2159.日米安保の形について



米国の軍再編の姿が明らかになっている。この検討。  Fより

米国の現状は、世界的な軍の削減である。この削減を指揮している
のがラムズフェルド長官である。イラク戦争の責任から辞任する可
能性もあったが、今、軍の削減をできるのはラムズフェルド長官し
かいないということで、留任している。

この軍削減で浮いた原資で、ブッシュ大統領は金持ち層への減税の
資金にしようとしている。このため、ハリバートンは軍の民間移管
先として重要な位置を占めている。ハリバートンは海外の安い人員
を使って、米軍が直接行使するより、大幅に安く運搬や兵舎の建設
を請け負っている。このハリバートンの元経営者がチェイニー副大
統領であるために、その行為が疑われているが、軍事費用という意
味では、大幅削減になっている。

しかし、東アジアと中東は米国としても軍を削減できない地域であ
るが、その米軍がどうなるか日本だけではなく、台湾や中国も注目
していた。韓国は米国から中国に乗り換える動きを加速して、在韓
米軍を韓国から追い出すことはすでに決まっているので、在日米軍
がどうなるかが重要なことになるのである。米韓は同盟関係を解消
する可能性さえある状況になっている。米国の大陸への足がかりが
無くなる。ここでも米国の衰退が明らかになっている。

この米軍再編の結果が出た。在日米軍が削減されて、中国軍の中距
離ミサイル攻撃ができないグアムやオーストラリアを拠点するが、
日本の自衛隊が米軍の指揮下に入り、米軍と自衛隊の合同体制がで
きて、米軍の規模は少なくなるが、自衛隊との連携できるために軍
機能はUPする可能性さえあるということである。

特に、米軍相模総合補給廠に海外展開を視野に入れた陸自「緊急即
応連隊」を配備して、米軍との共同行動に備えるために、海外の対
テロ戦争では有効な軍組織になるようである。また、日米両政府は
中央即応集団の司令部(約二百人)については米軍キャンプ座間(
神奈川県)に置く方向で調整中で、日米の軍事同盟はより強化され
ることになる。

このことで、米軍の削減分を日本の自衛隊でカバーできる目処が立
ったが、米国は自国の利益だけを考えて今までは行動が出来たが、
今後は日米の利益を追求することになる。このため、日本が合意し
ない行動が出来ないという米国の行動抑止になる可能性もある。米
国は空軍・海軍などでの支援機能のみを行い、陸軍は他国軍を使う
志向をしているように感じる。

日本も米国の利益だけではなくて、自国の利益を米国に主張するこ
とが必要になる。今までの片務的な米軍への甘えではなくて、自衛
隊の犠牲をも含めて、自国民を説得できる両務的な損得を考える必
要に迫られることになる。日本国民は、平和ぼけから平和を守る覚
悟をしてほしいものである。

しかし、東アジアで米国と中国との共同覇権構想を推進していると
いう情報もある。
片岡鉄哉のアメリカ通信によると、米中共同覇権構想は、私達日本
人には「ちょっと無理があるだろう」と思える面は多いのですが、
この構想がリチャードハースによって提案されたのは事実のようだ。

小泉首相の靖国参拝にニューヨークタイムズは、強烈な反発の記事
を出した。このように日本と中国を天秤に掛けることを米国はして
いることを知っておく必要がある。ニューヨークタイムズは、民主
党系であるので、共和党のブッシュ政権からヒラリー・クリントン
民主党政権に変わると、再度、日本は中国より低い立場になる可能
性があることは知っておくことが必要ですよ。
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「東京の無意味な挑発」、タイムズ社説[1]

「彼を近代化の改革者として賞め讃えた選挙が終わったばかりなの
に、日本の小泉純一郎首相は、日本の軍国主義の最悪の伝統を公共
の場で意図的に抱擁した。昨日、彼は靖国神社と呼ばれる追悼施設
にテレビ放送されながら訪問した。しかし、靖国は日本の二百五千
万人の戦死者への単なる追悼碑ではない。

