2369.琵琶湖の水に思う



日本の琵琶湖の水に思う。そして加藤登紀子来る 

                                   平成18年(2006)6月7日(水)
                「地球に謙虚に」運動代表 仲津 英治

 ご多用の中、少々長い以下の文章にお付き合い頂ければ幸甚です。
一部の方は重複しますが、前回お送りした自作詩の1番に記載漏れがありましたので、
改めてお送りします。ご容赦ください。

 私は自然の宝湖 琵琶湖を擁する滋賀県の環境行政は、日本の将来を占う
ものではないかという認識を持っています。

1.滋賀県知事選討論会とダム問題 
去る6月4日、滋賀県野洲市で、滋賀県知事選のマニフェスト(政策)型公開討
論会がありました。討論者は立候補予定者3人です。
  国松 善次 氏(滋賀県知事) 
  嘉田由紀子 氏(京都精華大学教授)
  辻  義則 氏(滋賀県労働組合総連合議長)

この中でダム問題が中心テーマの一つとなり、治水のために国による既存ダ
ム計画の実現を主張する国松氏に対して、ダム見直しの立場の嘉田(かだ)
由紀子 氏は、具体的な数字を挙げてその不必要性そして森林整備など代わる
工事方法を提言していました。

ダム工事は一箇所数千億円の工事費を必要とし、大きな自然環境破壊を伴います。
大型土木機械と多数の資機材を投入しますので、それらのために費やされる
エネルギーと排出する炭酸ガスと発熱量は相当なものでしょう。地球温暖化
を加速します。

地球温暖化が進行し、積雪が少なくなった比良山、伊吹山等からは、酸素を溶
かして運ぶ春の雪解け水が減少し、琵琶湖の湖底では無酸素状態が生じている
と伺います。無酸素水が水面上に浮上してくれば、魚介類の大量死を招く青潮
になります。

私は、治山治水の専門化ではありませんが、太陽が大きなポンプの役割をして
くれる自然循環と豊かな森林による水の涵養機能が、洪水を防ぐ有力な方法
だと思っています。自然の力の活用です。

  平成6年(1994年)夏、全国的な猛暑で大変な渇水の時期がありました。
私は福岡で16時間断水を長く体験しました。この都会の異常な水不足に対し
て、福岡市郊外にある油山で水しぶきを上げる谷川に深く感動しました。豊
かな森林を抱く山の保水力に感銘を受けたのです。そして一詩を作りました。
その後、滋賀県志賀町(現大津市)に住んで琵琶湖をめぐる樹木豊かな山々
の大切さを再認識しています。自らの詩を思い起こしています。

「山は恵みの」 という詩です。お付き合い下さい。
一、	山は恵みの     真水(まみず)保ちつ
       地下なす流れ    見えざる生命(いのち)
       大地の木々の    根をば潤(うるお)し
       芽吹き花咲く    春は来たれり

二、	山は恵みの     光を受けつ
       緑被(おお)いて  育む生命
       鳥は翔び交い    は駆ける
       生命旺(さか)りの   夏は来たれり

三、	山は恵みの       大気はそよぐ
       草木営(いとな)み  果実結べる
       生命を食(は)みて  次世代(いのち)を運ぶ
       紅(あか)き実りの  秋は来たれり 

四、 山は恵みの       大地の上に
   落葉積もりて      土に還らむ
   白銀(しろがね)抱き 雪解(ゆきげ)を待ちつ
   生命休める      冬は来たれり

 拙作の詩にお付き合い有難うございました。

2.加藤登紀子来る
 かつての美しい琵琶湖を今に伝える「琵琶湖周航の歌」を国民歌謡にまで
広めた歌手加藤登紀子さんが、嘉田由紀子(かだゆきこ)さんの支援に参ります。

【イベント予定】 6月10日(土) びわ湖再生フォーラム
●日時:6月10日(土) 14:00〜16:30
●場所:近江八幡市文化会館 
 
 http://www.city.omihachiman.shiga.jp/kyouikubunka/bunka/bunka1.htm
 〒523-0892滋賀県近江八幡市出町366
  JR琵琶湖線近江八幡駅より徒歩5分
  電話0748-33-8111

●問い合わせ先:びわ湖再生フォーラム実行委員会
【プログラム】
<第1部:トーク「びわ湖 水辺再生のしくみ」…14:00〜15:30
・加藤登紀子(歌手)
・河内 厚郎(文学者)
・嘉田由紀子(京都精華大学教授) 他
<第2部:各地からの報告…15:30〜16:30>
・今森 光彦(写真家)
・他、各地団体からの報告
・	第3部 ヨシ笛コンサートなど
詳しくは下記かだ 由紀子ホームページをご覧下さい。
 

3.琵琶湖と淀川をめぐる歌
 モーターボートも水上バイクも無かった頃、のどかで美しかった琵琶湖とその
下流の淀川を歌ったすばらしい寮歌があります。
 上述の琵琶湖周航の歌(我は湖の子 旧制第3高等学校(現京都大学)ボート
部部歌)と旧制大阪高等学校(現大阪大学)端艇部部歌(落下の雪に)です。
別添紹介させてください。
 このロマン溢れる歌人の世界を少しでも取り戻したいものです。

4.現職知事のスタンス
「環境破壊の象徴 水上バイクにまたがって嬉々としている姿」にいみじくも
表れています。
 下記をご覧ください。
  http://www.pref.shiga.jp/chiji/biwako/files/103_170802.html
                             以上
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仲津英治
「地球に謙虚に」運動代表



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