2255.ハルマゲドンへの道



米国とイランは、ハルマゲドンを起こしたいようである。 Fより

先週に続き、中東問題が大きな焦点になっている。イランとパレス
チナのハマスが手を取り合って、イスラエルや欧米に対抗すると、
これは、心配しているハルマゲンドンになる可能性を示すことにな
る。このために、事態を注意して見る必要がある。

イランが米国の妥協案であるロシアでのウラン濃縮を拒否したため
に、国際原子力機関(IAEA)で安保理への付託が決議される事
態にある。イランの核兵器開発の意向は、ロシアでのウラン濃縮拒
否で明らかになっている。ロシアもイランが核兵器開発すると予測
している。しかし、イランは石油があるために、北朝鮮と違い経済
制裁を受けても、あまり困らない。中国は輸入量の14%もあるイ
ランからの石油が来なくなると困るために、安保理での経済制裁に
対して否定権を行使する可能性もある。

もう1つが、ハマスが多数派になったパレスチナである。ハマスは
組閣を行うが、イスラエルへの武力放棄はしない方針であるために
欧米からの援助は止まる方向にある。その前にイスラエルからの税
送金が停止して、財政破綻している。このため、アッバス議長は、
イランへ傾斜している。イランもハマスを支援すると回答している。

しかし、ユダヤ人である世銀のポール・ウォルフォウィッツが欧米諸
国と違う対応をしている。世銀は、パレスチナへの援助を続けると
いう。これはイスラエルとイスラムの戦いを心配しているためだと
思う。イスラエルの存亡がかかっているとみているのでしょうね。

とうとう、米国の福音派が意図したハルマゲドンの様相になってき
た。米ライスも今頃になって、パレスチナ選挙の読み違えを起こし
たと声明を出すのですが、イスラエルのシャロン前首相はハマスが
勝つと明言していたのに、パレスチナでの選挙を米国は強制したの
です。どうもハマスが勝つと読んでいた可能性が高い。

イランのアハマディネジャド大統領もイスラム教タカ派(イスラム原
理主義者)で、かつ反米派として民主的な選挙で出てきたのです。
このように米国の中東民主化は、反イスラエル・反欧米国家を増や
している状態にある。
イスラエルは3月にイランを叩くと明言しているし、リクードが3
月の選挙で多数派になると、中東地域は戦争の季節を迎える。中道
派ガティマは世論調査では多数派になると出ているが、ハマスが反
イスラエル政策を推進すると、イスラエルも対抗上、反パレスチナ
の右翼リクードが優勢になる可能性が高い。それとパレスチナとの
壁を早急に完成させることになるでしょうね。

当分は、安保理でのイランへの経済制裁ということになるが、イラ
ンがどんどん核兵器開発を進めると、戦争が避けがたい状態になる。
しかし、イランのアハマディネジャド大統領の意志は固い。そして
、中東5次戦争になるでしょうね。

今度の中東5次戦争はイランを中心としてパレスチナが参戦すると
いう形になり、イランとイスラエルのミサイル攻撃と米軍を中心と
した有志国家軍がイラクとアフガニスタンからイランへ侵攻するこ
とになる。それと、イスラエル軍がパレスチナに侵攻してパレスチ
ナ人大量虐殺という結果になると見える。

イランも北朝鮮の援助で核・軍事施設の地下化を進めているので、
イスラエルは通常弾頭のミサイルでは核施設を破壊できないために
、米国から小型核弾頭を貰い、それを搭載したミサイルでの攻撃に
なる。このため、イラン国家・国民の消去になる可能性もある。

この反撃は、ウクライナから流出した核ミサイルをイランはイスラ
エルに向けて発射する可能性が高い。そのミサイルをアロー迎撃ミ
サイルがどこまで打ち落とせるかが見物でしょうね。しかし、核ミ
サイルを低空で打ち落としても、核爆発を起こして、その一帯は死
の世界になるので、イラクやヨルダンなどはその被害を受ける可能
性がある。

どうもこの全体シナリオを米国の国家指導者が書いているように感
じる。福音派のブッシュ大統領と見えるがどうであろうか??
福音派が主張する聖書通りの歴史になるという思いが大きな流れを
作っている。その聖書にハルマゲドンがある。そして、対抗するイ
ランの指導者、イスラム教タカ派のアハマディネジャド大統領も非
妥協的な態度であり、経典コーランにあるハルマゲドンを実現する
ために、全国民をも殉教させる覚悟をしていると感じる。どちらも
ハルマゲドンを実現するように努力している。

このようにイランと米国のトップが宗教的な非妥協性を持っている
ために、一層解決が難しいようである。欧州もアハマディネジャド
大統領の非妥協的な態度に業を煮やしている。ああ、大変な事態に
なってきた。最後の期待はローマ・カトリックとイランの宗教最高
指導者がどう出るかでしょうね。

