2390.北朝鮮崩壊作戦



北朝鮮制裁決議案の国連安保理審議を検討する。    Fより

米英日など欧米諸国と反米連合の中国、ロシア、イラン、ベネズエ
ラなどの動きで世界の構図は分かる。しかし、米国も一時のような
力はもう無い。複数国と同時に戦争をどんなに弱い国ともできない。
より強いロシアや中国とはどんな戦争もできない。

現時点、イラク統治の軍派遣だけでも大変そうで、北朝鮮の脅しに
対しても、ペリーの先制攻撃論が出ても、ブッシュ政権は先制攻撃
するという選択肢を取らない、取れない。ソウルが壊滅する危険に
なるが、韓国が反米親中になっても北朝鮮を叩けない。これは米国
がイラク戦争があるかぎり本格的な戦争ができないためと、北朝鮮
崩壊後の対応に韓国も中国も賛成していないためだ。どうしてかと
いうと、米国が責任を持って復興建設ができないためでしょうね。

しかし、北朝鮮の暴走が続き、かつテボドン3号のように米国本土
を狙うミサイルができると、話が違う。米国の安全が脅かされるこ
とになり、本格的な北朝鮮崩壊の工作を取り始める必要が出る。日
本が北朝鮮崩壊を意図しているために米国の同盟関係行使を見せる
必要もあり、朝鮮統一を進めることになる。中国が一時、北朝鮮を
朝鮮自治州に併合しようとしたが、それを韓国が拒否しているため
に、朝鮮統一になるでしょうね。

そのためにも、中国やロシアも北朝鮮崩壊のための包囲網に参加し
てもらう必要がある。このため、米国は中国を重要なパートナーと
の言い方をするし、ロシアともパートナー関係を維持している。
安保理の様子を見ると、ロシアは拒否権行使ではなく、棄権になり
そうである。中国も北朝鮮へ6ケ国協議復帰の説得に行く。

イラク戦争開始前夜の米国単独行動主義とは、ここが大きく違って
いる。これはイラク戦争で、米国の近代戦は通常戦争には非常に有
効であるが、治安維持や都市ゲリラ戦などには効果が無いことが判
明したため、地上戦に結びつく行動を自省している。

また、崩壊後の体制維持とその統治費用を米国は出せない。ここで
日本に期待されている。韓国も大規模な復興資金を出せない。この
ため、制裁決議案でも日本が前面に出している。ということは崩壊
後の多くの資金を日本が出すことになる可能性が高い。

近代戦部分は米国が行い、地上戦の難しい作業は中国や韓国に任せ
て、北朝鮮の崩壊を仕掛ける必要があるために米国は中国や韓国が
米国の意図通りにならなくても、我慢している。中国が北朝鮮を見
捨てれば、それで北朝鮮の崩壊は確定する。北朝鮮の地上戦の兵力
はほとんどが韓国国境に張り付いている。中国国境はほとんどいな
い。中国サイドは北朝鮮国境には正規軍約10万と武装警察がそれ
以上いる。

このため、北朝鮮軍部の親中派がクーデターを行い、その支援で中
国軍が参加すれば、それで、金正日一家を抹殺できる。その中国軍
に対して、米国が航空支援を行えばいい。しかし、訪ロした金一家
はロシアに亡命して、北朝鮮にはいないという情報もある。現時点
、北朝鮮を支配しているのは、軍部強硬派の年寄りたちで第2次朝
鮮戦争をしたいのだという。この情報には疑問符が付くが??

中国はどういう状況で、北朝鮮を見放すかであるが、国際世論で中
国も北朝鮮と同様と思われて、国際社会から見放される事態になる
ことである。今回がその事態でしょうね。

10日に訪朝して中国が北朝鮮を6ケ国協議に復帰させ、非公式会
談を米国と行うことで合意できるどうかが次の問題になっている。
もし、合意できないと中国は安保理では棄権になると思う。

制裁決議が国連安保理で決議されると日朝間は戦争状態になり、い
つミサイルが飛んでくるか分からない状態になる。そうなれば、早
く次の軍事行動を中国に望むしかない。
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説得?心中? 中国窮地 外務次官10日訪朝(ASAHI)
2006年07月09日00時30分
 国際社会を向こうに回して北朝鮮をかばってきた中国が、日本な
どが国連安全保障理事会に提出した国連憲章第7章にもとづく制裁
決議案への対応で苦境に陥っている。6者協議で議長を務める武大
偉(ウー・ターウェイ)外務次官が10日に訪朝し、ミサイル発射
の凍結や6者協議への復帰を説得するが、同じ日に安保理は決議案
の採決を予定。時間が限られるなか、国際社会に同調するか、孤立
する友邦を守るかの二者択一を迫られている。