「この神社と隣接する博物館は二十世紀初頭における日本の残虐さ
に傷ついた、朝鮮、中国、東南アジアへの暴走に関する反省なき史
観を推進している。ここで、今週の秋季例大祭で、神として追悼・
参拝されている霊魂には十四人のA級戦犯がいる。彼らは断罪と処刑
を受けている」。
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自衛隊の役割を拡大 米軍再編「中間報告」発表(ASAHI)
2005年10月29日23時50分
 
米軍と自衛隊の融合はこう進む
 
外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)
が29日、ワシントンで開かれ、在日米軍再編に関する「中間報告
」を発表した。「同盟の能力向上」を掲げ、在日米軍と自衛隊によ
る司令部間の連携強化や基地の共同使用などを打ち出した。自衛隊
の役割を拡大し、米軍との「融合」を進める。沖縄の普天間飛行場
(宜野湾市)の移設先など基地再配置の方針も明記し、「地元に与
える負担を軽減する」こともうたった。日本政府は、普天間移設先
ヘリポートの工期は5年をめどとしている。事業費は数千億円を見
込んでいるという。 

 2プラス2は大野防衛庁長官、町村外相、ラムズフェルド米国防
長官、ライス米国務長官が出席。来年3月までに「最終報告」をま
とめ、再編の実施計画を決めることで合意した。町村外相は記者会
見で「来年3月まで難しい仕事を日本政府を挙げてやっていかない
といけない」と語った。 

 中間報告は、普天間飛行場の移設先について「沖縄県内でなけれ
ばならない」と結論づけ、沖縄県名護市の「キャンプ・シュワブ海
岸線の区域と近接する大浦湾の海域」に長さ1800メートルのヘ
リポートを造ることを盛り込んだ。県内移設を選んだ理由には、米
海兵隊の緊急事態への対応能力の維持を挙げた。 

 一方、負担軽減策として沖縄に駐留する海兵隊の半数に当たる
7000人の削減も明記した。キャンプ・コートニーにある第3海
兵遠征軍司令部の要員を中心にグアムなどへ移転させる。ただ、第
12海兵連隊(砲兵)など実戦部隊は削減対象外。国外移転の経費
は「日本政府が、適切な資金的な措置を見いだす検討を行う」と、
日本側が負担することを示した。 

 中間報告は今年2月の「日米共通戦略目標」に基づき、日本有事
や周辺事態、国際協力の各場面で「日米の役割・任務の分担」を定
めている。 

 日本有事や周辺事態では米軍に対する「切れ目のない支援」を約
束。イラクのような復興支援や国際救援活動についても「二国間協
力が、同盟の重要な要素」とした。 

 協力を強化する分野としては、(1)無人偵察機による情報収集
(2)警戒監視レーダーで弾道ミサイル関連の情報共有(3)高速
輸送艦などによる輸送協力――などをあげている。 

 日本有事などを想定した「共同作戦計画」作成を進める方針も示
した。 

 また、キャンプ座間(神奈川県)に米陸軍第1軍団司令部を改編
した「統合作戦司令部」を受け入れ、陸自の機動運用部隊などを統
括する中央即応集団(新設)と「共存」させる。米軍横田基地(東
京都)にも、空自航空総隊司令部(同)を移転させ、弾道ミサイル
に共同対処する「共同統合運用調整所」を設ける。 

 米海軍厚木基地の空母艦載機部隊(約60機)を岩国基地(山口
県)に移転させ、岩国へ移転予定だった普天間飛行場の空中給油機
を海自鹿屋基地(鹿児島県)へ移す。 

◇中間報告の骨子 
●日米同盟の能力を向上させ、地元負担を軽減 

●司令部間の連携強化や基地の共同使用、共同訓練の拡大による能
力向上 

●キャンプ座間に米陸軍第1軍団司令部を改編した統合作戦司令部
と、陸自中央即応集団司令部を設置 

●米軍横田基地に空自航空総隊司令部を移し、共同統合運用調整所
を設置 

●米軍厚木基地の空母艦載機部隊を岩国基地に 

●米軍普天間飛行場をキャンプ・シュワブ沿岸に 

●在沖海兵隊7000人を削減、グアムなどに移す 
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思いやり予算の削減回避を=新協定締結で米国防長官

