2216.水上バイクによる環境破壊



水上バイクによる環境破壊
           平成17年(2005)12月18日(日)
           「地球に謙虚に」運動代表 仲津 英治
 今全国的に水上バイクによる湖水の環境破壊が進んでいます。
琵琶湖畔に住んでいる私としても大関心事です。
 ところが、今さらに事態の悪化を進行させる方向に進もうとし
ています。周辺住民、環境NPOなどの働きかけで曲がりなりにも
水上バイク規制を打ち出した琵琶湖レジャー適正化条例(略称)
による規制処置を滋賀県が緩めようとしています。

 水上バイクによる環境破壊の実例を列挙しましょう。
1.	危険行為 
 猛スピードで水上を駆け抜ける水上バイクは、家族連れで水
のレジャーを楽しむ海水浴、湖水浴客にとって危険極まりない
存在です。水上バイク同士の衝突事故も多発しており、負傷者
が続出しています。

2.	自然破壊
 水上バイクを水辺に持込む輩は、全員が自動車で来ており、
乗り入れ禁止されている浜辺でも、乗入れ禁止ブロックを壊す、
急な斜面を土砂で均すなどして平気で車を乗り入れしています。

そして水鳥など野生生物の静かな生息域を奪い、植物、砂浜
を車輪で掻き回して生態系を破壊しています。水辺の砂浜は
生物のゆりかごなのです。水生生物の半分以上は砂浜で生ま
れていると言われています。

3.	迷惑行為が絶えない
 騒音を撒き散らします。
静かに湖水浴、海水浴を楽しむ観光客、水辺で他のレジャー
を楽しむ人たちや(探鳥、釣り、ウィンドサーフィンなど)、
売店経営者などに大変な迷惑を掛けています。
 排気ガスを撒き散らします。
 2ストロークエンジンが多い水上バイクからは不完全燃焼特
有の汚い汚染ガスが大量に排出されます。

 ガソリンが湖水に溢れでます。
 2ストロークエンジンは不完全燃焼が避けられず、一部ガソ
リンが湖水などに排出されます。琵琶湖など飲料水を取水して
いる湖では重大問題です。

4.最低のルールさえ守らない
 ゴミの放置して行きます。
 水上バイクを乗り回す連中が去った後の浜辺にはゴミが散乱
しており、周辺住民にとって大変な迷惑となっています。

 取水口付近での走行
 琵琶湖では飲料水のため、湖岸近くに取水口が設けられてい
ます。その周りでの走行は禁止されていても平気で水上バイク
を乗り回します。
 
今回、滋賀県が行なおうとしているの水上バイクへの緩和処置
は、3年目前に制定
された琵琶湖レジャー適正化条例(略称)の見直し期に入り、2ス
トロークエンジンの水上バイクを2008年3月に使用禁止する処置を
延期しようとしているのです。
正確には11月16日に琵琶湖レジャー適正化条例審議会でこの意見が
通ってしまったのです。

水上バイクは、北は北海道の屈斜路湖、支笏湖、山梨県の本栖湖
などで問題になり、支笏湖、本栖湖では全面禁止の方向です。
近畿の水がめの琵琶湖の環境破壊、汚染をさらに拡大させていい
のでしょうか。

2ストロークエンジンの水上バイクを生産し、販売しているメーカ
ーにも責任がありましょう。
抗議と意見などある方は、下記へお願いします。

提出先:自然環境保全課レジャー対策室 
〒520-8577大津市京町4丁目1−1 
TEL077−528−3480
FAX077−528−4846 
Eメール dg00@pref.shiga.lg.jp  
(琵琶湖レジャー適正化条例審議会は同課内)

参考情報
 びわ湖自然環境ネットワーク

米国のBluewater Network
http://www.bluewaternetwork.org/newsroom.shtm
Seven More Parks Close Waters to PWC (November 6, 2002)
アメリカでは新たに国立公園7ヶ所で水上バイクが禁止されています。
WWF JAPAN ホームページ


本件に取り組むNPO
FLB びわ湖自然環境ネットワーク 
〒520−0802 
滋賀県大津市馬場2−7−22 西柳川ビル305号
TEL077−524−8569 FAX077−524−1633
事務局 担当 井上哲也  (090-3820-8888)
E-mail:ttmm@mx.biwa.ne.jp 


仲津英治
「地球に謙虚に」運動代表
==============================
反日国民党は東アジアの平和を脅かす

               台湾研究フォーラム会長 永山英樹

■東亜のパワー・バランス崩す台湾の対中接近
先日は台湾の統一地方選挙をめぐり、日本でも民進党の凋落と国民党の躍
進がクローズアップされた。この両党の対抗問題への関心は再来年の総統
選挙に向けてますます高まるだろうが、これはたんに台湾の国内問題とし
てだけでなく、少なくとも東アジアの軍事情勢を左右するほどの国際関係
の問題として見た方がいい。そして中国人主導の国民党は政党としてだけ
でなく、中国の傀儡出先機関のようなものだとする見方も忘れない方が何
かと判りやすいし、そのように弁えておかないと、日本の安全保障も心も
とないものとなる。

