2328.中国の資源外交と米国



中国の資源外交が地球規模で行われて、米国が困惑。 Fより

中国は、米国がイラクやイランとの紛争に手を取られている間に、
石油資源を世界的に押さえようとして外交努力をしている。胡主席
は、米国訪問後、サウジ・ナイジェリアなど中東・アフリカを回っ
て、中国に帰還する。

この胡主席の訪問先が石油利権がらみであり、中国の製品の輸出先
でもある。中国の製品は安いことで中東やアフリカ諸国に販路を開
いている。この地域は発展途上国であり、かつ石油資源の輸入先で
もあり、胡主席は経済援助などの見返りで石油資源の利権を確保す
る方向で交渉をし、成功している。

そして、中南米にも中国は手を伸ばしている。キューバのカストロ
、ベネズエラのチャベス、アルゼンチンのキルチネル、ボリビアの
モラレスなどの反米政権を支援をしている。特に米国にとって問題
があるのが、ベネズエラのチャベスで、ベネズエラから米国の国内
石油消費量の15%程度を輸入している。しかし、チャベス大統領
は米国への石油輸出を禁止する可能性が出てきて、米国もその黒幕
の中国と定期協議をすることにした。

この地域を米州自由貿易地域(FTAA)にする計画を米国は持っ
ているが、反米諸国で作る南米南部共同市場(メルコスル)が力を
持ってきている。今回、ベネズエラのチャベスはメルコスルに参加
して、親米的なアンデス共同体から脱退する。このように米国は自
分の裏庭で、離反が起こっている。

しかし、イラク紛争とイラン核問題で、現時点対処できない状態に
あり、その対応は中国の支援を止めさせることでしょうが、中国は
米国の状態を知っているために、反対に反米諸国を支援するという
攻勢に出ている。中国は上海機構にイランなどを入れたことでも分
かる。

中国と違ってロシアはイランにミサイルを売り、かつイスラエルの
イラン核基地監視用衛星を打ち上げるというように、ロシアは商売
であれば何でもする。

反対に、イスラエルはロシアに航空機搭載の最新鋭のレーダーなど
を売っている。この2ケ国は軍事技術で助け合っている。ロシアか
らのユダヤ人も多く、ロシア中枢部とはパイプが繋がっている。イ
ランに売ったロシアのミサイルをイスラエルも買って試験をしてい
るはず。

米国は中国と熱い戦争はできないが、経済的な締め付けや法輪功を
通じた中国内部での反乱や経済的な不満を煽る方向で内乱を志向し
ているし、北朝鮮への金融制裁の範囲を広げて、中国の銀行も対象
にする可能性が高い。もう1つが中国の元を大幅切り上げにさせて
中国の魅力を喪失させる手に出る可能性もある。米国企業が徐々に
投資を差し控えている。これはどうも中国撤退の方向に舵を切った
ように感じる。日本企業の皆様もどうか追加の投資をしないように
してくださいね。なるべく早く投資の回収をしてください。

中国も米国と喧嘩はできないが、米国の隙を見て中国の権益をどん
どん増やしていっている。そして、どちらかが耐えられなくなるま
で、米中は陰謀合戦をするようである。日本もEUも米中の陰謀合
戦を見ているしかない。ロシア・イスラエルは陰謀合戦でどう商売
ができるかを見ている。イスラエルはイラン核問題でも米国が攻撃
をしないなら、自分がすると公言している。その攻撃準備はしてい
る。

どうも、欧米に気を使って、日本は世界的な広がりを持って資源獲
得活動をしていない。そういう意味ではおとなしい。それに比べて
中国はどんどん獲得する肉食恐竜であり、欧米も肉食である。この
肉食恐竜たちがお互いに共食いをするのを草食恐竜の日本は陰に隠
れてびくびくしながら見ているような感じがする。そして、最後に
残るのは草食恐竜しかないような気がする。別の言い方をすると、
日本は包み込む母性国家で、他の国は攻撃的な父性国家なのでしょ
うね。

さあ、どうなりますか??
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米中、中南米巡る定期協議開始で合意
(nikkei)
 【ワシントン=加藤秀央】米国務省のシャノン次官補(西半球担
当)は26日、日本経済新聞の取材に対し、中国との間で中南米のエ
ネルギー開発や政治情勢の安定化を巡る定期協議を発足させると明
らかにした。2国間以外の地域情勢について両国が設立する初の定期
対話となる。

