2249.パレスチナ和平問題



パレスチナの選挙でハマスが多数派になり、今後の和平交渉に大き
な影響を受けることになった。         Fより

パレスチナは今までファタハ主導で政治を行っていた。ハマスは武
装組織を持ち、イスラエルの存在を認めないというイスラム原理主
義を取っている。

このため、イスラエルはハマスが力を得ない様に、ハマスの指導者
ヤシン師、その後継者ランティシ氏を暗殺した。しかし、そのこと
でハマスに同情が集まり、イスラエルは窮地に立つことになる。

米国は中東民主化で、多額の援助をしているパレスチナに対して、
民主選挙を自治政府に要求している。この選挙をイスラエルは中止
しようとしたが、米国は了承しなかった。ライスは米国外交の目標
を世界の民主化、自由化に置いていると最近も演説している。

そして選挙以前から、ハマスが勝つと予想されて、イスラエル前首
相のシャロンはこの選挙をパレスチナ紛争の拡大で中止しようとし
ていた。しかし、シャロンが脳卒中で倒れて中止できなかった。

イスラエルは平和共存という方向でガザから撤退して、パレスチナ
自治政府と交渉を開始しようと企てて、与党ファハタを側面応援し
たが、このようにハマスが選挙で多数を占めてしまった。そしてイ
スラエルはこのハマス主導自治政府との交渉はできなくなる。

しかし、ハマス自治政府も試練が待っている。世界から集まってい
た援助がほとんどなくなる。勿論、多年日本も多額の援助をしてい
た。
このため、パレスチナは食料や仕事がなくなり、またイスラエルと
の壁ができて通行不能になり、イスラエルでの仕事もできなくなり
困ったことになるはず。今以上に経済問題が直ぐに起きることにな
る。

イスラム教では、各地から10分1税的な寄金を集めて、それをイ
スラム圏の貧しい地域への援助としてイスラム教支援団体が行って
いる。しかし、イスラム教地域の全体が貧困で、かつ戦争地域がイ
ラク・チェチェン・アフガニスタンなどと拡大している。このため
、そのイスラム教の援助だけでは、立ち行かない。このため欧米日
の援助を仰いできた。この資金が無くなるので、大変なことになる。

私の予想では、ハマスは穏健化して、援助を受けることになると見
るが、どうなるかは分からない。もう1つ、イスラエルの選挙が3
月にあるが、その結果、リクードが政権を取ると紛争拡大になり、
中東和平の実現が遠のくことになる。このようにイスラエルが苦難
の時を迎える。イラン問題、ハマス問題でかつ米国の中東民主化で
、今までイスラエルと良好な関係にあるイスラム教国家が民主化す
ると、イスラム原理主義政党が多数派になり、反イスラエルになる
危険がある。しかし、米国の目標は変わらない。
さあ、どうなりますか??

日本はユダヤ人移民を優遇すれば、日本の発展に大きな効果をもた
らすことになる。とうとう、時代が私の構想に近づいている。
過去のこのコラムを見てほしい、昔から言っていることであると分
かるはず。神からの啓示を書いていることが証明される。
==============================
ハマス、国内穏健派が主導権
(nikkei)
 【エルサレム=森安健】パレスチナ評議会(国会、全132議席)選
挙はイスラム原理主義組織ハマスが76議席を獲得して与党ファタハ
に圧勝した。ハマス内部ではパレスチナ自治区を拠点とする「国内
組」がシリアを拠点とする「国外組」を制して主導権を掌握。「国
内組」のイスマイル・ハニヤ氏は27日、パレスチナ自治政府のアッ
バス議長と「政治的パートナーシップ」について数日以内に協議す
ることで合意した、と述べた。

