2160.日本古代史の形



古代の日本に造詣があるOさんのお話が面白いので、紹介しようと
思う。             Fより

Oさんは今、政府の仕事しているので名前を出せないため、仮にO
さんとしますが、民族派の理論家であり、私Fのようなリアリスト
とは意見が違うが面白い。このため、Oさんの日本古代史を紹介し
よう。

縄文人と渡来人が、日本という社会で共存する必要があり、天皇と
いう両方の民族の統合を象徴する存在として置いた。このため、世
界のほとんどの国とは違い、天皇が精神的な存在になっている。

しかし、縄文人と渡来人との話し合いで、縄文人が裏の世界を取り
仕切り、表の世界を渡来人が仕切る仕組みを作った。このため、縄
文人たちは、神の世界の人間となり、かつ山を舞台に活躍する民族
として、また忍者として、天皇制や為政者を守ってきたり、鉄や水
銀などの鉱山開発、木地師として、家具やおわんや漆器などを作っ
ていた。サンガとして漂白の民族といわれている。中世史に詳しい
網野義彦氏は神に仕える漂白民として描いている。

天皇を守るために、蘇我氏を滅ぼす大化の改新、足利義満の急死や
織田信長の本能寺など、天皇を狙った権力者は殺されている。明智
はサンガの裏の人間で、スパイとして織田氏に使えたという。

しかし、明治以後住民制度ができて、全国に定住しないこの山を根
城にする集団を撲滅させていった。しかし、まだ、その痕跡が日本
にはある。裏と表を取り仕切る人たちが、必ず出てくる。陰と陽の
ハランスを取る。縄文の精神文化があるために、江戸時代の循環シ
ステムが出来たのであるし、イタコのような魂をこの世に呼ぶ寄せ
ることができる人たちがいる。精神的な痕跡がまだ十分に存在して
いる。五木寛之の「風の王国」がその雰囲気を伝えている。

この日本の精神文化を造ったのは、自然環境に恵まれて、人間が闘
争をしなくてもお互いのテリトリーで生きていけるためで、山を根
城にする精神的な縄文文化も近代まで、日本では残ったのであろう。

欧米は、日本ほどには自然は豊かではなくて、人間達が死ぬか生き
るかの瀬戸際に立たされて、闘争を繰り返した。このために闘争の
エネルギーが人間の持っていた精神の豊かさを殺したようである。
キリスト教も、闘争で殺した人たちを悪魔化して、心の安定を得る
ために、神の命令として、殺人の心苦しさを軽減させているので
しょうね。ここから動物として感じる生命の尊厳を逃れたために、
動物としての天性的な危機察知などの能力も失うことになったよう
だ。
日本と同じような縄文的な精神文化が古代では一般的であったが、
闘争で欧米ではその精神文化が失われたのでしょうね。

負けたケルトやインディアンなどには、この天性の能力が今でもあ
るようです。Oさんがインディアンやケルトの人と話すと縄文的な
日本人と同じような感情を共有できるようだと。

しかし、縄文人の流れを汲む日本人にも動物に備わっている危機を
感じる天性の能力が本来的に存在している。このため、今でも日本
人は他人に惨いことができない。強盗殺人がそれでも起こっている。
このように、戦後米国の影響を受けて、この縄文的な精神文化を日
本も忘れ始めた。ここが心配である。この感覚の再興が日本にも必
要になっているようだと。

消えかけたこの能力を開発すると、将来がある程度見えることにな
る。私Fにはそう感じる。そういう意味では縄文人の末裔なのでし
ょうね。そして、日本には多くの気を開発している人たちがいる。

私Fの傍には、不思議に気を使える人たちが寄ってくる。鉄道会社
の経理をしているKさんは、私Fの調子が悪いことを心配して、気
を注入していただいている。
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芸術の秋の話題をひとつ

およそ下手な駄洒落ってこういうものを言うんだと、毎週思うのが、朝日新聞
の雑誌「アエラ」。今日も、「公じんじゃ」などと頭を悩ます吊り広告を見
た。その雑誌を、三島の血判状見たさに、たまたま家人が買ったので、ついつ
いぺらぺらとめくっていたら、63ページに、「英国の『成人向け』バレエ 
『カルミナ・ブラーナ』日本初演」という記事が出ていた。

「20世紀ドイツの作曲家カール・オルフの音楽カンタータに、英国バーミン
ガム・ロイヤルバレエの芸術監督デヴィッド・ビントレーが振付けた。」とあ
る。

ああ、どこかで観たような、、、。かつて書き溜めた「地球浪漫」をめくる。
もう10年も前のことになるのか。

「地球浪漫 23 平成7年11月15日」の2301は、カルミナ・ブラー
ナについての報告。1995年は、オルフの生誕100年だった。新聞で紹介
されていたカルミナ・ブラーナを見るために、わざわざブリストルまで一人で
車で出かけていた。その年の9月27日にバーミンガムで世界初演を行った、
バーミンガム「王立」バレーの新作。

