2167.AEIのシンポジウム



AEIのシンポジウム            アルルの男・ヒロシ
 とある「ネオコン君」の日本に対する認識。 
ネオコンのマックス・ブート君(CFR)

最近、産経新聞に
米外交問題の論客、政策を提言 対中軍事抑止 日米で協力を 
[2005年10月31日 東京朝刊] 

という記事があった。この記事は日本における“ネオコンの総代理
店”と化している、産経の古森義久さんが愛読していると思われる
、ネオコンの機関誌「The Weekly Standard」の中の10月10日号
の以下の論文の内容を紹介したものです。


Project for a New Chinese Century 
Beijing plans for national greatness. 
by Max Boot 
10/10/2005, Volume 011, Issue 04 

いろいろ気になって、ある方にこのネタを話したら、こんなブート
の論文もあるぜよ、と教えてくれた。

一つ目:靖国神社に行った話。遊就館がひどい。英米の軍人に対す
る日本の虐待とか、南京大虐殺20万人説を書いていない。それど
ころか、靖国では「真珠湾はFDRの陰謀」とか書いている、ゆる
さん。
http://www.cfr.org/publication/6565/japans_memory_lapses.html?breadcrumb=default

2本目:広島の原爆を俺らは恥じることはない。それよりも枢軸国
の方がずっと非道いことをしているじゃないか。
http://www.cfr.org/publication/8578/why_feel_guilty_about_hiroshima.html?breadcrumb=default

古森さん、この二つをちゃんと紹介しなきゃダメじゃん!じゃない
と「やっぱりただのネオコンの工作員だったのか〜」だと疑われち
ゃうよ!!(笑)

リベラル派のアメリカ知識人が、似たようなことを言うと直ぐ報道
してくれるのにねえ・・・。不思議だよねえ。(リンクした記事は
どれも面白いから読んでみてね)

===

上杉隆さんのブログで、ネオコン派の旗艦的シンクタンク(あの
PNACも確かこのシンクタンクの事務所に入っている)のAEI
が「日米同盟シンポジウム」を開いたというネタを載せていました
。「あれまあ、やっぱりなあ」という感じの出演者ですね。

(貼り付け開始)

2005年10月26日
「日米同盟の変遷 防衛協力と統合の深化に向けて」@AEI
AEI(アメリカン・エンタープライズ研究所)主催の日米同盟シンポジウム(初)。
昨日(10月25日)から2日間にわたって開催@キャピトル東急ホテル。
以下、日米の主な出席者(発言順)。

10月25日(火)
クリストファー・デミューズ(AEI理事長)
ジョセフ・R・ドノバンJr.(在日米国大使館首席公使)
前原誠司(民主党代表)
リチャード・ローレス(米国防副次官)
長島明久(民主党「次の内閣」防衛庁長官)
アーロン・フリードバーグ(米プリンストン大学教授)
ダニエル・プレッツカ(元米上院外交委員会近東南アジア担当上級
                   専門スタッフ/AEI外交防衛政策研究副部長)
額賀福志郎(元防衛庁長官)
石破茂(元防衛庁長官)
鶴岡公二(外務省総合政策局審議官)
ジョン・ヒル(米国防次官補室部長)
ダン・ブルーメンソール(元米国防総省・国際安全保障オフィス上
                        級部長/AEI研究員)
ティモシー・ラーセン(在日米軍副司令官/少将)
金田秀昭(三菱総合研究所主任研顧問)
リチャード・ウィアー(米大統領国家安全保障会議統合参謀本部/中佐)
山口昇(防衛研究所副所長/陸上自衛隊陸将)
トーマス・ドネリー(米議会・日中安全保障検討委員会委員/AEI研究員)
安倍晋三(自民党幹事長代理)

10月26日(水)
トーケル・パターソン(元米大統領特別顧問/元国家安全保障会議
                      アジア担当上級部長)
リチャード・J・サミュエルス(マサチューセッツ工科大学《MIT》
                                      国際研究センター所長)
佐藤達夫(三菱商事執行役員宇宙航空本部長)
ニコラス・エーベスタット(米国立アジア研究所顧問/AEI政治経済
                          部門議長)
阿川尚之(慶応大学総合政策学部教授)
ケント・カルダー(ジョンズ・ホプキンス大学東アジア研究所/朝鮮
                                        半島研究所所長)
久間章生(元防衛庁長官)

http://www.uesugitakashi.com/
(貼り付け終わり)

