2286.ロシア・プーチンの動向



どうも、この頃のプーチンの行動は、米国とも連携し、かつ中国と
も友好関係を保つという行動をしている。その検討。   Fより

ロシアの戦略的な方向性が見えない。イランとの核濃縮交渉でも、
イランの味方のようでもあり、米国の代理人のようでもあり、両方
の陣営から期待されるポジションを確保している。欧米もロシアで
の核濃縮には賛成しているので、ロシアはどう転んでも得をするこ
とになる。

しかし、中国が中東問題、特にイラン核問題では、イランの味方と
して行動をしているのとは対照的である。ロシアは石油、天然ガス
の産地で、エネルギー問題が起きると、得をする立場にいるのです
が、そのポジションを有効的に利用している。米国との問題を起こ
さず、そして、反米国家からも信頼される国を演出している。この
ような動きが戦略的に一番いい行動である。

どうも、米国と北朝鮮の対決での中国の動きを研究したような行動
をしていると見える。流石、プーチンKGB大統領と言いたくなる。

このことに気がついたのは、ハマスの代表がモスクワを訪問して、
ロシアとの友好関係を築こうとしているのに、ロシアは最後まで、
イスラエルの承認をしないハマスに対して、イスラエルとの武力闘
争を中止した方がいいと勧告している。しかし、ハマスはOKしな
かったために、ロシアからの援助を受けることもなく、パレスチナ
に戻っている。

この行動が、中国の北朝鮮に対応した動きに良く似ていると感じた。
ハマスとの関係も維持しているし、かつ、ハマスの味方でもないよ
うな行動に出たことにロシアの戦略的な位置は強化されたと思う。
特に対米関係では、高得点を得たはずである。ライスもロシアとの
連携して世界をコントロールすることに自信を深めたはずである。

どうして、中国はイランに対しても米国との仲介をしないのか不思
議な感じを受けている。その点、ロシアは中国の研究をして、中国
のお株を奪ったような行動をした。

中国は反米国家的な行動をしたために、米国内でゼーリック国務副
長官の立場は弱くなっている。中国の行動でインドと米国は緊密な
関係を目指すことで合意している。このように中国は反米行動で、
益々、米国との距離を置くことになる。

それに連動して、ゴールドマン・サックスが中国・「安い労働力を
無限に供給できる時代」に幕というレポートで、中国への投資を激
減させようとしている。これは米国の対中関係見直しを予感させる
レポートのような気がする。

しかし、反米中国を懲らしめるための対日豪と米国は西太平洋で空
母4隻の合同演習を行うというが、しかし、これはどうも怪しい。
対中国と見せかけて、インド洋に直ぐに行くような気がする。イラ
ン攻撃の陽動作戦の可能性が高い。

ロシアは中国とも友好関係を維持しようとしているが、プーチンが
21日に中国を訪問する目的はイラン核問題であるようだ。特にエ
ネルギー系の問題で中国がイラン支持をしているために、ロシアは
中国にパイプライン設置との交換条件で、中国にもイラン説得に回
らせようとしているように感じる。上海機構で対テロ対策を共同で
行うなど、ロシアは中国とも着かず離れずの関係を維持するようだ。

そして、ロシアは米国との関係が良好である今、体制を立て直して
いる。主要産業を国営、もしくは半国営企業化しようとしている。
外資も制限し始めた。政府の監視下に企業を置く方向にシフトさせ
て、ロシアを再度、強国にする夢をプーチンは描いている。
==============================
ロシア、政府の産業管理強化・エネルギーから製造業へ
(nikkei)
 【モスクワ=古川英治】ロシアのプーチン政権が主要産業の管理
を強めている。エネルギー産業に続いて航空機、自動車なども政府
主導で再編・統合し、てこ入れする方針を打ち出した。同時に安全
保障にかかわると判断する分野への外資参入は制限する。ソ連崩壊
後の民営化で弱まった国の管理を強め、産業振興を図る戦略が鮮明
になってきた。

ロ連邦工業庁のアリョーシン長官は日本経済新聞記者に「戦略産業
」として宇宙開発、原子力、軍事、航空機、自動車産業を挙げ、政
権主導で競争力を強化する意向を示した。戦略産業(自動車は除く
)など39の産業への外資参入は制限し、大統領が外国企業の投資を
直接承認する制度を採り入れる。政権管理下で外国の資本・技術を
選別して採り入れる狙いだ。 (07:01) 
==============================
対日外交 露中連携も プーチン大統領、21日訪問 歴史問題の
同調焦点