その2年ほど前に、僕はたまたま会社の近くのバービカン・センターのバーゲ
ンで、「カルミナ・ブラーナ」のテープを、ピーター・ブリューゲルの絵に惹
かれて購入し、職場でよくかけて聞いていた。どことなく魂というものを連想
させる不思議な力をもつ、コーラス曲だった。

ブリストルで見終わっての感想は、僕自身の評価はあんまり高くなかったが、
ま、そこそこ楽しめたようだ。 2301■には 「ピアノ2台にパーカッ
ションだけの伴奏と、素人っぽいコーラス・独唱だったが、新味にあふれた非
常に楽しめる内容だった」とある。

10月29,30日、11月3−6日、東京・初台の新国立劇場オペラ劇場
(03−5352−9999)で公演。音楽は日本で揃えたよう。カルミナ・
ブラーナにどれだけの人気があるかわからないけど、もしかしたら切符はまだ
入手できるかもしれない。音楽は当時とは違って、日本人ソリストと日本の合
唱団だ。お楽しみ。

得丸久文
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一神教の誕生:神々の声を消したアルファベット   
   
 キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の一神教が国際政治の重要な
因子(フアクター)であることは、9・11以降だれの目にも明ら
かだ。なぜ一神教は中東から地中海世界でのみ生まれたか。ローマ
史の研究者で東大教授の本村凌二氏は『多神教と一神教』(岩波新
書)で一神教誕生の背景に迫った。
 自分以外の神々を敬うことを禁ずる神への信仰、それが一神教で
ある。原初の人間にとって自然は不思議な力に満ち、雷、地震、風
雪、凶作豊作…はそれぞれを司る神々の力の顕現と観じられてきた。
多神教である。ところが一神教の神はそうした神々を拒否し、すべ
ての現象の原因は自分ひとりにあると説いた。

 「これは精神史的にみて、かなり革命的な出来事だと思います。
人間に普遍的だった多神教からなぜ一部の地域で一神教に変わった
のか」

 本村さんは、一神教の成立と、ほぼ同時期に進行していた文化史
上の他の現象、たとえば文字(アルファベット)の発明とその流布
、人間による内面の“発見”、ある種の禁欲主義…などとの相関関
係に注目する。

 「アルファベットはエジプトのヒエログリフ(聖刻文字)やメソ
ポタミアの楔形文字と異なり、二、三十個のごく少数の文字ですべ
ての言葉を表そうとするものです。前二千年紀半ばごろには、原シ
ナイ文字と呼ばれるアルファベット化の試みが知られております」

 東地中海の地域だ。そこからは後世のフェニキア文字(現アルフ
ァベットの原型)も生まれている。“出エジプト”したイスラエル
の民の故地であり、キリストの生まれたところでもある。

 「何百、何千にも及ぶ文字を全部覚えるのは大変なことです。
それを三十に満たないごく少数の表音文字で表そうとする試みと、
無数の神格を最終的に唯一神に集約してゆく試みとは、決して無縁
だとは思われません」

 二十世紀の後半、複雑化する一方の情報が、0と1というたった
二種類の情報に基づくコンピューターを生み出したのと同じ事情だ
という。

 「抽象的な文字の使用がいわゆる言語脳を発展させ、そのことが
考えること、内面の世界を人間に切り開いて、それまで人間と地続
きに生きているごとく肌身に触れていた神々の声を聞こえなくさせ
たのです」 (稲垣真澄)産経新聞
       Kenzo Yamaoka
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米国民の一部に「カトリーナ」を「神の御業」とする見方
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051017-00000940-reu-int

[ニューオーリンズ 16日 ロイター] 米国民の一部は、ハリ
ケーン「カトリーナ」によるニューオーリンズの被災について、自
然の異常現象ではなく、神による天誅だと考えていることが分かっ
た。
 熱心な米国のキリスト教信者の一部ではもともと、カーニバル「
マルディグラ」などで有名なニューオーリンズについて、そのとき
に享楽的とも見える生活態度のためいずれ天誅が下ると考えられて
いた。
 米国の著名なキリスト教伝道師ビリー・グラハム師の息子で、同
じく伝道師のフランクリン・グラハム師は今月、バージニア州リン
チバーグのリバテイ大学で、「ここ数年間、霊的な暗雲がニューオ
ーリンズ全体に立ち込めていた」と述べた。
 同師はまた、ニューオーリンズでは、乱痴気騒ぎや飲酒、薬物使
用などが広く見られる、としたうえで、一部の米国民は宗教復興の
ために神がハリケーンという手段を使ったと考えている、と指摘し
た。
 ハリケーンによる被災は神の仲裁だったのかもしれないとする見
方は政府内にも広がっているようで、ニューオーリンズのオリバー
・トーマス市議会長は、記者団に対し、「もしかすると、神はわれ
われを浄化しようとしておられるのかもしれない」と述べている。
(ロイター) - 10月17日16時5分更新

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