安倍ちゃんだの、岡崎研の金田さんだの、当然長島さんも入ってま
すし、色々取りそろっていますね。このリストはある意味保存版か
もね。北朝鮮エキスパートのエバーシュタットやシュミレーション
のサミュエルズまでいるわ!手先どもとハンドラーたちの記念すべ
き集会です。(^^)

石田日記に写真発見、マイケル・グリーンが来なかったのでカルダ
ーが来たとあります。また、防衛産業の人が多かった、とも。アメ
リカはマジで日本を巻き込む気です。  
==============================
 台湾には、なぜ英会話ができる人が多いか。
――テレビで外国語番組が原語で放送される----
                平成17年(2005)11月3日 
                 前 台湾高速鐵路公司勤務 仲津英治

 日本の学生などの「学力低下」問題がよく採り上げられています。平成15年
(2003)夏から約2年台湾に住んだ経験を踏まえ、感じたことを少し述べさせて
下さい。

 それは「学校ばかりが教育の場ではない。家庭、社会、あるいは娯楽の場も
全て教育の場である」ということです。とりわけテレビの影響力は大きいも
のがあります。

 ここでは英語を中心とした語学教育にテーマを絞ります。
 私の印象では、台湾では英語を多少は話せる人は、3割位、日本語をそこそこ
話できる人は1割位いるように思えました。そして台湾の人達は日常会話とし
て台湾語、そして共通語として北京語を大抵の人はこなせます。両者は単語
も一部異なり発音は全く異なるので、それだけで2ヶ国語を操るようなものです。
さらに英語、日本語を話せる人が多いのですから、日本以上に相当に国際化され
た社会と言えましょう。

 台湾での国語教育は、まず小学校1年生が注音符号という発音記号で言葉を教える
ことから始まり、その後小中学校の間で漢字を習って行きます。その絶対数は
日本で使う漢字の数倍はありましょう。しかも大學、鐵道のように古典的な漢字
をそのまま使っています。街の人も見事に難しい漢字を書いてくれます。この点、
日本の国語教育は詰込みとかいう以前の段階でしょう。

 英語教育はかつて日本と同じく中学校からの開始でありましたが、今や小学校低
学年から行なわれるようになったそうです。そして大抵の親は教育熱心で、両親
が働いて収入を得、小さい頃から英語学校へ子供を通わせます。その目的は、就職、
待遇などに有利という面もありますが、いざという場合への備えでもあるようです。
子供を英語圏の外国(英米加豪など)へ留学させ、永住権を取らせてから、可能
なら海外へ移住することも考えています。危険を避けるため国外に脱出する際、
頼りになるのは身内と言葉です。自らは自らの身内で守り合うべく、日頃から手
を打っているのです。

 日本語は大学で1年間の第二外国語教育を選択する際、多くの学生が選ぶようで
す。僅か1年間の日本語学習しかしていない割には、日本語を使える人が多いのに
は驚かされました。私の印象では台湾人は、日本人に比べ、語学の達人かと思え
ました。この基礎は何かというと家庭とテレビにあるといえるのではないでしょ
うか。

 まず戦前からの一般家庭では祖父母(概ね70歳以上)は、1945年までの日本時
代に小中学校教育を受けており、日本語の日常会話ができます。彼らから家庭生
活を通じて、日本語を多少覚えるようです。

 そして語学教育にプラスしているのがテレビです。台湾はほとんどケーブルテ
レビであり、台北辺りでは100チャンネルもあります。中国語の放送は、北京語、
台湾語、客家語(ハッカ語)で流されています。もちろん北京語放送の割合が高
いようですが、台湾語放送も多く登場します。そしてどの言語であっても必ず漢
字で字幕が流されます。政治家の演説もドラマ、アニメーション、ドキュメント、
歌謡番組も一字一句漢字で表記されるのです。テレビニュースも見出しは漢字で
表されています。そしてこれが台湾の子供たちをして漢字を覚えるベースになっ
ているのです。驚くほど難しい漢字を小学生が読めるようになるのはテレビの字
幕放送の成果ですと、何人かの台湾人から伺いました。

