2193.世界の構図の変革



米国が変化している。その延長上で世界も変化している。
その検討。                    Fより

バーネットの理論が国防総省内に大きな影響を持ち始めたのと、ネ
オコンの理論が敗退したために米国の戦略が大きく変化している。
この影響を検討している。アジアは前回検討したが、今週、台湾と
バチカンが友好関係を継続するというニュースがあった。この意味
をまず知ろう。

中国には信仰の自由がない。このため、法輪功が中国現政権に反対
しているが、同じことをキリスト教でも行われている。米国のブッ
シュ大統領やライス長官が中国に行くと、プロテスタントの教会で
ミサをするのは、中国の宗教政策に異を唱えるためであり、バチカ
ンも中国に宗教の自由を保証してほしいと要求していた。

しかし、中国は宗教の自由はイコール法輪功を許すことになり、宗
教を信じることはいけないという理由しかない法輪功への弾圧がで
きなくなるために、宗教の自由を許可できないと中国はバチカンに
言っている。このため、バチカンは中国と国交を正常化していない。

どうも、法輪功を裏で支援しているのもバチカンである可能性が高
いようである。中国国内で宗教戦争にもなっていることに注意が必
要である。バチカンとプロテタントの利害が一致している。このた
め、米国も欧州も経済的な価値がなくなった中国には投資をしなく
なる。経済関与政策で、民主化が出来るという理論は敗退している。

また、中国の経済政策が変化してきた。今までは外国からの投資を
加速させて中国経済を拡大したが、その海外からの投資が無くなっ
てきたので、消費者の需要で経済を拡大しようというのである。
投資が減ってきて、それでは経済の拡大が出来なくなっていたので
、苦し紛れに消費拡大と言っているようにも感じる。早く中国から
企業は撤退しないと、中国のバブル大崩壊で倒産することになる。
中国国内の消費などは高が知れている。早く撤退をすることである。

そして、欧州も変化してきた。ドイツのメルケル首相は親英米派で
あることは知られている。ドイツ経済は米国への輸出で持っている
ことを重要視している。このため、フランスとの同盟を解消する方
向になる。すでに英国に行って、ドイツは英国とも協力してやって
いくと表明している。今度、米国にメルケル首相は行くが、米国と
歩調を合わせた行動をすると表明するはずである。裏でライス長官
と交渉をしているが、米独の友好を表明することは決まっている。

もう1つが、反ロシア連合が中東欧に誕生して、ロシアの独裁的な
プーチン体制に反対し、親欧米で民主化した市場経済を目指すこと
になる。その盟主がこれも英国、米国とドイツである。ここでもド
イツは重要な役割を担うことになる。米軍はドイツからポーランド
などに基地を移動させたが、米軍自体の数は大幅に減少している。
もし仮にロシアが侵攻しても、ドイツまでは食い止めることはでき
ない。

ドイツはロシアとも重要な関係にある。パイプラインでロシアの石
油を大量に使っている関係から、ロシアとの関係を親密にする必要
がある。このようにEUでの位置付けがフランスからドイツにシフ
トしている。英国もドイツの力を借りて、EU内での位置を向上さ
せようとしている。現時点で、欧州の変化がどうなるのかは見えな
いが、ドイツを中心に変化していることは確かである。

米国の変化で一番影響が大きいのはイスラエルである。ネオコンと
いうリクード右派別働隊が米国政府内で力があったときは、ネタニ
エフを中心としたリクード右派が主導権を握っていたが、米国の戦
略変更で、特に中東民主化から中東関与政策に変更した影響は大き
い。イランやシリアへの侵攻がないために、イスラエルの存亡は、
パレスチナとの平和共存策にしかないことになっている。このため
、シャロン首相はガザから撤退したし、かつシャロン首相はリクー
ドから脱退して穏健な労働党のペレスと共同で新党を立てた。

今後のイスラエルはパレスチナとの平和共存をどう仕上げるかが問
題で、これは大イスラエルから小イスラエルへの大戦略変更になる。
国内6%の原理主義者と穏健なシャロン政権が大きく対立する状態
になると考えられる。しかし、イスラエルの強硬派シャロン首相が
一夜にして穏健派になる変身は見事というしかない。国際情勢の読
みは流石である。これは米国での情勢変化からの当然の変身なので
す。

2150.中国の民主化
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/k7/171022.htm
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協力関係維持に合意 台湾とバチカン

 【台北25日共同】台湾の陳水扁総統は二十五日、訪台している
バチカンのローマ法王庁のトーラン枢機卿=元外務局長=と会談し
、「台湾と法王庁は民主と人権、自由と平和をともに信仰しており
、双方が価値を共有するパートナー関係が永続するよう、希望する
」と述べた。
 トーラン氏は「法王庁は台湾との協力関係を引き続き発展させた
い」と応じ、関係の維持、発展に合意した。
 バチカンは台湾が外交関係を持つ二十五カ国のうちの一国。陳総
統の発言はバチカンが中国との国交樹立に動かず、台湾との外交関
係を維持するよう暗に求めたものだ。
 十八日付の香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、
トーラン氏の訪台は中国との国交樹立に向けた根回しが狙いとの見
方を伝えたが、台湾の外交部(外務省)当局者は「憶測にすぎない
。そのような心配はしていない」と話した。
20051125 1956
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中国、投資から消費主導へ転換・来年の経済政策を決定
(nikkei)

 【北京=吉田忠則】中国共産党・政府は11月29日から1日まで3日
間、来年の経済政策を決める中央経済工作会議を開いた。過剰投資
が原因で過熱しやすい経済体質を改め、個人消費の拡大を促すこと
を打ち出した。エネルギー効率を高め、環境汚染を食い止めること
も掲げた。来年の成長目標は公表していないが、8%程度とする方向
で話し合われたもようだ。

