2311.イラン核問題がイラク紛争激化へ



イラク・シーア派を米国は敵にし始めた。
                           Fより

米国のイラク対応が変化している。シーア派地域のイラク軍や警察
から、銃器が回収され始めているようだ。そして、米軍が南部に展
開し始めている。米国は今までイラク・シーア派の味方で、スンニ
派を潰してきた。ここへ来て、イランとの間で問題が起きているた
めに、米国はシーア派からスンニ派に乗り換え始めたようである。

しかし、米国がどう戦略を変更しても、イラク・スンニ派は米軍に
対抗するし、イラク・シーア派を今後、敵にすると攻撃してくるし
、在イラク米軍は大変なことになる。そして、イラク・シーア派が
米軍に迫害されると、イラン軍の介入がある。今でもイランの特殊
部隊がイラクのシーア派民兵組織に混入しているが、米軍に対抗す
るために、より重火器を持ったイラン軍が本格介入する可能性があ
る。米国もイラン軍の介入を待ち望んでいる。イラン攻撃の材料に
なる。そして、シーア派最高指導者のシスタニ師が「米軍がイラン
を攻撃したら対米聖戦を訴える」とのファトワを密かに発布したと
いう。

このようなシーア派からスンニ派への乗り換えのため、イラク政府
首相をシーア派のジャファリ現首相ではなくて、スンニ派で親米的
なチャラビやアラーウイを首相にしたい意向である。この工作の完
成を見るために、ライス国務長官と英ストロー外相は突如、バクダ
ットに行くことになる。

ここで、親米派のクルド人政治組織とスンニ派政治組織を結んで、
チャラビかアラーウイを首相にする協定を結んだはずである。これ
で、再度シーア派は多数派ではあるが、政権中核部に加われないこ
とになったようである。イラク議会でシーア派が60%以上占める
はずが、40%になっていた。このように選挙結果もおかしかった
が、その意図が米国にあったことが明確になっている。ここで分か
ることが、もう1つある。

イラク情勢をコントロールしているのは、ラムズフェルドではなく
て、今やライスになっている。ライスはラムズフェルドをトップに
する国防総省の今までの戦術を失敗と規定している。これはブッシ
ュも同意しているから言えるし、ライスはリアリズムの原理で行動
し始めている。大幅にイラクの戦術を変更している。
やっと、これで腸ねん転のような状態を脱した。これで、中東全域
でスンニ派を米国は味方して、シーア派を押さえることになる。

中東の民主化を米国は言わなくなる。石油地域はシーア派が多い。
このシーア派をスンニ派の王様が統治している。この構造を壊そう
としていたのが、ラムズフェルドなどのネオコンたちであるが、そ
れでは米国の石油支配にとっては、地域が混乱して大きな問題であ
る。やっと、そのネオコンが定義した構造を打破することができた。
元の状態に戻したことになる。リアリストたちが心配した状態にな
り、やっと共和党中核メンバーがネオコンと福音派から脱して、リ
アリストの政策に復帰する方向になったようである。

このため、ブッシュの支持率は福音派などの宗教右派でも支持率が
低下している。しかし、今はリアリズムの政策を実行しないと、理
念ではイラン・イラク問題が解決できない。

さあ、どうなりますか??
2295.イラン戦争開始=ハルマゲドンの開始
http://fuku41.hp.infoseek.co.jp/k8/180321.htm
==============================
「イラン攻撃なら対米聖戦を」シスタニ師が密かにファトワ発布か
(日刊ベリタ)

イラク情勢をめぐり米国との協議を控えるイランは、米国からの攻
撃に備えて着々と手を打っている。イラク占領直前には米軍に協力
をしたシーア派最高権威のシスタニ師が「米軍がイランを攻撃した
ら対米聖戦を訴える」とのファトワを密かに発布したという。2日
付のイスラム・メモが報じた。(日刊ベリタ=齊藤力二朗) 
==============================
ラムズフェル怒!ライス「誤り」発言に激ギレ痛烈批判 