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのプーチン大統領は今月二十一、
二十二の両日、中国を公式訪問するが、今回は両国間の戦略的友好
関係の強化が目的で、パイプライン建設などエネルギーを中心とし
た経済協力やイランの核開発といった国際問題での協調が焦点とな
る。ただ、中国側はロシアに対し、対日歴史問題でも同調するよう
働きかけており、今回のプーチン訪中に合わせ、対日外交で中露両
国が連携を探る動きが出る可能性も指摘されている。
 イタル・タス通信によると、プーチン大統領は「中国におけるロ
シア年」の開幕に参列するほか、胡錦濤国家主席と首脳会談を行い
、二国間関係、国際情勢で中露の結束を強化する予定。両首脳は両
国経済界代表のフォーラムにも参加する。
 訪問では、日中両国が競合する太平洋石油パイプライン建設で、
中国への支線建設について合意をめざすほか、天然ガスパイプライ
ン敷設でも調印を予定しているとされ、「エネルギー問題が中心と
なる」(駐ロシア中国大使)見通しだ。
 一方、北京発のインタファクス通信によると、中国の消息筋が先
月、「日中間の歴史論争でロシア側が中国の『正しい歴史認識』へ
の支持を公式に表明するよう望んでいる」と述べ、中国政府がロシ
アに対し、反日の立場からの同調を求めたことを明らかにした。同
筋はさらに、「ロシアは二十世紀半ばに中国などアジア侵略をした
日本の歴史歪曲(わいきよく)問題に対する立場をまだ公表してい
ないが、ロシアの(中国への)支持は、この問題の解決に大きな影
響を及ぼすだろう」と強調した。中国側はロシアのメディアを在露
中国大使館のパーティーに招き、中国製反日映画を公開。いかに第
二次大戦で中国が残虐な軍国日本と戦い、勝利したかを宣伝してい
るという。
 一方、ロシア側は日本の領土問題などをめぐる「反露的な発言」
に反発を強めており、「中露が今後、歴史問題での連携を外交カー
ドに使おうとする可能性はある」(外交筋)。
 また、十日のインタファクス通信によると、一九四五年のヤルタ
会談に出席したスターリン、ルーズベルト、チャーチルの米英ソ三
首脳の銅像が、サハリン州のユジノサハリンスクに設置される見通
し。日本への北方領土返還に反対する州議員らの提案を受けたもの
。同時に、北方領土占有はヤルタ合意に基づく正当なものだ、とす
るロシア政府の主張にも沿う。
 ロシアの世界経済国際関係研究所のチュフリン副所長は「中露関
係が悪化する土台はない。両国関係は順調に発展し、そのポテンシ
ャルも高い。プーチン大統領の訪中は関係発展強化に貢献すること
になるだろう」と述べ、中露の蜜月関係が長期化するとの見通しを
示した。
(産経新聞) - 3月11日2時42分更新
==============================
対テロ軍事演習実施・中国、ロシアなど6カ国
(nikkei)
 【北京=飯野克彦】上海協力機構(事務局・北京)を構成する中
ロなど6カ国が3月初め、特殊部隊などによる対テロ合同演習をウズ
ベキスタンで実施したことが明らかになった。同機構が2004年に対
テロ常設機構をタシケントに設置して以来、初の合同演習。イスラ
ム過激派対策が最大の狙いだが、反政府運動への対応を視野に入れ
ている国もあるようだ。

 カザフスタン・アルマトイ発の新華社電がタシケントからの情報
として伝えた。タシケント市を取り巻くタシケント州にある2つの
「重要な国家インフラ」へのテロ攻撃を想定、特殊部隊や武装した
警官隊が破壊活動の制止や人質救出を目指す作戦を展開した。
 (07:01) 
==============================
ハマス、ロシアとの会談でイスラエル承認を拒絶
  
 [モスクワ 4日 ロイター] ロシア訪問中のパレスチナのイ
スラム原理主義組織ハマスの代表団は4日、イスラエルが存在する
権利を認めるようにとのロシア側の要請を退けたことを明らかにし
た。
 ハマスは1月25日に行われたパレスチナ評議会選挙で圧勝。ハ
マス代表団のモスクワ訪問は、新政権樹立以来、初めての主要国訪
問となった。
 ハマスは、3日間にわたるロシアとの会談で、国際的立場をある
程度獲得したいとしている。イスラエルと米国は、同会談の実施に
反対姿勢を示していた。
 ハマスはイスラエルの崩壊を提唱する一方、国連と欧州連合(E
U)は、ハマスをテロ組織と位置付けている。
 ハマスの幹部は、ロイターに対し、イスラエルを認めることは、
全パレスチナ人を否定することだ、との見解を示した。
(ロイター) - 3月5日16時51分更新
==============================
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 通巻第1407号
ロシアと中国がチェチェン近郊で共同の特殊軍事演習
ラシド・ユルガリエフ内務大臣が訪中、周永康と二国間演習協定に
署名

 ロシアが手を焼くのはチェチェン。中国が頭痛の種の一つは同じ
くイスラム原理主義過激派。両国の利害は反テロリスト対策で一致
をみる。

 ラシド・ユルガリエフ内相が訪中したのは3月1日から5日まで
だった。
 北京で周永康(国務委員、国家防辺委員会主任、麻薬対策主任な
ど数個の要職を兼務する大物、政治局書記局)と会談し、2007
年春に共同の軍事演習をおこなう旨を発表した。

 注目すべきは演習場所がロシアの北カフカスであること。
参加する軍は両国ともに内務省直属の特殊部隊(中国は公安部が該
当)であること。
==============================
「ロシアは非協力的」パイプライン巡り、中国が非難
  
 3月下旬に予定されているロシア・プーチン大統領の訪中を前に、
国家発展・改革委員会(国家発改委)の張国宝・副主任(写真)は
、ロシアの通信社による取材に対して、「エネルギー分野でロシア
は非協力的だ」などと批判をした。8日付でボイス・オブ・アメリカ
(VOA、中国語版)が伝えた。

 張・副主任は、「東シベリア石油パイプラインが中国・大慶ルー
トを利用することになるのか、現在に至ってもロシアは正確な情報
を教えてくれない」といら立ちをあらわにした。

 東シベリア石油パイプライン第1段階部分(タイシェト−スコボロ
ジノ間)は2006年7月に着工、08年11月に供用開始の予定。スコボロ
ジノから中国側のパイプラインまでは70キロメートルほどしか離れて
おらず、1カ月もあれば接続工事は完了するという。ロシア側は、大
慶ルートを優先する意向は示しているが、合意文書の調印を遅らせて
いるもよう。

 パイプライン問題は、両国の首脳会談で主要な議題になるとみら
れるが、合意文書の交換がなされるかどうかについて、VOAは「不透
明な情勢だ」と伝えている。(編集担当:菅原大輔・如月隼人)

(サーチナ・中国情報局) - 3月9日19時27分更新

コラム目次に戻る
トップページに戻る