 中国の高官が朝日新聞記者にこう漏らしたのは今月4日のことだ
。その翌日、北朝鮮はミサイル7発を発射した。 

 北朝鮮の最大の支援国で、6者協議の議長国でもある中国がミサ
イル発射で受けた衝撃は、どの国よりも大きかったはずだ。しかし
、メンツをつぶされてもなお制裁決議案には反対。米国などと神経
戦にも似た外交カードの切り合いを水面下で繰り広げている。 

 象徴的だったのは7日に訪中したヒル米国務次官補の発言だ。武
次官、李肇星(リー・チャオシン)外相、唐家●(●は王へんに旋
)(タン・チアシュワン)国務委員(副首相級)と相次いで会談後
、北京の記者団に「北朝鮮の行動は挑発的で、声をひとつに対応す
る必要があるという(国際社会には)幅広い合意がある、と私は思
う」。 

 ホワイトハウスは中国もミサイル発射を「挑発的」と位置づけた
と説明したが、実際にはヒル次官補がそうした言質を取りつけられ
なかったことを示唆した。 

 中国が制裁に慎重なのは、北朝鮮の暴発に対する警戒感からだけ
ではない。国際社会に最終的に同調するにしても、その前に6者協
議の再開に向けた影響力行使を中国に期待する米国から出来るだけ
協力を取りつけておきたい、との駆け引きが透けて見える。 

 元来、北朝鮮の核問題を解決するには米朝2国間の協議が最も近
道だ、という思いが中国には強い。北朝鮮への影響力の行使には及
び腰な半面、北朝鮮との対話を嫌悪するブッシュ米政権への説得に
は熱心で、6者協議の枠内で米朝接触を何度も演出してきた。 

 中国にとって理想的な展開は、武次官の訪朝による説得が功を奏
して北朝鮮がミサイル発射の凍結を約束するか、提案した議長声明
が各国から支持されることだ。しかし、ともに可能性は低い。一方
、制裁決議に拒否権を行使することは北朝鮮と「心中」する最悪の
展開だ。 

 朝鮮半島情勢に詳しい米中関係筋は、棄権を念頭に「どうせ転ぶ
にしても米国のシャツの袖ぐらいは引きちぎっておきたい、取れる
ものは取っておきたい、という思いではないか」と見る。 

 その場合、中国が最も期待するのは、ヒル次官補の訪朝だ。北朝
鮮が切望し、6者協議の再開に直結する。また、北朝鮮が猛反発し
ている米国による事実上の金融制裁問題を6者協議で話し合うこと
も画策している。 
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露、制裁に消極的な背景は… 外交方針が影響

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのプーチン政権は、北朝鮮の弾道
ミサイル発射に対する制裁には当面、反対する姿勢を続けるだろう。
北朝鮮やイランなど反米諸国を懐柔し、利用することで米国を牽制
(けんせい)してきたロシアにとって、これら諸国への制裁を認め
ることは、従来の外交方針の大転換につながるためだ。ただ、ロシ
ア国内では、事前通報なしのミサイル発射に強い反発が広がってお
り、さらに発射されるなどすれば、対北姿勢が変化する可能性もあ
る。

 北朝鮮制裁についてはプーチン大統領が6日、反対する姿勢を表
明、北朝鮮の核をめぐる6カ国協議の再開を呼びかけた。ロシアが
安易に制裁決議に賛成すれば、北朝鮮を反ロシアへと追いやりかね
ない。それだけは避けたいというのがロシアの本音だ。

 ただ、ロシアの専門家たちは、今回のミサイル発射について、「
人口希薄な極東での話で、問題としてはまだ小さい。ロシアの人口
の約8割が集中する欧州部だったら、こうはいかないだろう」とみ
る。

 プーチン大統領も制裁には反対したが、ミサイル発射の事前通報
という「文明国の常識」を逸した北朝鮮の行動を厳しく非難してい
る。専門家たちの間でも、北朝鮮に対する圧力を強化するよう求め
る声も聞かれ始めた。

 こうしたことから「ロシアは今後、そうした国内の反応も考慮に
入れながら、北朝鮮に対し影響力を持つ中国の動向を見極めながら
対応をとることになる」(ロシア世界経済国際関係研究所のミヘエ
フ中国・日本経済政治センター所長)ものとみられる。
(産経新聞) - 7月8日3時8分更新
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決議案提出で日中衝突=王大使、「団結破壊」と−ロシア大使は終
始無言・安保理

 【ニューヨーク8日時事】北朝鮮のミサイル発射問題で、日本が対
北制裁決議案の提出を表明した7日の国連安全保障理事会の非公開協
議の席上、中国が「安保理の団結が破壊された」と提出を強く批判
、日本と激しく対立したことが分かった。ぎくしゃくする日中関係
は北朝鮮ミサイル問題を引き金に新たな「衝突局面」を迎えている。

