2334.香港事情1



5月の連休中に香港に行ってきました。    Fより

2002年にT君の紀行として、香港・深川事情がありますが、
今回、私FはT君の出張と違い、妻と二人きりの私的な海外観光旅
行をして来た。T君はビジネスクラスであるが、我々は貧乏人であ
るので、エコノミーでかつキャセイにした。5月の連休と1月の正
月休みしか纏まった休みが取れないために、どうしても、一番高い
ときに私的な旅行を計画するしかない。

キャセイで4時間で成田から香港に到着する。九龍半島のルネサン
ス・カオルーン・ホテルに宿泊した。コンラッド・ホテルのような
香港島の一流ホテルは私的旅行には高過ぎで手が出ない。

香港のガイドさん達は、5月の連休は掻き入れれ時で、市内観光は
60人乗りのバスが満席でした。ガイドさんが香港の歴史などを説
明するので、私Fには香港がよくわかった。生身の人間が味わう歴
史は壮絶で実感がある。

40才の男のガイドさんは、両親が共産党嫌いで、広州から香港に
逃げ出してきたが、母親も父親も混乱中に死んで、今は天涯孤独で
あるという。その後も中国共産党との動乱の時代が長くあったよう
だ。そして、香港には共産党が嫌いで逃げてきた人たちが多い。

この香港は貧富の差が激しいが、運がよければ成功も可能な土地で
ある。学閥や共産党員でないと人間でないということもない。運と
実力で金儲けができる。反日感情も中国とは違いほとんどない。そ
れはお金儲けの相手で、そのような政治的なことを考慮する余裕が
ないのでしょうね。

しかし、現在生活するには厳しい。東京の半分の面積に700万人
が住んでいる。そして、人口が増加している。このため、昔建てた
10F程度のアパートを土地がないので60階のアパートに立て替
えている。ほとんどの人がアパート暮らしで、持ち家は大金持ちし
かできない。

普通の夫婦で月に1人が20万円程度を稼いでも、15万円は
2LDKのアパートの家賃に消え、子供の世話や家事をフィリピン
から来た住み込みのメイドに任せ、そのメイドの給与は月5万円す
る。このため、ぎりぎりの生活しかできない。それなのに、家賃は
上昇の方向で推移している。

しかし、共産党のような言論や企業経営に口出しは中国に返還した
とはいえ、香港政庁はしない。英国統治時代と変わらない。このた
め、香港は地獄の沙汰も金次第という様相になっている。政庁の汚
職も増えているように感じる。

香港はアジアでは一番、女性の力が強い。これは英国の影響で、女
性が強いことと、2階建てバスがあること、英語教育をされること
が英国200年統治で得たことでしょうね。しかし、徐々に中国の
影響で北京語の教育も始まってきている。現在、香港は英語は通じ
るが、北京語は通じない。現地語は広東語ですので、北京語は教育
されないとできない。英国領時代は外国語としては英語しか教育さ
れなかったために、北京語は本当に一部の人しか話さなかった。

ビクトリア・ピークに行ったが、香港島を一望できるエリアのマン
ションの値段は2億円以上で、英国時代には中国人は住めなかった
ようである。しかし、山の上より高い80Fの貿易センタビルが目
の前にある。ビクトリア・ピークからの夜景は、今の時期はほとん
ど見えない。翌朝、ふたたび、行ったが朝の早い間は香港の風景が
見えたが、9時には霧が出て風景を隠してしまった。

ビクトリア・ピークまでのトラムに乗ったが、27度の勾配を上る
ので、ビルが斜めに見える。目の錯覚である。駅が3つあり、その
駅に止まっている時、シャッター・チャンスである。香港の風景が
きれいである。

1日の市内観光に行ったが、香港には普通の意味での観光としては
見るものがない。スタンレーや一番最大仏像がある仏教寺院でも
たいしたことはない。香港は観光で来るところではない。

スタンレーは雑貨の店が軒を並べている。しかし、幸福の花文字、
印鑑など中国に行くと薦められて、何個も買っているので、パスし
て、海岸の近くを歩いた。今の香港は湿度80%以上でムシムシし
た気候であるが、この海岸通りは海風が抜けて気持ちがいい。しか
し、その店群のオーナーはほとんど英国人ではないかと思う。その
下で中国人が働いている。英国人と思しき人が従業員に指示をして
いる。英国人が香港のいい場所を占めているように感じた。

寺院では、お金持ちに成れるという像に手を擦っていた。そこに長
い列ができている。道教寺院とどこが違うのか日本人には分からな
い。赤やピンクなどのけばけばしい寺院で、日本人には有難さを感
じさせない。少しも古びた感じがない。

やはり、香港はビジネスの町ですね。ネイザン通りを歩いても人の
波で大変であるが、アパートの小さい部屋にいるよりストアや道や
酒店で涼んでいた方がいいと皆、出てきているからのようである。
それも10F程度のアパートから多くの人が出てくるのでそう見え
るのでしょうね。

日本の観光客と一緒に1日は行動したが、日本語のガイドさんとい
ると、日本文化の中にいるために外国のような気がしない。日本語
のガイドさんたちは日本に何遍も来て、日本文化をよく知っている。
このため、日本の延長上で行動している。非常に楽ではあるが、外
国に来た印象が薄くなるので、後は夫婦2人で行動をした。

2人になると多くの失敗をするがそれもよい思い出である。喫茶店
で17Hドルのラーメンを食べたが、インスタントのような感じで食
べられなかった。フルーツも毎回、珍しいものを八百屋で買いホテ
ルに持ち帰るが、期待値通りの事は少ないですね。明日はガイドブ
ックを見て行動することにした。

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