 この字幕放送主義は、台湾の英語番組、日本語番組でも概ね貫かれています。
一般のドラマ、ドキュメント、アニメーション、歌謡番組など収録されたものの
放送は、概ね音声が原語のまま放送され、漢字字幕が流されています。もちろん
吹替番組の場合もありますが、その場合も漢字字幕が流されます。そしてこの原
語放送がまた、英語教育、日本語教育になっていると認識しました。というのは、
職場、私生活などで知り合った台湾人で英語、日本語を結構こなせる方々に英語、
日本語を習うようになったきっかけなどを伺うと、テレビのアニメーション、ド
ラマを挙げる人が実に多かったからです。最近は衛星放送による外国放送が直接
見られることも拍車を掛けているようです。

 言葉の発声の原点はまず耳からです。我々が母国語を話せるようになるのは、
母親の胎内そして生育の過程で普通は母親の話しかけ言葉を覚え、そして発声に
繋がっていくからです。この原則は大人になってからも同じで、まず耳から入っ
た外国語を自らの音声で反芻してみて、自分のものになって行きます。

 日本のテレビでは外国語の番組は殆ど日本語に吹き替えられています。これは
乳幼児のころからの外国語習得の機会を奪っているような気がします。

私の関わった台湾高速鉄道プロジェクトには台湾人以外にも欧米人初め、多く
の外国人が従事しています。結果公式使用言語は、今や世界共通語になりつつ
ある英語です。英語で対等に欧米人と会議で論議し、日常の仕事を進めていけ
る台湾人は結構います。が、議論では欧米人に勝てないと言う人も多いようで
した。ましてや日本人では欧米人と渡り合える人は極めて少数です。

 新幹線という世界に冠たる高速鉄道技術を持ちながら、欧米鉄道先進国にアジ
アへの進出を許しているのは、英会話力の貧弱さも一因であると痛感した2年間
でありました。この点、英語の得意な香港人、シンガポール人が、アジアのビジ
ネスで活躍しているのをよく見聞きしました。

 日本は貿易で成立っているとよく言われますが、実際の国民所得の90%強は
国内生産と国内消費に拠っています。国民の9割以上は、日本人を相手に日本語
で生活が成立っているのです。12,800万人の人口大国のおかげでしょう。外国語
は、生活に必要なければ普通は中々覚えるものではありません。この点人口小国
の台湾の方がよほど国際国家です。欧州でもオランダ等では英独仏語をこなせる
人が多いのは国際交易のためでもありましょう。

しかし日本国が、今後もさらに貿易国家、国際国家としての道を維持・拡大し
て行こうと選択するのであれば、日本人が英会話力をもっと身につけないとそ
の基礎は危ういままであると思うのです。

 その改善の一手段としてテレビ番組で外国語音声のドラマ、漫画、記録物など
は吹替無しで、字幕放送をすることを提言します。言語を学ぶ場は学校だけでは
ありません。テレビを見るという娯楽の中でも自然に言葉は身について行く可能
性があるのです。
 皆様いかがでしょう。               以上

仲津英治
「地球に謙虚に」運動代表
「地球に謙虚に」ホームページ
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kenkyoni/
==============================
F様             MYと申します。

 体調不良とのお話。
いいウンチ、いいおならがでていない、でしょうか。
EMに興味をもち知り得たものは腸内細菌の管理です。
EMセラミック微粉体(7ミクロン)を飲用しますといいウンチ、有音の
いいおならがでます。
腸内細菌が悪玉菌優勢ですと毒素を体内に送り出し対症がいつまでも
よくならないようです。

PCの電磁波対策にはEMセラミックシールを画面外の4隅に貼っています。

PC社会の電磁波による体調不良のようなものが、意図的に押さえ込まれて
いるようにも思いますが、どうなんでしょうか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
MY様

ご心配していただいて、ありがとうございます。
体調も一時よりよくなっています。気の力と思っています。
EMの効用は知っていますが、MYさんほどには用いていないです。

