2236.金正日の訪中



金正日が訪中している。その分析。   Fより

米国は北朝鮮に対して金融制裁を行い、北朝鮮は米国に反発して、
6ケ国協議をボイコットしている。しかし、訪米を予定している胡
錦濤主席としても、対米重視の政策から現時点で反米性を明確には
できないし、国際金融の正常化のためにも北朝鮮の偽ドル札製造な
どの違法行為を見過ごすことができない。

このため、中国当局も北朝鮮にマネーローダリングの事実を突きつ
けている。そして、国有銀行である中国銀行での北朝鮮口座を凍結
する必要になっている。これをされると金正日政権は海外との決済
手段がなくなり、輸入で物資を得ている北朝鮮は立ち居かなくなる。
また、米国はスイスにある金正日の秘密口座の凍結をスイスに持ち
かけている。

北朝鮮としては、国連からの食糧援助を断ったことで、より中国の
支援が必要になったことと、世襲問題で中国の胡錦濤主席が反対し
ているがこの問題の解決と、米金融制裁の問題を協議するために訪
中したようである。特に中国銀行の口座凍結は大問題なはずである。

もう1つ、北朝鮮に中国の投資を入れたが、どうもうまくいってい
ないことで、中国の指導部は金正日委員長にクレームを付けた可能
性がある。
北朝鮮の軍幹部や党幹部は中国の民間投資に付け込んで、ワイロな
どを要求しているようである。これでは中国温州商人も投資ができ
ない。このため、このクレームを金正日委員長は直接聞く必要にな
ったことも考えられる。広州や上海に直接入った理由ではないかと
見える。

韓国の投資も北朝鮮軍幹部と党幹部のいろいろな制約で旨く立ち上
がらない。電力が不足しているので、工場の稼動率が上がらないし
、韓国からの電力補給に軍が反対しているようである。

北朝鮮のような古代の絶対王政を取る国は、近代の工場を運営でき
ない可能性がある。王様が全ての指示をしないと国が回らないとい
う体制になっているためで、国家警察が自由な経営も縛っているこ
とで、いちいち工場の運営に口出しする党幹部や軍幹部がいること
が問題である。
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北朝鮮制裁 米国防総省、シュナイダー委員長が必要性強調

 【ワシントン笠原敏彦】米国防総省の諮問機関・国防科学委員会
のウィリアム・シュナイダー委員長は11日、毎日新聞のインタビ
ューに答え、米国の金融制裁に反発して6カ国協議再開に抵抗する
北朝鮮について「追加的な制裁は選択肢の一つだ」と述べ、厳しい
対応の必要性を強調した。委員長はラムズフェルド国防長官の側近
としてミサイル防衛の推進などに携わっており、ブッシュ政権内の
対北朝鮮強硬派の見解を示すものとして注目される。

 シュナイダー委員長は、6カ国協議が昨年9月に北朝鮮の核廃棄
に向けた共同声明を採択したことについて、個人的な見解と断った
うえで「北朝鮮が核問題の解決を望んでいるというのは幻想だ。北
朝鮮は朝鮮半島統一に向けた政治をコントロールするために核保有
が重要だと考えており、交渉により放棄するとは思えない」と言明
。「6カ国協議を通した解決が好ましいが、我々はその方向に向か
わないことにフラストレーションを覚えている」と述べた。

 また北朝鮮による核・ミサイル関連技術の拡散にも強い懸念を表明
し、これを阻止するには麻薬取引やニセ札製造などの違法行為による
財政収入を断つことも一つのアプローチだと指摘。「米国は6カ国協
議による問題解決の道を提供したが、北朝鮮の過去の非協調的な姿
勢を考えると米国には別の外交的な手段も必要だ。追加的な制裁の
可能性は選択肢として残っている」と語った。米政府内では穏健派
と強硬派で北朝鮮に対する姿勢の隔たりが大きく、委員長の見解は
強硬派を代表すると言える。
 委員長はまた、中国の軍事力増強について、「中国指導部の何人
かに聞いたが、彼らが軍事力の透明性を望まない理由は『近隣諸国
を警戒させるから』というものだ」と説明。「我々は中国を敵とは
見ないが、友好国の間では防衛計画の透明性を持つことが重要だ」
と中国の努力を促した。
(毎日新聞) - 1月13日10時2分更新
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中国政府「北朝鮮、マカオ銀行でマネーロンダリング」

 中国政府は3か月に渡る独自の調査結果、マカオ銀行を利用した北
朝鮮の違法なマネーロンダリング疑惑を一部確認したことが今月11日
分かった。北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の突然の中国
訪問が、これと関連があるかどうか注目を集めている。

 ソウルの複数の外交消息筋は、「中国側はこうした調査結果に基
づいて、北朝鮮に適切なレベルの後続措置が必要であると説得して
いる」とし、「宋旻淳(ソン・ミンスン)外交部次官補と中国の武
大偉外務次官が、北京で会ってこうした問題について論議したと聞
いている」と述べた。

 この消息筋らは、「昨年12月21日、中国の瀋陽で武次官が、北朝
鮮の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官に直接会って『北朝鮮が違
法な行為に関する責任を完全に免れることは難しい』という中国側
の調査結果を通報したことを聞いた」とし、「これに対して金次官
は『疑惑が事実の場合、後続の措置を検討できる』という立場を示
した」と述べた。

朝鮮日報
2006年01月12日07時03分

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