええじゃろう。
カードは手元にあるときの方が価値がある。さらしてしまうとそれ
だけじゃ。(実効効果分しかない)
ここは、少し時間を置いて、状況を醸成させることじゃな。
その分ん、彼等の内部で問題が拡大していくじゃろう。

今年は物事の潮目がゆっくりと動きはじめる年のようじゃ。じっく
り堅実に足元をすくわれないようにな。

                  虚風老 
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高度な戦略と怖れないこころが必要じゃろう。 虚風老

北朝鮮が、より強い物理的対抗措置をとると発言したが、全然恐く
はないの。
もし、より強いというならば、実際に危害を与える行為にでなけれ
ばならんが、その能力も、方法もないはずじゃ。
(そうするには、全面的な攻撃しかなく、それは速やかな北朝鮮の
崩壊しか意味しない)

小泉5年間の総括をすれば、これは徹底的な「経世会支配の打破」
という目標を立ててそれに合わせて、反経世会とまず組み。国内抵
抗勢力と呼んだ「経世会が張り巡らした権力機構」をアメリカとい
うオーバー権力と組むことによって壊し、経世会の中に手を突っ込
んで、(野中派と青木派というようにして)分断し、それを自民党
=経世会をぶっ壊すという言葉で表現したんじゃろうな。奇しくも
、小泉退陣にあたって、橋龍が亡くなったのは象徴かもしれんの。

ところで、小泉にまともな戦略感覚があるならば、(闘争的駆け引
きは、小泉はみごとであり、強いのは認めよう、政策的には異論も
あるが)靖国の8月15日参拝は無くなったと言えるじゃろう。
そもそも選挙等で、右派を引き付けておく必要上から取れれた国内
向けの戦略であるし、後はぶれないことの象徴に使っておったとい
う意味合いぐらいしか持ってなさそうじゃ。

今、緊張が高まる時に、国家戦略としてやらなければならないのは
、中国をいかにこちら側に引き付けておくかであって、それを感情
的な敵対方向に追いやるのは愚作じゃからじゃ。

原理的な反共・台湾ロビーに固執して、頭が切り替わらない勢力が
、ネオコン・連動して、エージェントとして盛んに反中国キャンペ
ーンをやっておるがこれも戦略的には危ういといえるじゃろう。
(米国の利益搾取から反米に走らないようにという心理操作の一貫
じゃろうけどの)
軍が、仮想敵国を持つことは十分必要じゃが、(なにせ、具体的な
対象がなければ、軍の編成や装備計画、運用計画等ができんからの
う)政治状況とは一線を画しておる。それを分からないで、軍事的
な思考を優先していると、実際の政治経済(軍を動かす動機)の動
きが見えなくなるじゃろう。
軍というのは、徹底的な「優越思考」で貫かれておる。彼我の戦力
や可能軍事行動において相手よりどれだけ優越しているかがそのま
ま生存に直結するからじゃ。

政治経済では同一分野での競争はあるが、住み分けも可能じゃ。
優越法に多様性があるともいえるじゃろう。

台湾問題でも、海外在住者が、大陸中国に対して観念化しておるの
で、より先鋭になる傾向があるの、台湾ロビーといわれる面々がそ
うじゃ。
台湾在住では、政治的な利点から中国に飲み込まれたくはないが経
済等では、より大陸中国に近づき利用しようという気運が高くなて
おる。
しかし、戦略的に台湾が、大陸中国から分離しておることは日本に
とって有利であるし重要でもあるから、(アメリカの考えている、
海洋への大陸諸勢力の進出をはばむという基本戦略)アメリカが取
っている「ホールド」・どちらか一方が軍事的にこの事態を変更す
ることに反対であるというスタンスを日本も共有できるじゃろう。
但し、実際の戦闘が行われる場合は深入りせんことじゃね。
台湾は台湾の戦略があって、アメリカや日本を持ち上げてみせるの
だしの。

実際中国は共産党独裁政権ではあるが、(そのためにたくさんの矛
盾とそれを解決しにくい状況がある)市場経済化してるし、そもそ
も、共産思想というのは経済体制の原理から社会を規定していくと
いう体制じゃから、その基底の体制が変わってしまったということ
は、「共産」とはもはや呼べんじゃろう。
面白いのは、共産思想を激しく非難する人の中に、中国内部の格差
拡大を非難する言動がみられることじゃ。格差拡大が広がるという
ことは、共産思想が崩れていることじゃろうもん。
いうなれば、この先中国の命運は多党化できるかどうか(最初は、
共産党A・共産党Bでもええが)じゃろうな。権力は、チェック機構
が働かないものはどんな機構でもだめになるからの。

いろんな問題は、(アメリカの要求にしても)、こちらの不利にな
ることもあるが、重要なのは、相手の力を利用してこちらの力に変
換していくことじゃ。(不良債権を処理したみたいに)

それは円運動のような柔の動きであり、直線の論理では得られんじ
ゃろう。
そういう手法に、本当は日本の強みがあることを知っておくべきじ
ゃろううね。
それは、けっして分かり易くはないが、最高度の戦略なのじゃ。

テレビでは分かり易くとか単純にとかいうが、それもミスリードし
やすいじゃろう。
感情論をストレートに増幅するのも考えもんじゃで。
                        虚風老
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決議案その後の処理を念頭においておるのじゃろうか? 虚風老

強気もええが、決議案が最初の案のまま、通ったとしたら、北朝鮮
と開戦と考えておいた方がよいじゃろう。ちまたの一般人はこのこ
とを理解しているのじゃろううか?
もちろん、通るということは、中国が拒否権を発動しなかったとい
うことであり、中国が北朝鮮を見放すという意味も含まれるから、
戦争状態になっても、日本が負けるということではない。
おそらく、表立った戦闘では勝負にもならんじゃろう。
しかし、地下工作員のテロや、その後の難民、韓国の混乱による東
アジア情勢の流動化による社会動乱は覚悟できているのじゃろうか?

                  虚風老
ネオコン・ボルトンに利用されると、日本にとってのイラク現象
(その後の処理に手を焼くはめになりそうじゃが) 


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