2249.パレスチナ和平問題
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/180129.htm
2248.中国胡錦濤主席への反発
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/180128.htm
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イランには核兵器の開発意図…露の専門家が明言

 【モスクワ=古本朗】政権に影響力を持つロシアのシンクタンク
「外交国防政策評議会」のセルゲイ・カラガノフ理事長は3日、自
分を含め「大半の露専門家」が、イランの核兵器開発の意図を見抜
いていると明言、注目を集めた。

 インターファクス通信が伝えた。

 カラガノフ氏は「大半の露専門家を含め、国際社会で、イランの
核計画が純粋に平和目的だと信じる者など、ほとんどいない」と発
言。その論拠として、ウラン濃縮をロシア領内で行うことを見込む
露提案に関する交渉をイランが引き延ばしている点を挙げた。さら
に、イランが核兵器開発を強行すれば、国際圧力に直面し、正常な
経済発展は不可能になる、との見方を示した。

 この発言は、イランのアフマディネジャド大統領が同日、自国内
でのウラン濃縮に固執する姿勢を表明したことを受けたもの。
(読売新聞) - 2月4日13時32分更新
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早くも財政危機に直面のパレスチナ自治政府 公務員給与の遅配が
現実に

 【アルジャジーラ特約2日】パレスチナ評議会選挙でのイスラム
抵抗運動ハマスの圧勝が、さらに波紋を広げている。財政難にある
パレスチナ自治政府が、ハマス圧勝のあおりで一段の予算不足を強
いられているのだ。

 同自治政府は2日、「選挙後の予算不足から、公務員への給与支
払いが最低2週間遅れる」との緊急声明を発表した。不足分は1億
1600万ドル(約134億5600万円)で、給与遅配の影響を
受ける公務員は13万7000人にも上るという。

 遅配の最大の要因は、ハマスが圧勝したことにあり、同勝利の影
響を強く懸念するイスラエルが、自治政府へ渡すはずの関税からの
収入分4500万ドル(約52億2000万円、月額)の送金を停
止しているからだ。イスラエル側は送金遅れについて、「見直し作
業の実施」を理由に挙げている。

 ハマス勝利に警戒感を強めるイスラエルはまた、「送金分がテロ
リスト=ハマス=の手に渡らないよう精査するのに時間がかかって
いる」とし、引き続き精査作業を徹底して行うとの強硬姿勢を崩し
ていない。

 これに対し自治政府のクレイ暫定政府首相はイスラエルが自治政
府への資金流入を妨げてはならないとする米国の方針を無視してい
ると批判するとともに、「イスラエルは送金を故意に遅らせている。
税収はわれわれのものであり、イスラエルは即刻送金を実施すべき
だ」と訴えた。

 と同時にクレイ首相は「サウジアラビア、カタールそしてペルシ
ャ湾岸諸国と接触、資金援助を要請している。政治勢力とは無関係
の公務員給与分の資金は間もなく調達できるだろう」との見通しを
明らかにした。

 一方、世界銀行は1日に発表した報告書の中で、「自治政府によ
る公共支出が増大しすぎている」との懸念を表明、自治政府の財政
赤字は2005年に8億ドル(約928億円)にも達し、政府運営
を危うくさせていると警告した。

 また、米政府当局者は「パレスチナの暫定政府状態が数カ月続く
可能性もある。その間、アッバス自治政府議長を支援するため、イ
スラエルは同自治政府への税収送金を妨げるべきではない」と発言
している。(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)   

2006年02月03日12時17分 アルジャジーラ 
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ロとの交渉打ち切りと警告 イラン

 【ウィーン3日共同】イラン核交渉団メンバーの最高安全保障委
員会のバイディ事務局次長は3日、国際原子力機関(IAEA)本
部で記者会見し、IAEA緊急理事会が国連安全保障理事会付託を
求める決議案を採択した場合、ロシア国内でウラン濃縮を行うとの
妥協案をめぐる同国との交渉も打ち切ると警告した。
 事務局次長はその場合、イランが本格的なウラン濃縮活動を実施
することになるとも述べた。
(共同通信) - 2月3日23時44分更 
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安保理付託に調整難航、IAEA再開延期 イラン核問題(ASAHI)
2006年02月04日00時49分

 イラン核問題をめぐる国際原子力機関(IAEA)緊急理事会は
3日、国連安全保障理事会に問題を付託する決議案について非公式
協議を繰り返したが、合意に至らず、同日午後に予定されていた全
体会合の再開を4日午前10時(日本時間午後6時)に延期した。
決議案は過半数での採択が確実な情勢だが、文案の修正をめぐって
付託に慎重な非同盟諸国と欧米との調整が難航している。 