 同次官補は今月中旬に訪中し、中国外務省の曽鋼・中南米局長と
会談、今後も協議を年に1度続けることで合意した。同次官補は「お
互いが中南米に求める国益について頻繁に対話を重ねるのが狙い」
と指摘。今回の協議では、資源開発や外交関係の分野で将来の政策
協調につながる議論を展開したことを明らかにした。 (07:01) 
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中国、アフリカでも資源外交 ナイジェリアなどに新利権(ASAHI)
2006年04月24日20時38分

 米国、サウジアラビア訪問を終えた胡主席は24日から、アフリ
カ3カ国を歴訪する。アフリカ訪問は主席就任後2度目で、中国が
石油資源を開発するナイジェリア、ケニア両国と、中国製品の市場
開拓を狙うモロッコを訪れる。 

 資源外交に力を注ぐ中国は、アフリカ最大の産油国ナイジェリア
との関係を重視する。欧米の国際石油資本(メジャー)が軒並み進
出する同国南部の油田地帯で、中国海洋石油(CNOOC)の香港
法人が今年1月、海底油田の開発権を約23億ドルで獲得した。 

 中国政府は3月、この見返りとして、ナイジェリアの衛星打ち上
げ計画に、2億ドル(約230億円)を融資することに合意。鉄道
の再建などの社会基盤整備にも資金を提供するとみられている。 

 現在は産油国ではないケニアでも、中国は石油開発に着手する。
地元紙によると、CNOOCが沿岸部での海底油田開発でケニア政
府と合意し、今年9月にも調査を開始するという。 
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中国・サウジ首脳、原油貿易の拡大で合意
(nikkei)
 【北京=宮沢徹】23日の中国中央テレビなどによると、サウジア
ラビアを訪問中の胡錦濤・中国国家主席はアブドラ・サウジ国王と
の会談で原油貿易の拡大などで合意した。さらに胡主席は「我々は
中東・湾岸地域情勢を注視し、地域の平和と発展に努力している」
と表明。世界最大の産油国であるサウジとエネルギー分野で関係を
強化する一方、中東地域の安定化でも協力していく立場を明らかに
した。

 両首脳は22日、リヤドで会談。席上、胡主席が(1)両国間の企業投
資拡大(2)原油貿易を拡大して石油備蓄や製油、石油化学、石油販売
などで協力を模索(3)両国間の貿易を拡大し、中国と湾岸協力会議
(GCC)との自由貿易協定(FTA)交渉を急ぐ――などの5項
目を提案。アブドラ国王も同意した。さらにパレスチナやイラクな
ど中東情勢について意見を交換。胡主席は「サウジとの協調を通じ
て、地域の安定・発展を促進したい」と述べ、対話を通じて中東の
安定化に貢献していく意向を示した。アブドラ国王は中国が中東で
引き続き積極的な役割を果たすよう求めた。 (21:27) 
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アンデス共同体、ベネズエラが脱退・親米加盟国に反発
(nikkei)
 【リオデジャネイロ=共同】ベネズエラの反米左翼、チャベス大
統領は23日、アンデス諸国の経済・社会統合を目指すアンデス共同
体から脱退すると表明した。加盟国の中で親米政権のペルーとコロ
ンビアが最近、相次ぎ米国との自由貿易協定(FTA)締結で合意
したことに反発した。

 チャベス政権は、米国主導の貿易自由化に消極的なブラジルなど4
カ国で構成する関税同盟、南米南部共同市場(メルコスル)に加盟
申請し、昨年12月に承認された。対米関係をめぐり、南米諸国間の
亀裂が明確になりつつある。

 チャベス大統領は国営テレビで、ペルー、コロンビアと米国の
FTAにより「アンデス共同体は死んだ」と述べ、両加盟国を批判
。このままでは両国を通じ、補助金を得て生産される米国の農産品
がベネズエラにあふれると指摘し、国内産業を守るために脱退する
と説明した。

 南米では近年、米国に批判的な左派系政権が増えており、米国主
導の米州自由貿易地域(FTAA)構想の実現を目指す交渉はメル
コスルの抵抗で暗礁に乗り上げている。 (01:55) 


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