2312.イラン攻撃とその後



昨日はイラクの紛争拡大でしたので、今日はイラン攻撃を検討する。
                   Fより

米国のイラン攻撃に対するイランの対米攻撃を考えないとおかしい。
イランはシーア派の盟主であり、世界のシーア派を助けているし、
シリア・レバノンのシーア派であるビスボラを使って、世界的なテ
ロ活動もしている。こちらは、アルカイダと違って、世界にイラン
という国家が支援して送り出している。国家が軍事教練をしている
ので、その技術も確かである。

もう1つ、ウクライナに配備されていた核弾頭250発が行方不明
になっている問題について、一部が搭載用の巡航ミサイルとともに
核武装化を追求していると指摘されるイランへ密売された疑いがあ
るという。この核が使われることになりそうである。

このように米国のイラン攻撃は、世界的なテロ、特に米国でのテロ
とイスラエルや周辺諸国への核攻撃をイランが行う可能性がある。

それと、ペルシャ湾、特にホルムズ海峡で他国船籍のタンカー攻撃
を行い、サウジやクウィート、UAEなどからの石油の積み出しが
できない状況にする可能性が大である。こちらのほうが世界経済に
対する影響が大きいと思う。

サウジの石油はパイプラインでジッタへ送り、そこで積む事ができ
るが、UAE、クウィート、バーレーンなどは、無理である。イラ
ンの石油以外にも、この地域の石油が来ないことを想定する必要が
ある。

日本はロシアとの友好関係を保留したために、ロシアとのパイプラ
インができていない。代替処置であるロシアの石油の量が確保でき
ない。このため、石油価格が大幅に上昇することを覚悟し、かつ量
的な不足をどうするか検討する必要がある。

セイモア・ハーシュ記者によると、ブッシュ政権は現にイラン攻撃
を最終決定しているようだ。イランのアハマディネジャド大統領を
ヒットラーと同程度の危険な人物と見なし、イランの政治体制を変
更させるためにも戦争をする必要があるとしている。

このため、在イラク米軍は、イラクのシーア派地域で育成したイラ
ク軍を信用しないで、要警戒地域にしている。しかし、このままで
あると、比較的治安がいいイラク南部も大変なことになるでしょう
ね。イラク軍の主体はシーア派であり、このイラク軍が信用できた
事態になっている。米軍を大幅増強しないと、この事態に対応でき
ないことになる。

イラクのシーア派は、対米戦争ではイランに着くことになり、イラ
ク南部にいる米英軍はシーア派のテロ活動に会うことになる。日本
の自衛隊も例外ではなく、攻撃に晒されることになる。イランはイ
ラクで米軍を叩くために正規軍がイラク・シーア派地域で活動する
ことになる。在イラク米軍はイランとイラク・シーア派、そして、
スンニ派のテロ組織を相手にすることになる。

反対に米国はイランのクルド人地域に特殊部隊を投入している。そ
して、イスラエルを今後のイラン戦争でも参加させないでしょうね。
シーア派対スンニ派の戦いにするためで、イスラエルの参加はアラ
ブ対イスラエルの戦争に変質してしまうためである。

どうも、全体の流れはハルマゲドンを見る事になりそうですね。
中東地域が核の汚染で当分、近づけなくなるような気がする。
イスラエルのアローミサイルが核ミサイル防衛でどこまで有効か、
分かることになりそうですね。
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イラン 核施設攻撃なら米報復テロ

 二日付の米紙ワシントン・ポストは、イランが米国から核施設を
攻撃された場合、米本土をはじめ世界各地で報復テロを行う恐れが
あるとの米情報当局者らの分析を伝えた。それによると、イランは
自国の情報員やレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラを使い
、隣国イラクで駐留米軍への攻撃を増加させるほか、米本土、欧州
などで一般市民を巻き込んだテロを起こす可能性があるという。
 あるテロ専門家は、これらの要員たちは、二〇〇一年九月に米中
枢同時テロを起こした国際テロ組織アルカーイダのメンバーたちよ
りも、「組織化され、訓練もよく受け、装備も優れている」と指摘
した。(ワシントン 有元隆志)
(産経新聞) - 4月4日2時53分更新
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ウクライナ配備の核弾頭250発不明、イランへ密売か
 【モスクワ=古本朗】ロシアの著名な軍事専門家パーベル・フェ
ルゲンガウエル氏は3日付露紙「ノバヤ・ガゼタ」で、ソ連崩壊直
後までウクライナに配備されていた核弾頭250発が行方不明にな
っている問題について、一部が搭載用の巡航ミサイルとともに核武
装化を追求していると指摘されるイランへ密売された疑いを提起し
た。