国民党を中心とした台湾にいる中国人の政治勢力は、民主化によって支配
者層としての地位を剥奪された以降、一転して不倶戴天の敵であるはずの
中国に接近しているが、目下加速する一方のこのような動きを、台湾では
「聯共売台」と呼ぶ。中国統一(台湾侵略)を国家目標とする中国と連携
するのだから、「台湾を売り飛ばす」と言われるのは当然だ。

今日の東アジアは、一言で言えば日米と中国という二大陣営の対峙の時代
を迎えているが、現在アジア・太平洋地域での覇権確立のため軍備拡張に
猛進する中国膨脹主義にとり、日本列島や台湾の島などを結ぶ列島線は最
大の障害であり、そこを防衛する日米両国(日米安保体制)は、自国を封
じ込める最大の脅威となっている。だがもし逆に台湾併呑を達成すれば、
この列島線を突破して太平洋への軍事進出が自由自在になるばかりか、日
本を含む列島線以西を自分の支配下に置くことも可能となる。だからこそ
台湾は日本の生命線であり、絶対国防圏の一環なのだ。そしてそれと同時
に中国にとっても、そこは必ず攻略しなければならない要衝なのである。
ところがその台湾内部で、この島を中国に明け渡しかねないような動きが
活溌化しているわけだ。

自国の周辺海域のみならず、西太平洋までをも「中国の海」となし、アメ
リカをアジアから駆逐することは、今日の中国人の最大の夢である。そも
そも「中華民族」と言うものは、大中華の栄光の夢という一点で、初めて
形成、維持される民族なのだ。もちろんそれは台湾にいる中国人も例外で
はない。かつてアメリカの軍事的庇護の下で利益を享受し、安逸を貪って
きた彼らだが、今やそのアメリカの庇護をいいことに台湾人が擡頭し、さ
らには図に乗って台独で気炎を高めるという許しがたき趨勢にある以上、
そして自分たちの復辟を一生懸命後押ししてくれるのが中国である以上、
反共と言う祖法など顧みもせず、日米陣営から中国陣営へと傾くのは自然
の流れである。そしてどうせ接近するのなら、祖国の同胞とともに反日米
のパックス・シニカの夢を追求したいと考えるのも当然だし、だいたい中
国人の生態とはそのようなものなのだ。国共が演出する今日の友好ムード
に和平を期待する日本人がいるのなら、それは愚かとしか言いようがない。

例を挙げればきりもないが、中国の攻撃から台湾を防衛するために絶対不
可欠なアメリカからの軍備調達の特別予算案に国民党が強硬に反撥するこ
と一つを見ても、国民党はすでに中国陣営に加担していると言うことが充
分にできる。これは東アジアにおけるパワー・バランスに対し、多大な悪
影響をもたしかねない事態である。

■台湾人の親日意識を改造したい国民党

そして反日米へと向かう彼らの心に自ずと蘇るのが、反日以上の仇日意識
である。仇日とは日本が「侵略」について謝罪しようがしまいが、決して
解消されようのない一種の民族性で、中国人の心を一つに結ぶキーワード
にもなっているのだが、もちろん国民党も中国に接近すればするほど、反
日、仇日を持ち出すことになる。抗日戦勝60周年の今年、国共両党は連
帯しながら記念イベントを楽しんだが、それは昔の勝利を懐しむためだけ
でなく、両党間の民族的紐帯の確認と強化をも目的としていたように見え
た。国共間のコンセンサスと言えば、「統一」と「仇日」以外にはそうな
いのだ。

馬英九主席などは今年の就任以来、日本統治下で謀反を起こした台湾人た
ちを「中華民族の抗日英雄」として盛んに顕彰している。統一地方選挙で
はキャンペーンの一環として、「英雄」の墓前で涙を流しながら献花を行
い、台湾人票を集めようとしていた。これはいかにも中国的で浅はかなパ
フォーマンスだが、必ずしも笑って済ますことはできないようだ。要する
に国民党は、台湾人をも反日意識でまとめ上げようと試みているのである。
ことに台湾人には「反中ゆえの親日」「親日ゆえの反中」という特殊心理
があるため、こうしたものを「反日=親中」へと改造したいのだ。これは
終戦後の台湾占領以来の、国民党の中国人の最大の政策課題でもある。

