2378.米国の北対応に大きな変化



米国の北朝鮮対応に大きな変化がある。その検討。  Fより

北朝鮮のテボドン2号発射準備において、米国の対応が変化してい
る。今回発射準備しているミサイルは米国本土に届く3段式のミサ
イルで一部専門家はテボドン3号で2号より進化していると見てい
る。しかし、このミサイル発射準備で米国の安全保障戦略の根幹を
めぐる議論に発展してきた。

今までは、米国は軍事技術を日本や韓国、台湾に押し付ける理由と
して、増田さんの言うように北朝鮮の脅威をうまく利用してきた側
面もあるが、今回、射程1万キロ以上で米国本土も狙える物となり
、米国安全保障の専門家からも強硬な意見が出ている。

ハドリー大統領補佐官は「ミサイル迎撃は事実上困難」との認識を
示したが、在日米軍の現場は、ミサイル防衛システムで迎撃する方
向で準備をしているようであるし、平行して日本のイージス艦「き
りしま」も参加したミサイル迎撃実験を行い成功させて、迎撃の姿
勢を見せている。それより、大物米国政治家が最強硬な意見を言い
始めた。

今まで北朝鮮との話し合いを主張していたクリントン政権のウィリ
アム・ペリー元国防長官らが、「発射前に潜水艦から発射した巡航
ミサイルをテポドンに命中させれば、誘爆で発射台などミサイル施
設に限定して破壊することができる」と先制攻撃を言い始めたのだ。

それに対して、タカ派のチェイニー副大統領が外交的な解決をする
と反論している。話し合いを求めるハト派が、自国の安全を脅かす
状態になって、タカ派より強硬な意見に変化している。

北朝鮮は、米国本土を狙えるミサイルを持たないと交渉できないと
長距離ミサイルを開発した。しかし、それができたことで交渉力が
増すより、本格的な攻撃を招く恐れが出てきている。

交渉で金融制裁を解除させようとしたが、逆に日朝定期船の「万景
峰号」の寄港拒否など、ミサイル部品を日本から調達しているが、
その部品を運ぶ手段がなくなることになる。

韓国も北朝鮮への米や肥料の援助をしないと表明したし、中国も懸
念を表明したために、金正日も次の手に困っているようだ。この局
面打開のために、訪ロしてロシアに擦り寄るようであるが、ロシア
は米国と裏で結託している。ライスがロシア語で直接、プーチンと
話ができるために、最後の所で妥協を成立できる。これに期待して
いるのでしょうかね。

しかし、ロシアに寄り過ぎると中国派幹部がクーデターを起こす可
能性もあり、金正日委員長の動向には目が離せない。金正哲の追放
で正常な政治決断もできなくなり、強硬手段を振りかざす方向にあ
る。しかし、その強硬手段が国家の滅亡を招くことを知る必要があ
りそうだ。

どちらにしても、北朝鮮の最後が迫っている。
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「平壌宣言拘束されない」 北朝鮮外務省

 【平壌20日共同】北朝鮮外務省アジア局副局長級の李炳徳日本
担当研究員は20日、ミサイル問題についての同省公式見解として
「ミサイル発射は日朝平壌宣言や昨年9月の6カ国協議共同声明な
ど、いかなる声明にも拘束されるものではない」との考えを訪朝中
の日本人記者団(共同通信など4社)に示した。
 北朝鮮当局者が、今回の問題に関連して2002年の平壌宣言な
どに言及したのは初めて。平壌宣言では、ミサイル発射実験の凍結
を確認。6カ国協議の共同宣言は、北東アジアの平和と安定に努力
することをうたっている。
(共同通信) - 6月20日22時29分更新
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金総書記訪露か、貴賓用列車が国境越え…韓国紙報道

 【ソウル=平野真一】23日付の韓国紙、朝鮮日報は、北朝鮮に
詳しい消息筋の話として、平壌を出発した貴賓用列車が北朝鮮北東
部の国境を越えたのが目撃されたと報じた。

 金正日(キム・ジョンイル)総書記は通常、移動に貴賓用列車を
利用していることから、ミサイル発射準備をめぐり緊張が高まって
いる米朝関係について協議するため、ロシアを訪問した可能性があ
ると指摘している。

 同筋は「金総書記が利用するVIP用列車が国境を越すのを見た
という人が大勢いる、という話を聞いた」と述べた。聯合ニュース
によれば、韓国政府当局者は23日、「(訪露を)裏付ける情報は
ない」と述べた。
(読売新聞) - 6月23日14時49分更新
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「重大な関心」と懸念 テポドン準備で中国【北京22日共同】

中国外務省の姜瑜副報道局長は22日の定例会見で、北朝鮮がテポ
ドン2号とみられる長距離弾道ミサイル発射準備の動きを見せてい
ることに関連し「現在の事態に重大な関心を持ち注視している」と
述べた。ロシア外務省も同日、北朝鮮の朴義春駐ロシア大使に懸念
を伝えた。
中国は北朝鮮の挑発的な姿勢に反対するとともに、制裁を警告する
日米などにも自制を求めたとみられる。北朝鮮の友好国の中ロ両国
がともにミサイル問題に懸念を示したことになる。
姜副局長は「関係国が北東アジアの平和と安定に寄与する行動をと
るよう希望する」と強調した。
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北朝鮮のテポドン発射準備、米本土の安全に懸念
(nikkei)
 北朝鮮が進める長距離弾道ミサイルの発射実験準備が、米国の安
全保障戦略の根幹をめぐる議論に発展してきた。射程3000―6500キ
ロとされる「テポドン2号」は、北朝鮮にとって初めての米本土に
対する核攻撃手段となる可能性もあるためだ。北朝鮮のミサイルが
極東だけでなく米国自身への脅威になりかねず、実際に発射された
場合には「迎撃すべきだ」との声や、先制攻撃論まで出てきた。