 「彼女が何を言っているのか、はっきり言って全く分からない」
。ラムズフェルド米国防長官が、イラク戦争での「誤り」を認めた
ライス国務長官の発言にかみついたことが6日分かり、開戦をめぐ
って対立した国防総省と国務省の争い再燃かと話題になっている。

 ライス氏は3月31日、訪問先の英国で、イラク戦争には「多く
の戦術的誤りがあった」と述べ、物議を醸した。

 米地方ラジオ局とのインタビューで、ライス氏の発言への感想を
求められたラムズフェルド氏は「敵はこちらが何をするかを見て、
それに対応する。こちらもそれに伴って、戦術を絶えず変えなけれ
ばならない。もしこれを戦術的誤りと言う者がいれば、戦争とは何
かについての理解が不足していると思う」と痛烈な批判を浴びせた。

 ラムズフェルド氏は2003年のイラク戦争開戦時、外交解決を
模索していた当時のパウエル国務長官と鋭く対立した。(共同)

ZAKZAK 2006/04/07
==============================
No.334「イラク・シーア派がアメリカの敵になる?」2006年04月07日

 いま、イラク南部のシーア派居住地域で、不思議な現象が起こり
始めている。この地域に展開するイラク軍や警察から、銃器が回収
され始めているとイラクの友人が伝えてきた。

 アメリカ軍は一日も早くイラクの軍や警察に、イラク国内の治安
を任せたいところなのだが、何故このような現象が起こっているの
だろうか。このことに加え、イラク南部にアメリカ軍が展開し始め
てもいる。この結果、イラク南部のシーア派住民の間には、異様な
緊張状態が生まれているのだ。

 このことに加え、アメリカ政府は何とかして、ジャアファリ首相
を引き摺り下ろし、アメリカの息のかかったチャラビやアラーウイ
を、首相職に再登場させる方法を模索し始めているようだ。

 イラクのスンニー派の幹部の中から、組閣問題、首相職について
楽観論が2−3週間前から出始めていたが、そのことはアメリカと
スンニー派幹部の間で、何らかの取引が始まったためであろうと推
測していた。

 ここに来て露骨なジャアファリ降ろしが始まったことは、アメリ
カの瀬踏みが終わったということであろう。

 こうしたアメリカの動きに対し、イラク南部95パーセントのシ
ーア派住民が反発しており、今後アメリカが強引にジャアファリ降
ろしを進めようとすれば、暴発することがほぼ確実であろう。

 何故アメリカはこのような、危険なことを行おうというのだろう
か。そこには明確な動機が無ければなるまい。それは、実はイラク
国内問題からではなく、イランに対応する陽動作戦の一部ではない
のか。

 イラクのシーア派が蜂起し、アメリカ軍と武力衝突を起こし、相
当の犠牲者を生み出した場合、もしイランが何の手だても出来ず、
手をこまねいていた場合、イラクのシーア派とイランとの関係は、
完全に冷却化しよう。

 イラクのシーア派の聖地ナジャフとカルバラに対する破壊活動が
、この戦闘の中で起こった場合、イランはどう対応するのか。

 もし、イランが何もしなければ、シーア派の聖地をイランはコム
にするためにナジャフとカルバラを犠牲にし、見殺しにした、とイ
ラクのシーア派住民からは非難されよう。つまり、イランが動かな
ければ、アメリカがイランとイラクのシーア派を分断することが出
来るということになる。

 イランがもし軍を動かして、イラク・シーア派とアメリカ軍との
衝突に参戦することになれば、アメリカはそれを口実に、イランに
対する軍事行動を起こそう。

 そのいずれの場合でも、サマーワに駐留する自衛隊員は危険にさ
らされるということだ。次善の対応策はあるのか。その前にこの情
報を日本は掴んでいるのか。

コラム目次に戻る
トップページに戻る