もちろんそれはとてつもない難事業だが、難事業であればあるほど、思想
統制と言う脅迫をも含む、ありとあらゆる手段を行使しようとするのが中
国人であることを忘れてはならない。支配者層の地位を奪われ、臥薪嘗胆
すること十余年、国民党などの中国人がどれほど台湾人への復讐に燃えた
ぎっているかは、我々日本人には想像も及ばない。先の総統選挙直後に見
られた反民進党の暴動や選挙無効の訴えと言った一連の狂奔は、その情念
の一端をありありと見せ付けてくれた。その彼らが政権を奪還したあかつ
きには、いったいどのような苛烈な手に出るのだろうか。すでに中国と言
う後ろ盾がある今日、かつてのようにアメリカの民主化要求の圧力に安々
と屈することなどないかも知れない。

■政府は断固たる台湾保全の戦略を

当然のことながら最近は日本でも、「国民党が与党になると、台湾は反日
国家になる」との予測が一般的だ。そのため地方選挙の勝利後、党勢復活
アピールのため日本へやってきた江丙坤副主席率いる国民党議員団は、と
くに「国民党は反日ではない」との釈明に努め、日本が民進党支持に回ら
ないよう牽制した模様だが、一行が中川昭一農水大臣と会見した際には、
同党の本質がとてもわかりやすく曝け出されている。

報道によると、一行のある「ベテラン議員」が、「日本は台湾にもっと友
好的であるべきだし、中国や韓国にももっと友好的であるべきだ。そうし
なければアジアは安定しない」との「要求」なり「指導」なりをしたとこ
ろ、中川氏は不機嫌になり、「あなたたちは中国が共産主義国であること
を知らないのか」と反論したらしい。また国民党が軍備調達予算案に反対
していることに理解を求める一行に対し、「中国はミサイル八百基の標準
を台湾に合わせているのに、なぜ頑なに軍備調達に反対するのか。・・・台
湾が取られたら、ハワイすら守れなくなる」と批判したとされている(自
由時報、12月11日)。要するに彼らは、中国陣営が派遣した使節団のよう
なものだったのだ。

国民党は自らの対中接近について、「緊張緩和のためだ」と強調し、国民
の支持を集めつつあるが、こうした中国の要求通りのやり方によって台湾
の存立が危殆に瀕する可能性については決して言及しようとしない。中国
が台湾に求めるものは「統一」以外にないことを知りながらの接近は、投
降に等しいものがある。中国が反国家分裂法を制定して敵意を剥き出しに
した直後、当時の連戦主席がわざわざその国を親善訪問したのは、実に象
徴的な出来事だった。そして恐るべきことに今日、この政党による政権奪
取が現実味を帯びてきているのだ。

日本としては、そのような事態だけは回避してもらいたいものだ。国民党
がいかに「反日ではない」と訴えたところで、反日米である中国陣営への
鞍替えを進めること自体が「反日」であり、日本人の生存を脅かす「敵日」
だからである。日台は好むと好まざるとに関わらず、中国という敵を前提
とした運命共同体であるが、国民党はその共同体にとっては獅子身中の虫
であるわけだ。そのような「虫」は日本の側にもウジャウジャいるが、や
がては中国公認の下、日台間での親中派提携という局面も現れるだろう。

このような国民党にストップをかけられるのは、やはり台湾の選挙民であ
る。ところが国民党は、中国の飽くなき武力恫喝を受け続ける国民に対し、
「民進党が政権を握っていると、中国が攻めて来る」との中国の代弁脅迫
を行い、「戦争が嫌なら国民党へ一票を」と宣伝するため、それに乗って
しまう者が実に多いのである。だがこうした台湾人を一概に愚かだと批判
はできない。国際社会で孤立感を深め、「どうせアメリカも日本も台湾を
守ってくれない」と諦めがちな彼らは、藁をもすがる気持ちで国民党に期
待するという側面が大きいからだ。それであるなら日本政府は、このよう
な状況に有効に対処しなければならない。

つまり日本版の台湾関係法の制定も含め、台湾支持、台湾防衛の決意を表
明し続け、以って台湾国民に国防上の自信と安心を与え、日本との一体感
を醸成し、現実的判断を促すよう、大いに動くべきなのだ。そうすれば国
民党内で多数を占める台湾人の中からも、覚醒する者は出てくるだろう。
彼らにしても、日頃は中国人に追従はしても、心の中では「台湾人の台湾」
を維持したがっているからである。

日本がそうした姿勢を示すことは、国防上台湾と一蓮托生である国として
当然のことなのだが、それを日本人がなかなか判らないところにも大きな
問題があるのである。かつて民進党の国民投票政策に異例のクレームをつ
けたことからも判るように、日本政府が民進党よりも国民党の中国政策を
支持してきたことは疑いない。しかし本来圧力をかけるべきは国民党に対
してなのだ。反日勢力を支持するのは相変わらずだが、それが安全保障上
の愚策中の愚策であることを、中川農水大臣は別としても、政府は一刻も
早く認識しなければならない。そしてその上で、東アジアの平和防衛のた
め、断固たる台湾保全の戦略を打ち立てなければならないのだ。
                      
     Kenzo Yamaoka

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