電子情報技術の功罪 平成18年(2006)2月25日 「地球に謙虚に」運動代表 仲津英治 厳しき寒さの如月も過ぎんとし、水もぬるむ弥生がすぐそこに来ております。 今日は琵琶湖にまつわるお知らせ二題と、電子情報技術の功罪について、遅 らせてください。 1.平成18年(2006)2月5日、市民の太陽光発電装置の設置を支援するNPO、ソーラ ーおおつが発足しました。 [地球環境と自然エネルギー]のテーマで開かれたシンポジウムのキーとなる言葉 は、「市民が変れば、地域が変る。地域が変れば、国も変る。」でした。 「地球に謙虚に」運動ホームページのメッセージ欄にシンポジウムの概要を掲載し ました。ぜひご覧になって下さい。 2.北海道の支笏湖、山梨県の本栖湖では、今春からプレジャーボートの乗り入れ を原則禁止されます。 プレジャーボートに多い水上バイクは、2サイクルエンジンをまだ大半搭載してい ます。2サイクルエンジンは、不燃焼なまま排出されるガスの量が多いのです。水 上バイクの数が多い昼間は、水中の揮発性有機炭化水素(ベンゼン、トルエン、キ シレン)の量が大幅に増加。特に、水上バイクの発着地点での水質汚染が目立つの です。 然るに琵琶湖では・・・・最近の次の中日新聞記事をお読み下さい。 環境とレジャーどう両立 琵琶湖のプレジャーボート http://www.chunichi.co.jp/00/kur/20060220/ftu_____kur_____000.shtml 3.電子情報技術の功罪 便利だが、あまりに速い陳腐化 私にとってはインターネットとE-Mailを仕事、生活に使うようになって、大方10年 になりましょうか、今や日常の活動に欠かせない要素となって来ています。5人家族の 全員と息子の嫁もパソコンを持ち、東京、滋賀、台湾と離れた相互間の連絡も基本は E-Mailです。 仕事上の情報交換、書面のやり取りも多くは社内LANか、E-Mailに拠っています。 E-Mailは速度、情報量において手紙、FAXをはるかに凌駕しており、企業内、企業相 互間は及ばず、NPOとかNGOの存在もこれら電子情報交換システムがあってこそ成立 っていると思われます。情報の質量は大変なレベルになりましたが、省エネ・省資源 であり、しかも低コストです。手紙かFAXで原稿を戴いた場合、もう一度パソコンで 打ち直す手間隙は、勘弁して欲しいという気持ちを起こさせます。 このインターネット、E-Mail制度を生み出し、世界に広げた米国にはさすがだと思う 人は私だけではないでしょう。国際間においても膨大な情報交換がE-Mailなどを通じて 行なわれています。またインターネットで得られる情報は多大かつ、質もかなり高いも のがあます。ニュースが迅速に得られ、色んな事柄を調べるにも百科辞典替わりにもな ります。迷惑メールやら、ジャンクメール、ウィルスなどの厄介な問題もありますが、 最早、仕事、生活からこれら電子情報技術を切り離す人は数少ないでしょう。 こうした電子情報技術の「功」の一方で「罪」もあります。それはあまりに急速に技 術が進歩するので、機器、システムの陳腐化が早過ぎるのです。結果大量のゴミを出す ことになります。 私は平成15年(2003)7月から平成17年(2003)7月まで、台湾高速鐵路公司に勤務し、 台北に在勤していました。日本にいた時はまだフロッピーデイスク=FDが記録媒体とし てかなり使われており、同時にCD, 携帯ハードデスク=HD、USBソケットなどに置 き換えられつつありました。そしてパソコンのソフトとしてWindows Meに替わり Windows XPが登場していました。また日本での通信モデムはISDN機器でありました。 昨夏台湾高鉄との契約が切れて日本に戻ってきた際、もはやFDを使えるノート型PCの 新製品は無くなっていました。我が家には100枚近いFDが残っています。FDに対応でき るが、スペースを食うデスクトップ型PCを使わない私にとってはFDはゴミと化してしま います。もちろん全てのデータはCDか、携帯HDさらにはUSBソケットに移して保存し ています。 