2356.「荒川修作の講演会」音声ファイルを聴いての感想



荒川修作音声ファイル聴きました。浅山

誰かも書いておられましたが、こんなに家に居て、お話が聞けるとは感激です。
このファイルは荒川フアンに紹介されたのですが、ヤマカワ(鹿児島では皆が山
へ行こうと言う時、俺は川に行くと言い、皆が川へ行こうと言う時、山へ行こう
と言う、へそ曲がりをそう呼びますが、ある意味ではトリックスター)な私はそ
の方のことを聞いたとき、そんなに凄い人なの?

セメントで確かに今の時代で一番普及している建築資材で建てた構築物に14色の
色を混ぜた程度で自然に近いものが出せるとは思えないが、と言葉の上で反論し
てきました。

でも良く考えると、人類は未だ生物種を新たな生物種を創ることさえできないの
ですから、建造物でも現在の中で作れる次善のもので、その評価を行い、未来性
を持つと分かる方がそれを応援していく、これで良いのではと考えはじめた矢先
にこの音声ファイル。

聴きました、滑らかな優しさで無く、私も年をとり、身体に優しい棲家としてバ
リヤフリーの住居を。でも荒川さんは違いました、仰るとおりです、人体に刺激
が無い構造物ほど不自然、住居すら登り降りがあり、這ったり立ったりするほう
が自然と。

未だ十分に理解できないのが、人間が幾何学を学んでから科学が可笑しくなった
と。ダビンチ以前には未だ科学が存在したとか。

ダビンチのように観察して思考を深めるためには、もっと豊かな10代までの神
話的時間をもつことが無ければ、あの思考の深さと観察力は身に着かないことで
しょう。

あっと言う間に産業界からの苦言「学力低下につながる、ゆとり教育」などで一
気に、それ自体でもちゃちな「ゆとり」教育を引っ込めた文科省、そんなところ
から出てくる今回の「教育基本法改定案」。おかしな社会、日本。

金の無い方々がお金出し合い、荒川さんの作品と思想を生かそうとされる方々だ
けの日本に愛想を尽かし、欧州先進国のスポンサーを求めて行動される気持ちわ
かります。下手な愛国心など入りません、外から分からせてくれる人が島国の日
本にはいつも必要です、情けないことですが。

今回のファイルの中に登場された若い方の質問を聞く限り、若者に対して荒川様
は大きな刺激、考え方を止揚させるカリスマ性のある方と感じましたし、こんな
機会を家に居て学ばせてくれる電脳時代に複雑な文明のでこぼこを感じています。



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