2335.香港事情2



香港の中心部に出てみる。   Fより

香港の朝食を朝粥にしようと出かけたが、10時からしか店が開い
てない。昨日、ニューワールド百貨店に行って閉店時間を聞いたら
朝10時から夜10時までの営業と言っていた。朝が遅く、夜が長
いのが香港流なのでしょうかね。朝はホントに人が少ない。

朝粥はほとんど米が無くなっている。その粥の中にアワビやエビ、
ツバメの巣などの珍味がトッピングされている。有名であるとガイ
ドブックにある通り、おいしかったし、日本人がやたらに多い。日
本語メニューもあり、要求すると持ってきてくれる。値段は一番高
い朝粥を頼んだのでH180ドルである。2700円の朝飯でした。
それを2つも頼んでしまった。朝粥は1つで十分で、デザートを頼
んだ方がいい。朝食後、MST(地下鉄)で海峡をトンネルで抜け
て中環へ行く。

不動産は香港が非常に高いので別にしても、香港の物価は日本と同
じか高い。行商のおばさんが傘を売りにくるが15Hドルで225
円と日本の100円傘に比べて高い。日本の物価は安くなった。
海外旅行の楽しみであるブランド品買いも、日本と同程度の価格で
意味がないようですね。

香港を考えると、食生活のほとんどが輸入であり、水も中国から買
っているという。香港は商業も町で、町にはイスラム系、インド系
、中国系、英国系、ユダヤ系などの多様な民族がいる。ロシア語も
街中で聞いたので、ロシア人もいるはず。それと、安い・頭のいい
労働力が中国からの不法移民として常に補給されている。このため
、人口は常に増えている。このような条件があり、加工貿易として
のいろいろな商談が纏まりやすいことになる。

アジアの他の都市ではやはり、シンガポールに一番似たような町で
ある。シンガポールに会議で行ったら、一番気にしている街は東京
ではなく香港と言っていた。シンガポールでの世界会議開催の数は
東京より多いという。東京より香港が競争相手なのでしょうね。そ
の意味がわかる。

しかし、頭のいいクーリーの数で香港が断然に勝つのでしょうね。
逆にシンガポールは頭のいいクーリーが足りない。森に中にある町
という感じで作り、町の雰囲気はシンガポールの方が断然、上であ
るので欧米人には好評であるが、人的なパワーの面で香港に劣るよ
うな気がする。それは中国本土に近いか遠いかという地理的な要因
が大きいのでしょうね。

香港は個性豊かな1人1人の努力が活力とざわめきをこの町に与え
ている。シンガポールは華僑が支配しているために、香港に比べて
活力とざわめきが少ない。シンガポールの方が英語は通じ安いよう
に思うし、欧米人の数も多いと見える。香港より生活がしやすい。

この狭い香港には世界の何でもがある。中継貿易として今も発展し
ている。特に中国との貿易が多くなって、この香港が中継地点にな
っているようだ。中国で作る商品をどうするかなどは、欧米人が来
やすい香港で商談になるのでしょうね。

日本人も多いようだ。「そごう」の売り場には日本食品が多数陳列
されている。しかし、本格的な日本の百貨店はすべて無くなってい
る。それも家賃の高騰から経営を維持できないとの理由で。しかし
、セブン・イレブンは町のほとんどに見かける。人気になっている。
いつもお客が複数人いる。個人商店か土地持ちのオーナ経営の百貨
店しか成り立たない街でしょうね。そういえば、スーパーも見かけ
ない。

そして、そのような発展で香港の姿が変わって来ている。2年前来
たときとは違い、世界最大の世界貿易センタビルが海沿いにできて
、その一帯の景観が変わっている。香港の発展は海沿いの埋立地と
新界しかない。この海沿いを今、再開発している。その再開発の傍
に貿易センタビルはある。

2階建てのトラム(市電)に終点まで行って折り返してきたが、ト
ラムが走るところは、市街地で人がたくさん乗降りする。トラムと
しての郊外地域になると60F建のアパートが林立している。2階
建てのトラムの2階の先頭に座ったが、ビルの天辺が見えないビル
やアパートも多い。首が上に回せない。

香港は土地がないので上に上に伸びている。自動車も置き場がない
ために、大金持ちしか自動車を持てない。バイクも自転車も見かけ
ない。坂が多く、かつ階段だらけで自転車が意味を成さない。しか
し、地震があったら、この街はどうなるのでしょうね。死者が100
万人以上も出る可能性があるが、2000年前から地震がない土地
だそうである。

エスカレータを歩道にしているエリアで降りて、エスカレータに乗
って町を探索したが、この地域には欧米人が多いし、欧米人好みの
しゃれた店が多い。スターバックスもある。それにしても小学校か
ら英語を教わるビジネス香港人は英語ができる。街中でビジネス風
の人に聞くと正確に答えを貰える。たどたどしい、こちらの英語よ
り上手である。

スターフェリーで九龍まで乗った。湾を一望できる。香港のビルの
スカイラインが長いことをそれで知る。この長さは世界にもここ以
外にない。その多くは高層アパートであり、1住域の面積も大きく
ないので、香港の暮らしは大変であろうと想像できる。我々夫婦2
人、老後をどこで過ごすか、議論をしているが、夫婦ともに家賃の
高い香港ではない。香港は仕事の町ね。で一致した。

九龍半島のビル群は、2Fのレベルで繋がっているように見える。
スター・フェリーからハーバー・シティ・ビルまでビルの中を行く
ことができる。クーラーが利いていて、外を歩くより気持ちがいい。
そのハーバー・シティのオープン・カフェーにはウドンや寿司が置
いてあり、中華料理の油に参ったら、安く、日本食が食べられる。

このように香港は住みにくい。香港を住み易くするのは、中国本土
を民主化して、中国の広東省または広州市の全体を香港化して、香
港の地域を拡大するしかない。そうすると、住環境も良くなり、も
う少し多くの世界の企業が香港や広州・深川に投資をするはず。

今の香港では住環境が悪すぎるし、中国共産党の政策が大きく振れ
るので中国本土に投資ができない。中国の香港化がかかせない。
上海閥が青年団を打ち負かせて、分離独立をして沿海地域全体を香
港化すれば、一番、中国沿岸部の発展に大きな推進力になると思う
し、逆に香港も良くなると見える。中国沿岸部が拡大香港となるこ
とに等価なのでしょうね。そのように期待して、この紀行を締めた
い。

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