「シリアナ」を見て。浅山 映画「シリアナ」を見てきました。 今の中東の政治の背後を描いた映画として受け取っても良いのではないかと思い ました、フィクションでしょうが、イランイラクサウジアラビア、中東アラビア 半島、石油を巡り世界の覇者米国の取り組み、陰謀の世界が。 踊らされる市民。日本も遅ればせながら、マネーゲームに参加しようとする若者 が増えました。お金があれば「何でも出来る」と思わせる新しいカルトに組み込 まれていきます、もう国内で転ぶ人もありますが、誰かが足をかけた人もいたの では、その内中国や韓国、インドの人たちも勝負する人、それから欧米の人。 もう「おてんとさまが見ているぞ」も「そんなことしたら、ばちがあたるぞ」も 効きません、もうだいぶ前から親たちも、そんな叱り方をしなくなりました。 ちょうど「そんなことしたら、隣のおじさんに叱られるから、怖いよ」とか「そ んなことしたらお巡りさんに言いつけるから」とか母親が言っていた時「他人に 叱ってもらうのは卑怯です」よと非難したりしましたが。 今、思えば、それは、皆が優しく注意しあう、子どものためには、良い方法だっ たのではないかと、懐かしくその頃を思い出されます。そう言われた隣の小父さ んも協力して、おっかない顔をして協力して上げたものです、そんな日本が良 かったのではないかと。 私も含めて、何時の間にかそんな叱り方をする母親を非難して、日本を駄目にし たのは、日本人の私では。 イスラムの人々、乾燥地での唯一の資金源、生活資料を石油に依存して、それを 権力者は神の名において支配をする、ムハンマドがイスラム教を始めたときの彼 の立教の趣 旨から大きくずれているのではないのかと疑ったりします、そして キリスト教の侵入で更に複雑化して今日、一神教同士のぶっかりあい、それを取 り巻く盟友国の利害。地上の植物を費消した後、植林もせず、自然のサイクルを 壊した、残っていたはずの東アジアのモンスーン気候帯の自然も今、急速に壊さ れつつあります。皮肉にも彼らは古代地球生物の死骸が残した遺産で食いつない でいるのです。 人類の最終兵器を持って富の奪い合い、脅しあう時代に、将来は更にこの危機は 深まることでしょう。日本も憲法変えて軍事産業、そして隣との摩擦があれば威 嚇して、小競り合いでの死者が出ようとも、サラ金の犠牲者の自殺者の数には足 りないと許す言動を平気に言いそうな為政者達。 今までの神は死んだ、そして今、新しい神である「お金」をあらゆる万能の力を 持つ「神」として信じ始めようとしているし、信じさせようとする力が創られ始 めています、戦後学んだ民主主義、でも未だそれを補完する機関は未整備です。 「性善説」等という家を建てる業者の「良い家を建ててくれる」と信じていたの に、建った家は見かけだけで、いつ地震で倒れるか分からない代物、建てた側の 論理は「金」という神には忠実だったのかもしれませんが。金は神に代わりうる ものなのか、その神が跋扈する「市場」に任せておいて好いものかどうか。 やはり、人間同士が監視しあう、組織にあっては第三者機関を設置して、衡平を 監視しあうことを、一歩先んじて民主主義の欧米にここでは学ばざるを得ないよ うです。 ムハンマド（マホメット）様、あの多くの文字の読めない貴方の信者の方々を迷 わせる王の一族を罰しないでは救われませんよ。シリアナの中で殺された、開明 的なインテリの王族のような方にもっと力を貸してあげたほうが良いのではない でしょうか。 昔、米国ミネアポリスでアラビアの王族の息子が飛行機パイロットの勉強で、学 校へ通うためホームステイしているのと一緒に過ごしたことが有りました。両方 とも英語が出来ず、十分な疎通が取れずじまいでしたが、20年ほどしてあの9.11 がありました、再びその日のことを思い出し、そして咋日の映画と。 そして鈴木先生の著書を読みながら、あの封建制度の枠組みの中で苛烈な人権無 視の社会の中で、明日までに「これを仕上げろ」と言われた職人はそれをまっと うに立派に仕上げる。多度養老に残る「薩摩義士」の碑に涙しながら、懐かしみ だけでは未来はないぞ、日本的美意識にだけ惑溺してはおれないぞと。それにし ても天皇制はなんと優しい統治術でしょう、未だ国つくりにカルト的に天皇制 を、そしてその下支えに「愛国心教育」を初等教育をと連呼し始めています、私 には要注意に思えるのですが。 「シリアナ」は見る価値があります、監督はじめ製作者は今のブッシュ体制に如 何にしてコミットしようか苦しんだことでしょう、ですから映画の組み立てで スーッと判らないこともあります、私の後に出てきた若い女の子、携帯で「ウー ン映画は難しかった、でも面白かったよ」と多分女友達にかけているようでした。 ＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝ 浅山さん >映画「シリアナ」を見てきました。 今日のテキストの90ページに獣姦がでてきるからか、シリアナで尻穴という漢字 を思い描きました。イスラム社会では、こちらも盛んではなかった？ ただこれは一神教に限定される文化ではないようですが 得丸