 昨年の同会議はビルや工場の建設ラッシュを問題にし、過剰投資
の抑制に力点を置いた。今年は次期5カ年計画が来年から始まるのを
踏まえ、中期的な視点から構造問題の解決を重視したのが特徴。
ただ公表された内容は方針を示すだけで具体策に欠ける印象が否め
ない。

 会議で演説した胡錦濤国家主席は来年の課題として八つを提案。
その筆頭に「投資と消費の関係を調整し、特に農民の消費拡大に重
点を置く」ことを掲げた。中国は13億の人口のうち農村部が約6割を
占める。提案は発展から取り残された農村の所得を増やし消費を刺
激するのが狙い。 (00:10) 
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メルケル独首相、年明けに初訪米・対米関係の緊密化目指す
(nikkei)

 【ベルリン=菅野幹雄】ドイツ首相府は30日、メルケル首相が
2006年の年明け早々に訪米し、1月11日にホワイトハウスでブッシュ
米大統領と会談する予定を明らかにした。先月22日に発足したメル
ケル政権はシュレーダー前政権時代にぎくしゃくした対米関係を再
び緊密にすることを外交の柱に据えており、首脳間の対話実現を急
いだ。

 独首相府のウィルヘルム報道官は声明で、会談が「ブッシュ大統
領の招きによる」と指摘し、親米路線を掲げるメルケル政権に対す
る米側の期待を印象づけた。米国との協力関係を深化させることを
メルケル首相の訪米の狙いとして、国際問題と2国間関係について意
見交換する見通しだと説明している。

 ドイツのシュタインマイヤー新外相は就任1週間後の29日に米国で
ライス米国務長官と会談。ライス長官も今月5日に訪独してメルケル
首相と会う予定だ。 (10:08) 
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ペレス元イスラエル首相、総選挙でシャロン首相を支持する意向を表明
  
 [テルアビブ 30日 ロイター] イスラエルのペレス元首相
は、来年3月の総選挙でシャロン首相を支持する意向を明らかにす
るとともに、労働党からの離党を示唆した。
 ペレス元首相は記者会見で「今後数年間にイスラエルが直面する
重要課題は何かと自問した。それは疑いの余地なく、避けることの
できない平和と外交プロセスの進展の交差地点だ」と語った。
 ペレス元首相は、和平推進にはシャロン首相が最も適任だとし、
「従って首相の出馬を支持し、これらの目的を達成するため、首相
に協力することを決意した」と述べた。
 ペレス元首相は、労働党からの離党を正式に表明することはなか
ったものの、「(労働)党での私の活動は終わった」と語った。
(ロイター) - 12月1日11時25分更新
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<米世論調査>イラク情勢混迷で孤立主義の傾向が復活

 【ワシントン笠原敏彦】イラク情勢が混迷を続ける中、米世論に
米国は他国の問題に介入すべきではないとする孤立主義の傾向が復
活していることが、このほど発表された世論調査機関「ピュー・リ
サーチ・センター」などの調査結果で明らかになった。他国の問題
への介入を望まない人々は42%に上り、ベトナム戦争後、冷戦終
結後に並ぶ高さになっている。
 調査は、同センターと有力シンクタンク「外交問題評議会」が数
年ごとに実施。今回は9〜10月に、一般市民約2000人と外交
、軍事、メディア関係者らオピニオンリーダー520人を対象に行
われた。
 調査によると、全体の42%が「米国は国際社会で自らのことに
専念し、他国のことは他国に任せるべきだ」と回答した。イラク戦
争開戦(03年3月)前の02年の30%から大幅に上昇し、ベト
ナム戦争終結後の76年と、冷戦崩壊により「平和の配当」への期
待が高まった95年に記録した41%を超える結果になった。
 報告書はこうした結果について、イラク戦争が国際情勢を不透明
にし、「国民の間に孤立主義の復活をもたらしている」と説明して
いる。
 また、米国の国際社会でのイメージについては、66%が米国は
過去に比べて尊敬されなくなっていると答えており、報告書はこれ
もイラク戦争の影響と指摘している。
(毎日新聞) - 11月26日11時58分更新
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ウクライナなどが新国家間機構創設 反ロ連合と警戒も(ASAHI)
2005年12月03日10時12分

 ウクライナの首都キエフで2日、新国家間機構「民主的選択共同
体」が創設された。ウクライナのほかグルジア、マケドニア、モル
ドバ、スロベニア、ルーマニア、バルト3国の9カ国が参加。政府
、非政府レベルで民主化の取り組みを助け合い、欧州への統合を進
めるとしているが、ロシア国内には反ロ連合の創設だとして警戒す
る見方が出ている。 

 インタファクス通信によると、グルジアのサアカシュビリ大統領
は「共同体がロシアに対抗するためではないかと言われるが、そう
ではない。民主的で平和なグルジアは隣国ロシアの国益に合致して
いる」と指摘した。 

 しかし、参加国はいずれも旧ソ連や旧共産圏で、近年ロシアの影
響力からの脱却を目指してきた国が多い。実際、ウクライナのユー
シェンコ大統領は演説で「数百万人が死亡した32〜33年の飢餓
のような事態を避けるために、我々は力を合わせなければならない
」と、旧ソ連時代の悲劇を引き合いに出して、参加国の団結の必要
性を訴えた。 

 インタファクス通信は、ウクライナ共産党の話として「今回の共
同体は旧ソ連で作る独立国家共同体(CIS)やロシア、ウクライ
ナ、ベラルーシ、カザフスタンで結成を目指す『統一経済圏』にと
って代わることを狙っている」との見方を紹介した。 

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