2316.イラン戦争と日本



イランが核濃縮技術を獲得して、濃縮ウランを手に入れた。今後の
検討。                   Fより

イランが濃縮ウランを手に入れ、核クラブに加入するとイランのラ
フサンジャニ師が明言した。これに対して、米国ライスは「強い措
置」必要と対応しているが、ロシアと中国の反対で国連安保理での
制裁決議は難しいようである。しかし、その調整を日米欧ロ中がモ
スクワに集まり協議することにしている。

イランの濃縮ウラン製造に中国も懸念を表明しているし、IAEA
のエルバラダイ事務局長はイランに行って、実情を調査して安保理
に報告する義務がある。しかし、イランは核開発を公然と行ってい
るために、イラク戦争反対であったエルバラダイ事務局長も、イラ
ンに対しては制裁を安保理に要求することになる。

そして、イラン核問題で制裁を強く押しているのが仏シラク大統領
であり、欧州は制裁に賛成している。これがイラク・フセイン戦争
反対であった欧州とは違う。フセインが大量破壊兵器を持っている
と米英は主張したが、その後欧州が主張していた不保持が正しかっ
た。しかし、今回はイランは核兵器を持つ意図をある程度、明確に
している。

このイランの核武装で大きな圧力を受けるのが、スンニ派諸国とイ
スラエルであり、イスラエルは単独でもイランの核開発拠点である
中部ナタンズを核攻撃すると明言していた。これに対して、米国が
イスラエルの攻撃はこの地域での核戦争に発展する可能性があり、
欧米が介入して、イランの核開発を中止させ、イスラエルの攻撃を
させないようとしている。

しかし、ここで米国国内のミアシャイマーなどのリアリストたちが
、イスラエルのために米国が中東石油諸国と戦争すると、イスラム
教圏全体に、反米感情が蔓延して米国の衰退を招くと警告した。

しかし、米タカ派はイスラエルとの一体性を重視して、核兵器を用
いてもイランとの戦いに出ようとしている。その強硬論の中心的な
人がラムズフェルド米国防長官である。イラクのシーア派も敵に回
すために在イラク米軍の孤立化が明確になり、戦争の主導権を手放
すことになると軍幹部は心配している。軍首脳の一部は抗議のため
に辞任をし始めている。

しかし、日本の外務省などは、このイラン戦争を米国とイランの戦
争で日本には関係ないと見ているように感じる。日本の消費する石
油の75%以上がホルムズ海峡を通って日本に来る。この石油が来
なかったら、日本の経済は大混乱になる。やっと景気が回復してき
たのに、このイラン戦争で景気は大きく沈むことになる。

そして、イランはその石油の大動脈のホルムズ海峡を封鎖すると明
言している。日本の外務省などがもう少し、まともであれば、中国
への敵視ではなくて、今の時点ではイランの友好国である中国にも
イランへの説得をお願いし、日本もイランへの外交努力をすること
であるはず。

小泉首相も靖国参拝は当分しないことを約束するべきである。それ
と中東の石油の代替処置を講じることが必要である。それはロシア
との友好関係を促進して、ロシアの石油を大量に日本に持ってくる
ことである。それとサウジアラビアのジッタへの石油パイプライン
の増強と、UAE、クウィートの石油をジッタまで運ぶルートを国
際共同で推進することでしょうね。

そして、イラン戦争に日米同盟の関係で参加することになる。勿論
最初の戦闘に参加することは日本国憲法がありできないが、機雷の
除去、サウジなど紛争地域周辺の警備などに駆り出されることにな
る。この参加に必要な法律面でも準備や計画を防衛庁に指示してい
るのか心配である。

戦争にならないまでもいろいろなオプションがあり、それに外務省
、政府首脳は協議して、適切な準備をすることであると考えられる
が、どうもその様子がない。これが日本の弱点でしょうね。もし、
準備しているなら、その報道をするべきでしょうね。国民を安心さ
せることになるし、国民サイドでの準備を促すことになる。
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「強い措置」必要と米長官 制裁論議の意向示唆か

