2367.私の仏教修行について



私の仏教修行について

以下は余談ですが、私は今朝、早起きして6時40分に家を出て、多摩ニュータウ
ンの一角にある、普通の民家を改造したお寺を訪れ、ミャンマーの上座部(小
乗)仏教流の瞑想法について、習いにいってきました。正直なところ、期待した
ほどの内容ではなく、がっかりしています。坐禅と大差ない。日本人のお坊さん
のしてくれる説明(輪廻転生や瞑想法についての話)も、いまひとつ納得がいか
ないものでした。

ただ、最近、日本でも上座部の仏教が注目されはじめていて、ミャンマーやタイ
のお寺で修行しておられる方もいるようです。既存の大乗仏教が、ひとしなみ
に、堕落し、衰退している時代に、注目されてよい動向かもしれません。


夕べ、二次会の後で、「どうして仏教の勉強を始めたのか」という質問をいただ
きました。「無線の免許の勉強が一段落したので、次は仏教だと思った。無線従
事者の免許が取れたら、急に仕事が暇になったこともある」というのが、この時
期に勉強していることを一番正直に説明しています。

ただ、それだけでもありません。

僕は、日本の既成仏教のお寺さんが、自分たちの生計のみに汲々として人助けを
忘れた怠慢で堕落した姿には物足りなさを感じていますが、それでも、仏教には
まだ世界に伝えるべき思想が残っていると思うのです。そのエッセンスを理解す
るためにも、できれば得度して、仏教思想の使い手となりたいという思いがあり
ます。

毎月、自宅の近くのお寺(臨済宗妙心寺派の龍雲寺で開かれている松原泰道さん
の法華経についての法話を聴く会に参加しているのですが、そのときに、泰道さ
んに得度の方法について質問したところ、通信教育もあるというヒントをいただ
き、それがきっかけで、東京国際仏教塾という複数宗派がいっしょに運営してい
る塾にこの4月から参加しました。

入塾式のときの、奈良康明先生の悟りについてのお話がとてもよかったのと、5
月5−7日に千葉・小湊近くの日蓮宗のお寺で行われた合宿、5月25−26日に行わ
れたスクーリングでも、渡辺章悟先生の大乗仏教論や、蓑輪顕量先生による日本
仏教史といった、若手の気鋭の学者さんたちによる授業が行われ、実に充実して
います。

4冊の本にたいして、レポート4本提出しなければならないのですが、テキスト
は、■ 橋本治「宗教なんてこわくない」(ちくま文庫)、■ 末木文美士著「日
本仏教史」(新潮文庫、これはたぶん名著です)、■ 木村清孝著「仏教の思
想」(放送大学)、■中村元著「原始仏教」(NHKブックス)です。

合宿やスクーリングに参加している人たちの半数は、定年をして、「僕の人生っ
てナンだったのだろうか」と悩んでいるおじさまたちですが、それでも20代から
70代までの男女(女性は1割程度)が70人塾に参加しています。正座もできず、
お経も読んだことのない人たちが多い中、僕にとっては、とくに苦労もなく、授
業についていっています。今の僕の悩みは、得度するにあたっての師は誰になる
のか、臨済宗と曹洞宗では、どちらがよいだろうか、というものです。

6月23−25日には、君津の鹿野山で、臨済宗の禅センターで合宿が行われます。
楽しみです。

では、また、ご報告しますね。

得丸久文


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