 ハマスは長年、創始者ヤシン師に全権が集中していた。しかし、
イスラエル軍が2004年3月にヤシン師、その1カ月後に後継者のラン
ティシ氏を暗殺して以来、集団指導体制に移行。現在はダマスカス
に居住するハレド・メシャル政治局委員長が最高指導者とされる。
ガザに拠点を置く国内政治部門、軍事部門と相談しながら意思決定
をしている。 (07:01) 
==============================
イスラエル、ハマスと交渉拒否・分離壁の完成急ぐ
(nikkei)
 【エルサレム=森安健】イスラエルのオルメルト首相代行は26日
夜、イスラム原理主義組織ハマスがパレスチナ評議会選挙で地滑り
的な勝利をあげたことを受けて声明を発表し、ハマスが現状のまま
なら交渉しないと明言した。当面はハマスの出方を見守り、和平交
渉は凍結。一方でヨルダン川西岸に建設中の分離壁の完成を急ぎ、
自国の安全を確保する戦略だ。

 オルメルト氏は同日夜、リブニ外相、モファズ国防相のほか警察
、軍、国家安全保障会議のトップによる緊急関係閣僚会議を開き、
選挙結果について協議した。オルメルト氏はその後、声明を発表し
「イスラエルのせん滅を求める武装テロ組織が参加するパレスチナ
政府とはいかなる交渉もしない」と述べた。

 オルメルト代行とリブニ外相は中東和平4者協議(カルテット)の
参加者である米、ロシア、国連、欧州連合(EU)に電話をかけ、
30日にロンドンで開くカルテット会議でハマス問題を提起し、国際
社会が一致して圧力をかけるよう要請した。 (12:29) 
==============================
米大統領、ハマスにイスラエルとの共存を要求(ASAHI)
2006年01月27日01時28分

 パレスチナ自治評議会選でのハマスの勝利について、ブッシュ大
統領は26日、記者会見で「米国の同盟国であるイスラエルを滅亡
させることを政策の柱に掲げる政党は、我々は相手にしない」と述
べ、ハマスに対し、イスラエルとの共存を認め武装闘争路線を放棄
するよう求めた。 

 大統領は、選挙結果そのものについては「合法的だったことに疑
いはない。民主主義の力を示し、健全だ」と受け入れる姿勢を見せ
た。「パレスチナの人々は明らかに現状に満足していなかった」と
述べ、自治政府の腐敗への不満が要因だと認めた。 

 しかし「テロ集団」として扱ってきたハマスについて、米の中東
専門家らは、ハマスの「善戦」こそ予期していたが、圧勝すること
はないとみていた。「善戦」程度にとどまることを期待してきたブ
ッシュ政権にとって、大きな誤算だ。民主主義の定着が対テロ戦の
勝利につながる、と強調してきた中東政策全体にも影響しかねない。 
==============================
パレスチナ評議会選、ハマスが過半数の76議席獲得
(nikkei)
 【ラマラ(ヨルダン川西岸)=金沢浩明】25日投票のパレスチナ
評議会(国会に相当)選挙で中央選挙管理委員会は26日、全132議席
のうちイスラム原理主義組織ハマスが76議席と全体の58%を獲得し
たと発表した。与党ファタハは43議席にとどまった。地滑り的に勝
利したハマスはアッバス自治政府議長の要請を受け新政権作りに入
る見通しだ。

 ハマスは比例区(66議席)で30議席をとり第1党になったほか、選
挙区(66議席)では46議席と圧倒的な強さを発揮した。これまで圧
倒的多数だったファタハは汚職批判などをうけて選挙区で16議席に
とどまるなど完敗した。

 2党以外はパレスチナ解放人民戦線(PFLP)が3、「代替」「
独立パレスチナ」「第3の道」の独立系3組織が各2、無所属が4議席
だった。選管発表は95%開票時点。最終結果は27日に発表するが、
選管は大きな変更はないとしている。アッバス議長は26日夜、ハマ
スに政権の組成をただちに要請すると発表した。ハマスとの協議を
経て議長が首相を指名、1カ月以内に議会を招集して新政府が正式に
発足する見通し。 (10:33) 

コラム目次に戻る
トップページに戻る