 【ワシントン12日共同】ライス米国務長官は12日、イランが
原発用の核燃料にもなる低濃縮ウランの製造に成功したと発表した
ことを受け、国連安全保障理事会が「強い措置」を取る必要がある
と言明した。国務省で記者団に語った。
 長官は具体的な措置には言及しなかったが「行動の時だ」と強調
、対イラン制裁を含む強制措置の発動へ向けて議論を本格化させる
意向を示唆した。
 ブッシュ大統領は10日の講演でも、イランが核兵器開発につな
がる技術を取得することに強い警戒感を示しており、長官の発言は
ブッシュ政権が今後、強硬姿勢に転じる可能性を示している。
(共同通信) - 4月13日1時29分更新
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国防長官に強まる辞任要求 元米軍幹部から不満噴出

 【ワシントン13日共同】イラク情勢の混迷が続く中、ラムズフ
ェルド米国防長官が主導したイラク戦争は「不必要だった」(ニュ
ーボールド元海兵隊中将)などとして辞任を求める声が、退役した
米軍幹部などから相次いでいる。
 開戦から3年が経過しても、米軍撤退の見通しが依然立たない現
状に不満が噴出した格好。ブッシュ大統領の支持率も過去最低水準
になっており、失策続きでプラス材料に乏しい米政権に対する逆風
は強まる一方だ。
 イラクに駐留した米陸軍第1歩兵師団司令官を務めたバティスト
元少将は、12日放映の米CNNテレビのインタビューで「国防総
省にはチームワークを理解しているリーダーが必要だ」と述べ、ラ
ムズフェルド国防長官の強引な手法を批判。
(共同通信) - 4月13日16時59分更新
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イラン核問題、日米欧ロ中が来週モスクワで次官級協議
(nikkei)
 【ワシントン=加藤秀央】イランの核開発問題を巡り、日米欧ロ
シアや中国が来週、モスクワで対応策を協議する見通しとなった。
「ウラン濃縮に成功」とイランが発表して以降、主要国が初めて意
見を交わす場となる。イランへの制裁を含め、外交圧力の強化に関
する米欧と中ロの駆け引きが本格化する。

 モスクワでは来週、7月の主要国首脳会議(サンクトペテルブルク
・サミット)の準備のための次官級会合が予定されている。米国務
省のマコーマック報道官は、バーンズ国務次官(政治担当)がこの
場でイラン情勢を取り上げると明らかにした。

 これと並行し、米英仏中ロにドイツを加えた「安保理常任理事国
プラス1」の次官級協議も18日にモスクワで開く見通し。中国の王
光亜国連大使が明らかにした。

 「常任理プラス1」はイラン問題の安保理議長声明を採択に導い
た外交交渉の主要な枠組みで、今回もこの6カ国の協議を軸に議論が
進むとみられる。米欧が制裁を巡りロシアと中国をどこまで説得で
きるかが焦点となる。 (13:23) 
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エルバラダイ事務局長、イラン高官と会談(ASAHI)
2006年04月13日19時21分

 国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は13日、
核問題協議のためテヘラン入りした。国営テレビによると、同日午
後、アガザデ原子力庁長官と協議した。続いて核交渉の責任者ラリ
ジャニ最高安全保障委員会事務局長とも会う予定。エルバラダイ事
務局長はイラン側にウラン濃縮停止を求める考えだが、核問題で強
硬姿勢を貫くアフマディネジャド大統領との会談予定はなく、説得
は難航しそうだ。 

 イランは、11日に低濃度の濃縮ウラン製造に成功したと宣言し
たばかりだ。 

 アガザデ長官は、同事務局長と会談後、国営テレビに対し、「核
をめぐるさまざまな分野で真剣な議論をした。同時にIAEAの姿
勢に対して、我々の意見を述べた」とのみ答えた。 

 ファルス通信によると、アフマディネジャド大統領は地方遊説先
の北東部ホラサン州で12日夜、「今後は我々は核技術の保有国と
して対外交渉に臨む。交渉には賛成だが、妥協できない線がある」
と述べ、ウラン濃縮停止の要求には応じない姿勢を示した。 