 安保理外交筋によると、日本の大島賢三大使は非公開協議の冒頭
、決議案提出の意向を表明。続いてボルトン米大使が日本を支持す
ると発言した。同大使は北朝鮮の発射した長距離弾道ミサイル「テ
ポドン2号」がハワイ周辺を目標としていたとされる点を指摘し、ミ
サイルは「米国への脅威だ」と明言した。

 これに対し、中国の王光亜大使は「安保理は大切な組織」と述べ
た上で、議長声明なら全会一致で採択可能と主張。日本が決議案を
出したことで「安保理の団結の基盤が破壊された」と反発した。

 その後、英国、フランスが相次いで「直ちに行動を取らねばなら
ない」「北朝鮮の行動は国際平和と安全にとって重大な事態」と日
米に同調した。大島大使も再び、「できるだけ早期に決議案は採決
に付されるべきだ」と訴えた。

 一方、中国と歩調を合わせ議長声明を支持していたロシアのチュ
ルキン大使はこの間、終始無言。協議後も記者団の求めに応えるこ
となく、足早に会議室を後にした。タンザニア、ガーナ両国は「全
会一致が大事」などと見解を表明し、中国同様、安保理の団結の重
要性を強調したという。 
(時事通信) - 7月9日7時1分更新
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非公式でも6カ国枠内なら 米「北と個別協議可能」

 【ソウル=久保田るり子】訪韓中のクリストファー・ヒル米国務
次官補(東アジア・太平洋担当)は8日、韓国の潘基文外交通商相
と会談後、記者団に「(中国が呼びかけている)非公式6カ国協議
が開かれた場合、北朝鮮の金桂寛外務次官と2者協議をすることは
できる」と述べた。
 米国はこれまでも6カ国協議の枠内での米朝協議は行ってきてい
るが、ミサイル発射後にこうした表明をしたのは初めて。
 ヒル次官補は同日、韓国の6カ国協議首席代表である千英宇朝鮮
半島平和交渉本部長との会談でも、「6カ国協議は北朝鮮の核問題
を解決する最高の枠組みだ」と強調、非公式6カ国協議を米韓両国
が支持していると述べたが、北朝鮮が6カ国協議復帰の条件として
金融制裁解除を求めていることに関しては、「いま、いわゆるジェ
スチャーをしている場合ではないだろう。彼らは無謀なミサイル発
射を行ったのだ」などとして、米側が譲歩する可能性を一(いつ)
蹴(しゆう)した。
(産経新聞) - 7月9日3時23分更新
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2006/07/09 (日) 金正日はすでに北から姿を消している? 
クライン孝子の日記
http://www2.diary.ne.jp/user/119209/
北朝鮮のミサイル暴発ですが、

今日某元ロシア系外交官から
以下のような情報を入手しました。
彼の話を総合すると、北は、すでに金正日不在の状況に
あり、実権はマルキシズムで、コチコチ頭の
古参軍人の手に掌握されているのだと・・・・

でなければなぜ一度に7発ものミサイルをロシア寄りの日本海に
打ち込んだのか、説明がつかない。彼らはロシアに嫌がらせを
したのだと・・・。

そこで、まず
今日日本が主導してとりまとめた安全保障理事会における
北朝鮮制裁決議案についてですが、多分ロシアは採決にあたって
賛成に回るだろうと。

ただしこれには条件がある。
10日に北朝鮮を訪れる中国の武大偉次官が
6カ国の非公式協議に北朝鮮を引っ張り出せなかった場合のみ。

理由ですが、金正日は既にロシア領内に入ってロシアの保護下に
あるからだというのです。

中国が北朝鮮人民軍の慰撫に成功してミサイル発射を
取りやめ非公式協議に北朝鮮が出席する場合にはロシアも
中国とともに同決議案には拒否権を発動し、
金総書記はこのままロシアに残り政治亡命を続けることになる。

逆に中国が工作に失敗した場合ですが、中国は
拒否権を発動せず棄権するに違いない。
その時ロシアはどうするか。賛成に回る。

ただし中国の工作が成功した場合には制裁決議案は
アメリカの圧力によりおそらく取り下げられるだろうから
何も起きないことになる
 
ではなぜ、ロシアがこのような回りくどい複雑な動きをするのか。

彼は以下のような理由があるというのです。

つまり
ロシアは日露戦争によって朝鮮半島への影響力を失い、
いったん取り戻したかに見えた影響力を朝鮮戦争によって
再び毛沢東に奪われてしまった。
 
そこでこうした失地を回復するために、既に北朝鮮国内で
存在が危うくなっている金総書記を最大限に利用する、
つまり人民軍の革命世代をつぶして金総書記を再び権力の座に
据えロシアの影響力を相対的に中共より強める。

最も彼はこうも言っていました。

個人的立場としては北朝鮮がどういう形であれ残存することは
ロシアの将来の安全にとっては好ましい結果をもたらさない。

従ってロシアはそのような姑息なトリックに拘泥しないで、
当面、とにかく北朝鮮崩壊に拍車をかけるよう
努力することだと・・・

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