やはり、座禅と得る気の力を知ると、そのパワーを活用したいと思
うが、1人の人間で気を感じる能力と気を出す能力を両方ともにでき
る人は少ないようです。

どちらかと言うと、私Fは気を感じる能力は非常にいいが、気を出
す能力を鍛えていないために、それほどでもないようです。

F拝
==============================
彷徨えるイラクとの誤認識   
   
 新憲法で連邦制を選択/早期安定は外国の高望みだ
東京国際大学教授 渥美 堅持
2つの言語のイスラム連邦国  世界日報掲載許可

 十月二十五日、イラク選挙管理委員会は新たなイラクを表現する新憲法が投票率63%、
 賛成78%で承認されたと発表した。スンニー派、シーア派そしてクルドという単語が
 マスコミを賑わし、悲観論で満ち溢れた未来予測が出されていた中での結果であった。

 それは修正憲法承認国民投票はイラク分裂を世界に見せつけることになるとの観測が崩
 れ去ったことを意味した。イラク問題に接する時、まず出会うのはこの悲観論であるが、
 これまでの政局は困難な環境にありながらも進行してきた。

 日本のように単一民族、単一言語そして一つの秩序下の国家が安定の条件を考えると、
 イラク情勢は確かに不安定であり、その先にも不安定な情勢が待ちかまえていると判断
 するのは当然であろう。しかしイラクは複雑な社会構造を持つ世界である。これまでは
 独裁体制ゆえに統一されてきただけにすぎない。今イラクは独裁体制からの脱皮を図っ
 ている過程にある。そして彼らが選択したのが連邦制である。連邦制は常に小さなトラ
 ブルを内在させながらその歴史を織りなしていくのを特徴とする制度である。

 連邦制を破壊し独裁者の登場を期待するという意識が生まれない限り、小さなトラブル
 が起きるのは容認される範疇に属する。

 イラク国民は独裁政権を拒否し民主再生を期待している国民によって構成されている国
 であり、それは個々の文化の尊重によって作られる。新憲法では旧政権に関係の深いバ
 ース党員の登用を禁じ、二つの言語を国語とし、両者に共通の法秩序イスラームを法源
 の一つとした。その結果、連邦政府の下で立法、司法、行政の三権を保有する地域政府
 が出現することとなった。

懸念される諸外国からの要求

 多くの人はスンニー派、シーア派の対立から分裂が開始されるであろうと読み、クルド
 の動向が混乱を生み出すであろうと見ているようであるが、イラクは中東世界の中にあ
 ってエジプトと同様、定着的民族の特性から国家意識を強く持つ国民で構成されている。
 アラブ・シーア派教徒とアラブ・スンニー派教徒の結婚は極く普通に見られる現象であ
 り、クルドとの共存、異文化との共存に独特の才能を持っている国民である。それゆえ
 現在の興奮した時期を過ぎれば国民の感覚はその特徴を見せることになると考えられて
 いる。

 地域政府の出現は法解釈の異なる地域が出現することを意味するが、これはこれまでの
 イスラーム世界では極く自然に見られる環境であり、我々が考えている以上に巧みな共
 存の手腕を発揮するものと思われる。クルド民族はクルド世界を創造し、アラブはアラ
 ブ世界を創造する。互いの意識の承認が連邦制のバランスを保持することとなり、現在
 の世界に存在する連邦制国家がこれからのイラク国民の教科書となろう。

 このようにその成立には時間がかかるが、イラクはイラク国民の手に委ねればやがて混
 乱は治まるものと思われる。しかし世界はイラクの安定の早期達成を求めている。それ
 は石油の産出とテロ集団の消滅を早期に願う要求に基づいているばかりか、新生イラク
 の生みだす兵器市場としての期待である。この膨大な要求がイラク情勢のバランスを崩
 すことになるが、現在のイラクを取り巻く世界の要求は、これを撤回することができな
 いほど強力な性格を持ち、そこに現在のイラクの不幸が存在する。

米欧日は混乱から身を引くな

 今、米国をはじめ日本でもイラクからの撤退を要求する声が高まっている。しかしイラ
 ク自らテロリストを粛清する能力が無く、生活環境を維持する力がなければイラク問題
 から手を引くことはできない。イラクは中東の中原にあってイラクの混乱は中東全体の
 混乱を導くことになる。その影響は世界に大きな影響を与えることになる。

 今、テロリストは安住の地をイラクに求めようとしていることを見逃してはならない。
 そのためにはイラクを混乱状態にすることが必要不可欠なこととなる。その結果、クル
 ド民族は自衛を強化し独立独歩の道を歩みかねない。それはトルコを刺激し戦乱は今の
 状況より拡大し、中央アジアを刺激し、野火の如く戦乱は拡大していくことになる。