 ウクライナは1991年のソ連崩壊後、非核兵器国の立場を受け
入れ、領内配備の核弾頭をロシアへ引き渡した。だが、ウクライナ
議会の報告によると、露側が「受け取った」核弾頭の数は、ウクラ
イナが「引き渡した」数より250発も少ないことが判明。同氏は
「数の食い違いについて何ら明確な説明がなされていない」と警鐘
を鳴らす。

 同氏はさらに、昨年、ウクライナの検事総長が、旧ソ連製巡航ミ
サイルX55(射程3000キロ・メートル)18基が2001年
に同国からイランと中国へ密売されたと英紙「フィナンシャル・タ
イムズ」に認めた点を指摘、同ミサイルが専用核弾頭とともにイラ
ンへ流れた疑惑を提起している。
(2006年4月3日22時53分 読売新聞)
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イラン核問題で米国務長官「外交解決は可能」
(nikkei)
 【ロンドン=横田一成】訪英中のライス米国務長官は31日、中部
ブラックバーンで講演した。長官は講演後の質疑応答でイランの核
開発問題に触れ、「イラン政府は国際社会の要求を受け入れてウラ
ン濃縮活動を停止するか、さらに孤立するかの二者択一しかない」
と指摘した。一方、同問題は「外交解決が可能」と述べ、武力行使
は検討していないと明言した。

 講演ではグアンタナモにある米軍のテロ容疑者収容施設に関連し
て、「収容者が釈放された後、再び我々と対峙(たいじ)すること
は避けなければならない」と述べ、国連や欧州から出ている閉鎖要
求に応じない考えを繰り返した。

 ブラックバーン地区は英国で3番目にイスラム教徒が多い地区で、
ライス長官の訪問先ではイラクでの米軍駐留に反対するデモが続い
たが、長官は「抗議の声を上げることができるのは民主主義の権利
だ」と述べた。 (07:00) 
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ブッシュ政権、イランへの核攻撃を検討か=米誌報道 〔AFP=時事〕

【ワシントン7日】米誌ニューヨーカー最新号は、ブッシュ米政権
がイランの核開発を阻止するため、同国への大規模な爆撃作戦の立
案を進めており、「バンカーバスター」と呼ばれる地中貫通型の核
兵器を使用する選択肢もこの中に含まれていると報じた。

この記事は調査報道で名高いセイモア・ハーシュ記者が、米情報機
関元高官や国防総省顧問らの話を基に執筆した。

それによると、ブッシュ大統領と政権幹部はイランのアハマディネ
ジャド大統領を「アドルフ・ヒトラー型」の危険性を秘めた指導者
とみなすようになっており、問題を解決するためには、「イランの
権力構造を変えること、つまり戦争」しかないとの判断を固めてい
るという。

同誌によれば、ブッシュ大統領は最近、対イラン作戦をめぐって上
・下院の数人の議員との協議をひそかに開始。この中で、イラン中
部ナタンツにあるウラン濃縮施設を完全に破壊するため、「B61
−11」などのバンカーバスター型の戦術核兵器の使用も選択肢と
して検討している。

しかし、核使用には軍内部でも強い抵抗があり、一部の高級将校が
作戦立案から核の選択肢を排除しようとして失敗し、辞職を検討し
ているという。

同誌によれば、匿名で取材に応じた国防総省顧問は、イランへの爆
撃は世界中で米施設や米国人に対する攻撃の連鎖反応を誘発する恐
れが強いと警告、特にイラクは「(比較的平穏な)南部がろうそく
のように燃え上がるだろう」と語った。〔AFP=時事〕

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