また帰国した折ISDN通信用モデムも機能は劣化していないが、システム上陳腐化して おり、家電屋に言わせますと、使えないことはないが、機能向上しているPCなどと接続 した場合、折角の新型機器も古い機器に合わせた機能しか発揮できませんよと言われまし た。結局新しいPCに併せ、ADSL型モデムを新たに導入することとなりました。しかし 我が家には数年しかたっていない陳腐化したモデム、ルーターなどが残りました。また 持ち帰ったWindows Me 搭載PCは、遂にダウンしましましたが、平成15年(2003)10月1 日施行の「資源有効利用促進法」によりメーカー責任において回収&再資源化されること になりました。この新制度により、私のPCと女房のPCもメーカーに回収されました。こ のとき、窓口は梅田のヨドバシカメラでありました。しかも1台100円で買い取ってくれ ました。 評価されていいヨドバシカメラの姿勢 他の家電ショップにも照会しましたが、PC回収は、メーカーと直接やり取りしてくれ とのことでありました。PC以外の機器も資源になりうるとの思いがあるので捨てる気に なれない私は、梅田のヨドバシカメラに持って行ってみたのです。すると前述の旧式モデ ム、ルーター、さらには機能が衰えたマウスなども引き取ってくれました。どう処分する のかと聞くとPCはメーカーに送られ、再資源化が計られるが、他の付属機器はゴミとして 粉砕処分するとのことでありました。このヨドバシカメラの姿勢は評価されて良いでしょ う。粉砕されたプラスチックは資源になりえます。 自宅付近で車で「テレビ、ラジオ、パソコンなどを回収します」とやってくる業者に 「回収してどうするのか」と聞くと「再整備して開発途上国に売ります」とのことであ りました。こうした業者の方々のお陰で街から少しでもゴミが減少し、資源の有効利用 となります。しかしこれら業者にはモデム、ルーター、FD、CDなどの引取りを断られ ました。結局行政にお金を払って引き取ってもらうことになるとの理由でありました。 メーカーと販売店に望む さてこのまま推移した場合、どうなって行くでしょう。FDは、容量の小ささ、速度の遅 さなどから使う気がしません。MO=Magnetic Opticalなどは、商品の有効期間があまり に短かったと思います。CD,携帯HDなどもいずれ寿命が来ます。前述のADSLモデムも いずれは光通信システムに置き換えられるのでしょうか。となれば、これらは再生困難 となり、陳腐化してしまい、ゴミと化します。今のところ、地域の行政の委託収集車に 持っていってもらうしかないのです。これは税金で経費を賄うことを意味し、ゴミの出 し得につながり、税負担の公平に反します。また多くは埋め立てか、生ごみなどと一緒 に燃焼処分になってしまいます。 今や企業は厳しい行政のスタンスもあり、また環境貢献企業を目指し、ゴミのリサイク ル、再資源化に取り組み、工場からでる廃棄物はかなり減少する時代になりつつあます。 むしろ一般家庭からでるゴミの方が多いのです。一旦家庭に、個人に所有が移ったもの を如何に回収し、再資源化していくか大きな課題です。とりわけ、日進月歩の激しい、 電子情報機器は、開発し商品化する段階から、再資源化を念頭においてリサイクルする よう取組まれるべき品物でしょう。そして製品の素材&構成を把握しているのはメーカ ーしか無いのです。 他に充電器、変圧器の問題があります。新しい電子情報機器を購入するたびにまた新品 の充電器、変圧器が付属でついて来ます。これらの機器はそう故障したり、壊れたりす るものではありません。充電器、変圧器などは統一&共通仕様にならないものかといつ も思っています。 メーカーの努力を期待するとともに、併せ販売店の回収窓口機能を充実して欲しいもの です。メーカー&販売店に掛かる経費負担に関しては、利用者が相応の回収リサイクル 費用を担うのが理にかなっていると思います。受益者負担の原則です。 皆さんいかが思われますか。 以上 仲津英治 「地球に謙虚に」運動代表