2310.日本人の特徴



息子からの質問を受けた。その答えが日本人の特徴になっている。
                        Fより

息子Q:日本の景気は上昇しているが、どこまで持つのか?

回答F:日本の景気はやっと、元の状態になっただけで景気がいい
という状況ではない。日銀もやっと、異常な量的緩和を解除した段
階であり、0%金利のままであることでも分かる。

80年代、日本が世界の工場であったが、90年代に中国が日本に
取って代わって世界の工場になった。90年以降のバブル崩壊は土
地のバブル崩壊と、日本が世界の工場としての地位を失ったことと、
米国のデジタル革命で日本が得意としたアナログ機器を駆逐したと
いう3つの要因が重なって起こったことである。

このため、人員の整理をする必要が起き、かつ工場等の資産価値が
無くなり金融貸し出しの担保能力が無くなり、米国のデジタル機器
が出てきて製品の魅力がなくなるという3重苦に苦しまされた。
やっと、日本がこの3重苦を乗り越えた状態になってきたのが今で
ある。まだまだ、日本の景気回復・上昇は続くことになる。

どうしてかというと、日本メーカの工場を中国に立てたが、技術を
盗まれて中国国内のメーカが良く似た製品を低価格で出されるため
に、日本のメーカも重要な製品・キーデバイスは日本で作る方向に
なっている。

もう1つ、中国では作れない高度な部品が多数ある。この部品類は
高度な技術が必要で、かつそのノウハウを守るために日本の工場で
しか作らない。このため、日本製の製品は少なくなったが、外国製
の製品の中身を見ると日本の部品が多数ある。たとえば、ノキアの
携帯電話の中身を見ると50%程度が日本の部品である。液晶テレ
ビもキー部品は日本であり、韓国は日本からの輸入が多くて、日本
に対しては輸入超過になっている。中国の状況は同じで、日本と経
済的なトラブルを起こすことができない。


息子Q:どうして、日本は部品レベルで強いのですか?

回答F:日本人は組織で行動する。会社の中でベストを尽くす。個
人では能力を発揮できないが、会社の仲間と組むと力を発揮する。

日本では、会社にノウハウを貯めるために50年、100年でノウ
ハウの蓄積ができる。中国や米国では個人の能力で勝負している。
個人が力を蓄えて、かつ発揮して、会社を移っていく。会社にノウ
ハウが貯まらない。個人の仕事期間は30年程度であるので、ノウ
ハウが30年程度で断絶する。中国の会社と仕事すると3ケ月もす
ると人が全然変わっている。米国でも同様である。

台湾の会社は家族経営であり、ノウハウを家族・親戚で保持しよう
としている。このため、会社がある程度以上に大きくならない。
韓国企業も同様な状態から抜け出そうとしているように感じるが、
日本ほどには、会社主義ではないように感じる。

これは封建主義の体制を歴史的に経験したかどうかで決まる。日本
は江戸時代に藩制度であり、会社組織を経験している。韓国や中国
は中央集権国家体制であり、国王の指示に従った運営しかできない
ために独自の政策をすることができない。多くの人が他人を動かす
経営を経験していない。個人的な信頼で経営する小さな商店しか、
経験していないことで差ができたように感じる。

ドイツが経営的に優れているのは、封建主義と商業を支えるプロテ
スタントができたために、信頼をベースにした経営ができたためで
ある。

この日本の会社主義で蓄積されたノウハウから生み出す部品が今後
益々、日本を強くすると思える。


息子Q:なぜ、日本はそのような特徴を持ったのですか?
回答F:農耕民族として、血縁より地縁を大切にした文化ができて
それを封建主義で、藩経営を経験したことで生み出された文化がそ
うさせるのでしょうね。

ほとんど農耕民族は、騎馬民族の攻撃を受けて奴隷や非征服民族に
なっている。タイ民族は昔、揚子江流域にいたが、北から騎馬民族
を押し寄せられたために、雲南に逃れ、そして今のタイに攻め込ん
だのです。

しかし、日本は騎馬民族が海を渡れないために、征服できなかった
のです。元寇で2度試みられたが、失敗したために、日本は征服民
族と非征服民族という区分けがないのです。このため和が重要であ
るという教えや地縁が大切という教えが定着するのでしょうね。

これは世界的のも日本しかない現象ですよ。日本には天皇家という
王家しかないことでも分かることです。

日本人の特徴であり、この強みは益々発揮されることになると見て
いる。真髄が神道になっているのです。非成文の宗教(アミニズム
)も先進国では日本しかない。


コラム目次に戻る
トップページに戻る