 22日までのブッシュ大統領の欧州訪問は、イラン核問題だけでな
く、北朝鮮のミサイル問題も焦点となった。ブダペストでのハドリ
ー大統領補佐官(国家安全保障担当)の記者会見では、北朝鮮がミ
サイルを発射した場合への対応に質問が集中した。 (07:00) 
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米軍レーダー運用前倒し、テポドン2監視目的か
2006年06月24日01時13分
 米軍の移動式早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」が航空自衛
隊車力分屯基地(青森県つがる市)で運用されるのに伴う飛行禁止
区域の設定について、国土交通省は23日、当初予定より2日早い
26日に区域設定することを発表した。米軍が運用開始を早めたた
めで、北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン2」の発射準備の態
勢を解いていないことと関連しているのではないか、と防衛庁関係
者はみている。 

 Xバンドレーダーは、米本土などを狙う大陸間弾道ミサイル
(ICBM)の追尾のための移動式の装置。米軍三沢基地(青森県
)で保管されてきたが、23日未明、車力分屯基地に移送された。 

 レーダーは当初、28日から運用される予定だったが、在日米軍
が23日、外務省に「運用開始日を26日に変更する」と連絡して
きたという。 
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ミサイル迎撃は困難 米大統領補佐官

 【ブダペスト22日共同】ブッシュ米大統領に同行しブダペスト
訪問中のハドリー大統領補佐官は22日、北朝鮮が長距離弾道ミサ
イルを発射した場合、米国がミサイル防衛システムで迎撃するのは
事実上困難との認識を示した。記者団に語った。
 補佐官は、同システムについて「研究、開発、訓練、実験の段階
にあり、運用能力は限定的だ」と述べた。
 また、ペリー元米国防長官が米紙への寄稿で、北朝鮮が発射準備
をさらに進める事態になれば、先制攻撃によりミサイルを破壊する
意思を直ちに表明するようブッシュ政権に求めたことについては「
外交的解決が正しい回答であり、われわれはそれを追求する」と述
べ、先制攻撃の可能性を否定した。
(共同通信) - 6月22日23時52分更新
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<テポドン2号>元米国防長官の先制攻撃論 副大統領が否定

 【ワシントン及川正也】ペリー元米国防長官は22日付の米紙ワ
シントン・ポストへの寄稿で北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポド
ン2号」の発射準備をしている問題について、米国が発射前にミサ
イルを攻撃する「先制攻撃論」を提唱した。これに対してチェイニ
ー米副大統領は同日の米CNNテレビで否定的な考えを示した。
 元長官は寄稿の中で「北朝鮮が発射準備を続けるなら、米国は発
射前にミサイルを攻撃し、破壊するという意思を明確にすべきだ」
と先制攻撃論を提唱した。これに対して副大統領は「現段階で我々
は適切な方法で対処している」と述べ、外交圧力を通じて対処する
方針を強調した。
 また副大統領は同テレビでテポドン2号について弾頭部分に推進
力がある「3段式」とみられることを明らかにした。ただ6000
キロから1万キロ以上など見方が分かれる射程については不明で「
(弾頭の)搭載物もわからない」と述べた。
 「テポドン2号の発射実験は初めて」としたうえで、北朝鮮のミ
サイル能力について「かなり初歩的だ」とし、過去のミサイル発射
実験が必ずしも成功していないと指摘。核弾頭の搭載技術の開発に
は至っていないとの見方を示した。
(毎日新聞) - 6月23日20時2分更新
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テポドン、「巡航ミサイルで限定破壊を」 元米国防長官(ASAHI)
2006年06月22日19時28分
 米国のウィリアム・ペリー元国防長官らが22日付の米紙ワシン
トン・ポストに寄稿し、北朝鮮が発射の動きを見せる「テポドン2
」について、北朝鮮が発射に踏みきろうとした場合、米国はミサイ
ルに限定して攻撃し、発射前に破壊すべきだと提唱した。「外交的
取り組みは失敗した」と位置づけ、「おとなしく見ているわけには
いかない」などとしている。

 寄稿文はペリー氏の元側近アシュトン・カーター元国防次官補と
の連名で出した。ペリー氏らは、反米姿勢を隠さない北朝鮮に、核
兵器搭載が可能で米国に到達しうる弾道ミサイルの開発を許すべき
ではない、と主張。潜水艦から発射した巡航ミサイルをテポドンに
命中させれば、誘爆で発射台などミサイル施設に限定して破壊する
ことができるとした。 

 一方、テポドンの発射をいったん許せば、米国が配備を進めるミ
サイル防衛(MD)で対処したとしても北朝鮮は必要なデータを集
めることができ、危険性が増すとした。発射後の迎撃に失敗すれば
MDの価値を損なうとも言及した。 

 また、北朝鮮が核保有を明言した現状は98年に「テポドン1」
を発射した当時と状況が大きく違うと指摘。核問題をめぐる6者協
議については「崩壊した」と断じた。 

 ペリー氏は94〜97年、クリントン政権下の国防長官。長官退
任後も北朝鮮ミサイル危機にあたって同政権の北朝鮮政策調整官に
任命され、99年に訪朝。北朝鮮との間で関係安定化の「ペリー・
プロセス」を立ち上げた。近年は、外交軽視のブッシュ政権の北朝
鮮政策を批判してきた。

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