 加えてエネルギー情勢は今以上に悪化することは避けられない。それゆえ今の混乱から
 身を引くことはできない。欧米諸国のイラク接近の背後には国家利益の追求という影が
 確実にちらついているが、今それを無視してまでもイラク連邦国家の成立に向けて協力
 せざるを得ないのが現状であろう。

 自衛隊の撤退もサマワの自立が可能となったことを見計らって行わないと、日本のこれ
 までの努力は沙漠の楼閣となることを考えるべきである。引くことのできない現状、そ
 れが今のイラク情勢であると言えよう。

     Kenzo Yamaoka
==============================
F16をキューバに売却も−ベネズエラ   
   
 契約不履行と米を牽制 
 中南米きっての反米派として知られるベネズエラのウゴ・チャベス大統領は一日、同国
 が保有する二十一機のF16戦闘機(米ロッキード社製)の保守部品供与などを米側が
 怠っていると批判、米側の対応次第ではキューバや中国などの第三国に保有機を売却す
 ることもあり得ると米政府を牽制(けんせい)した。四日からアルゼンチンで開催され
 る米州サミットを前にベネズエラ側が先制パンチを繰り出した形だ。
(サンパウロ・綾村 悟・世界日報掲載許可) 
--------------------------------------------------------------------------------
 「二十一世紀型の新社会主義実現」を標榜(ひょうぼう)する南米ベネズエラのチャベ
 ス大統領は、一九九八年の就任以来キューバのカストロ議長を盟友と呼ぶなど、その反
 米的な政治姿勢で知られている。
 そのチャベス大統領の一日の発言は、ベネズエラが中国の技術供与を得て通信衛星を打
 ち上げることに対する式典の中で述べられたもの。式典の中で同大統領は、四日からア
 ルゼンチンのマルデルプラタ市(首都ブエノスアイレスから南に約四百キロ)で始まる
 米州サミットに向けて米州自由貿易圏(FTAA)構想や途上国支援などに対する米側
 との意見の相違を主張して米政府を牽制、F16戦闘機の売却発言はその中で行われた
 もようだ。

 チャベス大統領は、米側がF16の機体性能維持に関する契約を履行していないばかり
 か、同戦闘機の維持に関して技術協力を行わないようにイスラエルに圧力を掛けたなど
 と批判(イスラエルもF16を多数保有)、「米側が契約履行を拒否するのであれば、
 われわれも好きにさせてもらう。米戦闘機をキューバや中国に供与して彼らに技術を公
 開しよう」などと米側を挑発した。ただし、通常、第三国への米製戦闘機の売却は米側
 との契約で厳しく禁じられているという。

 チャベス大統領の発言を受けて、駐ベネズエラの米大使は、「一九八二年の戦闘機売却
 時の契約では、ベネズエラ政府が第三国へF16戦闘機を売却する場合、米政府への許
 可を求めることを義務付けている」と反論している。

 ベネズエラと中国は、近年経済・技術協力などを通じて関係を強化しており、昨年十二
 月には原油供給や油田開発投資など広範な分野での二国間協定に合意している。中国は、
 昨今の経済成長でエネルギー確保が重要課題になっており、最近では長年「米国の裏庭」
 とも言われてきた中南米において資源・食料分野での外交攻勢を強めている。近年相次
 いで左派系政権が中南米で誕生していることも、中国の動きを後押ししているようだ。
 また、ベネズエラは中国からジェット戦闘機を購入することも検討していると伝えられ
 る。

 F16はロッキード・マーチン社製の小型戦闘機で、運動性能の高さやその汎用性、ま
 たF15戦闘機よりも安価なことなどから世界各国で採用されており、最近ではインド
 政府への売却も検討されている。

 関係が悪化している米・ベネズエラ両政府の首脳は、共に四日より米州会議に出席する
 が、ブッシュ・チャベス両大統領が顔を合わせるのは極めて異例のこと。両首脳会談実
 現の可能性は低いようだが、米州自由貿易圏実現に向けた米州各国政府関係者の動きに
 加え、衝突関係にある両国の関係改善が図られるかどうかも注目される。

     Kenzo Yamaoka

コラム目次に戻る
トップページに戻る