 ロシアと中国の支持を得た欧米側は非同盟諸国の取り込みに懸命
になるのは、できるだけ多くの賛成で採択し「国際社会の結束」を
示そうとの狙いがあるためだ。 

 非同盟諸国や欧州連合(EU)などは3日朝からグループごとに
断続的な協議を続けた。午後には、イランと交渉してきた英独仏と
非同盟諸国との会合も開かれたが、決議案の修正内容についてはな
お隔たりが大きく、合意できなかった。 

 理事会筋によると、非同盟諸国側は、イランが保障措置(核査察
)協定違反を繰り返したと指摘する項目や、過去に採択された理事
会決議や報告書を含めて安保理に報告する項目などの削除など、事
実上の付託先送りを求めた。英独仏側は「付託の削除は全く受け入
れられない」と拒否しているという。 

 ただ、シンガポールが付託決議案を支持する考えを示すなど、非
同盟諸国も一枚岩ではない。9月の定例理事会決議に賛成したエク
アドル、ガーナなども米欧の立場に理解を示している。
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ハマス硬化でイラン依存も 国際圧力、もろ刃の剣

 【エルサレム2日共同】パレスチナ評議会(議会)選挙で圧勝し
たイスラム原理主義組織ハマスに対して、パレスチナ支援の停止を
盾に武装解除を求める国際社会の圧力が強まる中、ハマスが態度を
硬化させ、核開発問題で欧米から非難を浴びるイランへの依存度を
高める可能性が出てきた。
 イスラエルとの和平路線を維持するため、アッバス自治政府議長
は武装闘争継続を掲げるハマスから柔軟姿勢を引き出す必要に迫ら
れている。議長やブッシュ米政権にとって、イスラエルの存在を認
めない反米強硬姿勢のイランと、パレスチナの過激派組織ハマスが
連携を深めることは最悪のシナリオで、国際圧力はもろ刃の剣とい
える。
 ハマスの財政事情は明らかではないが、イスラエル紙マーリブに
よると、年間予算は推定約6000万ドル(約71億円)で、10
%はイランからの支援という。
(共同通信) - 2月2日18時22分更新
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イラン、核開発問題で中ロの説得拒否か・高官が示唆
(nikkei)
 【ドバイ=加賀谷和樹】中国、ロシア両国の外務次官は1日、テヘ
ランを訪れ、イラン核開発問題の国連安全保障理事会への付託(報
告)回避を目指し計画の見直しを求めたが、イラン側はこれを拒ん
だもようだ。イラン最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長が同
日の記者会見で示唆した。

 会見で事務局長は「付託の場合、国際原子力機関(IAEA)が
核施設に設置した監視カメラのいくつかを撤去し、これまで許した
軍事施設への査察官の立ち入りを禁止する」とも言明した。

 中ロの次官訪問について事務局長は「彼らは(核)問題解決に向
けた1つの視点を示したが、我々は別の視点を持っており、彼らはこ
れを母国の指導者に伝えるため持ち帰った」と述べた。 (23:19) 
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イラン国防軍需相「核施設への攻撃には素早く反撃」
(nikkei)
 【ドバイ=加賀谷和樹】イランのナジャル国防軍需相は1日、同国
初の原子力発電所を建設中の南部ブシェールで「核施設への攻撃は、
素早い破壊的なイラン軍の反撃を招く」と述べ、イラン核施設に対
する空爆も辞さない姿勢をみせるイスラエルなどをけん制した。イ
ラン国営通信が伝えた。 (20:01) 
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米大統領「イランがイスラエル攻撃なら軍事力を行使」
(nikkei) 
 【ワシントン=加藤秀央】ブッシュ米大統領は1日、イランがイス
ラエルを攻撃する事態になった場合、米国はイスラエル防衛に軍事
力を行使すると述べた。イランのアハマディネジャド大統領の就任
以降、ブッシュ大統領が明確な形でイスラエルを軍事的に防衛する
と述べたのは初めて。イスラエル敵視政策を示すアハマディネジャ
ド大統領を強くけん制した。 

 ブッシュ大統領はロイター通信とのインタビューで「ホロコース
ト(ユダヤ人大量虐殺)の歴史を書き換え、イスラエルを破壊する
意図を明確にする人物には懸念を抱く」と述べ、アハマディネジャ
ド大統領のこれまでの発言を強く批判した。 

 さらに「米国は必要ならイスラエル防衛のために立ち上がる」と
述べ、軍事力を行使するかとの問いに「もちろん。我々はイスラエ
ルを守る」と言明した。 (12:41) 

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