 同事務局長は、ウラン濃縮を含む核関連活動の停止を求めた3月
29日の国連安全保障理事会議長声明に基づき、28日までに安保
理にイランの核活動に関し報告する義務がある。
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イランが濃縮ウラン製造 ラフサンジャニ師が明言(ASAHI)
2006年04月12日01時50分

 イランのラフサンジャニ最高評議会議長は11日、国営クウェー
ト通信に対し、中部ナタンズのウラン濃縮施設で、濃縮ウランの製
造を開始したと述べた。設置済みの遠心分離器を稼働させた小規模
のものだが、国連安全保障理事会が議長声明でウラン濃縮を含む核
関連活動の全面停止を求めるなか、イランの核開発に反対する米欧
の反発を改めて呼びそうだ。 

 またAFP通信によると、同国のアフマディネジャド大統領は同
日、同国北東部の遊説先で「イランはまもなく核技術を持った国の
クラブに仲間入りする」と述べた。 

 元大統領のラフサンジャニ師は、イスラム体制内で最高指導者ハ
メネイ師に次ぐ地位を占める実力者。ラフサンジャニ師は「164
基の遠心分離器を稼働させ、(六フッ化ウラン)ガスを注入し、生
産物を得た」と述べた。産業規模の生産量を得るには今後、164
基を1単位として、その数十倍の規模に生産活動を広げる必要があ
るとしている。 
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イラン国防相、周辺アラブ諸国に不可侵条約提案
(nikkei)
 【バーレーン=加賀谷和樹】イランのナジャル国防軍需相は周辺
のアラブ諸国に、不可侵条約の締結と合同軍事演習の実施を提案し
た。11日付のイラン各紙が報じた。イスラム教シーア派の保守強硬
派が台頭するイランを警戒するスンニ派アラブ諸国との緊張緩和を
演出し、イラン核施設攻撃を検討中と報じられた米軍へのスンニ派
諸国の協力を阻む狙いとみられる。

 国防軍需相は「(スンニ派諸国と)友好の印として不可侵条約を
結ぶ用意がある」と述べ、「地域諸国と合同で軍事演習を実施して
もよい」と表明した。イランは南部のホルムズ海峡で3月末から4
月上旬にかけ大規模な軍事演習を実施し、サウジアラビアやエジプ
トなどスンニ派諸国はイランの軍事的膨張への懸念を強めている。
 (20:00)
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米・イラン協議を延期・駐イラク米大使
(nikkei)
 【ワシントン=小竹洋之】米国のハリルザド駐イラク大使は9日、
米FOXテレビに出演し、イラク情勢を巡る米国とイランの直接協
議の開催を「イラクの本格政権樹立までは見合わせる」と述べた。

 米政府はイラクの民主化進展や武装勢力の掃討にイランの協力が
欠かせないと判断し、イラン政府高官と接触する権限を同大使に与
えた。同大使は「米国がイラク本格政権の行方を決めるためにイラ
ンと協議するという印象を与えたくない」と語り、イラク国民の判
断に影響を与えないようにするために開催を延期する考えを示した。 
(09:42) 
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イラン空爆計画 「すでに米部隊が潜入」 米誌報道(産経)

 【ワシントン=有元隆志】米誌ニューヨーカー(電子版)は八日
、核開発疑惑のあるイランに対し、米軍が空爆計画を急いでおり、
すでに攻撃に備え部隊をイラン国内に潜入させていると報じた。

 潜入した部隊は、空爆の精度を高めるため情報収集活動をしてい
るという。攻撃目標としては、ウラン濃縮関連活動を行っている中
部ナタンツなどが挙がっており、同誌は地中貫通型核B61−11
の使用も検討されているとしている。

 ただ、イランは米軍の攻撃に備え、核施設を地下に建設している
ほか、国内各地に分散させているなど攻撃目標を絞りにくいとの問
題点がある。さらに、米軍が攻撃に踏み切った場合、世界各地で米
国民や米関連施設へのテロ攻撃が行われるとの見方も強い。

 このため、同誌も政権内で空爆に対する反対論が根強く、なかで
も核攻撃を行うことについては、統合参謀本部の一部の高官が辞任
も検討するなど、意見が分かれていると伝えた。
(04/09 08:27)

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