 【ワシントン29日時事】ラムズフェルド米国防長官は29日の日米
安全保障協議委員会(2プラス2)で、来年3月で期限が切れる在日米
軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)に関する特別協定に関し
「日本側の支援は重要だ」と述べ、新協定でも十分な予算規模が確
保されるよう求めた。
 また、同長官は「新協定締結に向けた協議を加速させたい」と強
調したのに対し、町村信孝外相も同意した。 
(時事通信) - 10月30日3時0分更新
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米軍相模総合補給廠 共用化、対テロ拠点に 陸自「緊急即応連隊」配置へ

 日米両政府は二十三日、米軍の変革・再編(トランスフォーメー
ション)に伴い、米軍相模総合補給廠(しょう)(神奈川県)に陸
上自衛隊がテロ対策などのため新設する「緊急即応連隊」を配置す
る方向で調整に入った。遊休施設として日本側は返還を求めていた
が、陸自との共用化案が浮上。神奈川県内には陸自の主要部隊が手
薄だったため、補給廠を東海地震などに備える防災拠点としても位
置づける。
 日本政府はこの方針を地元自治体に説明し、了承を得た上で、日
米間で十月中にまとめる中間報告に盛り込む。
 相模総合補給廠は使用頻度の少ない遊休施設とされ、日本側は四
月の外務・防衛当局の審議官級協議で返還を要求。米側はすでに敷
地面積の約一割の返還に同意し、日本政府は返還部分を利用して、
神奈川県などにヘリポートを設置させることも検討している。
 これまで神奈川県内には陸自の普通科連隊などの主要部隊が配置
されているのは県南の横須賀市だけで、地元には、地震などの際の
災害派遣に対応できる陸自部隊の増強を求める声も多かった。
 日本側は審議官級協議で、相模総合補給廠の返還面積の拡大を求
めてきたが、陸自に共用化させる案が浮上。緊急即応連隊を置く方
向で調整が進んでいる。
 緊急即応連隊は、テロやゲリラ攻撃に緊急出動する専門部隊とし
て陸自が来年度に新設する「中央即応集団」傘下の普通科部隊で要
員は約八百人を予定。テロや大規模災害が発生すれば、同じく中央
即応集団の傘下に入る第一ヘリコプター団(千葉県木更津市)の輸
送用ヘリなどに乗り、全国に機動展開して事態の拡大防止が任務と
なる。
 防衛庁は、緊急即応連隊を十九年度に宇都宮駐屯地に新設する方
針を固めていた。しかし、「部隊を常駐できる適地があるのなら、
テロの危険性が高い首都圏に置くべきだ」(政府筋)として、相模
総合補給廠への配置に肯定的な見方が多い。
 宇都宮駐屯地に配置する構想では既存の施設を利用する計画だっ
たが、相模総合補給廠の場合、隊舎などの施設を早急に建設する必
要がある。
 日米両政府は中央即応集団の司令部(約二百人)については米軍
キャンプ座間(神奈川県)に置く方向で調整中だ。
     ◇
 相模総合補給廠 旧日本陸軍工廠で、米軍が終戦後の昭和24年
に接収した。敷地面積約214ヘクタール。在日米陸軍第17地域
支援群が管理しており、資材や医療物資の備蓄、装備品の修理など
に使用。朝鮮、ベトナム戦争では兵站(へいたん)補給の拠点とな
ったが、最近では保管物資も減少している。
(産経新聞) - 9月24日2時49分更新
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米海軍 横須賀に原子力空母 2008年に初配備 中東・中国も視野

【ワシントン=有元隆志】日米両政府は二十七日(日本時間二十八
日)、神奈川県横須賀市を事実上の母港とする通常動力型空母キテ
ィホークを二〇〇八年に退役させ、後継としてニミッツ級原子力空
母を配備することで合意した。原子力空母の日本配備は初めて。
米政府内には日本の反核感情に配慮し、通常動力型を継続する案も
あったが、中東などでの展開に加え、中国の軍事力強化などに対処
するためにも、原子力空母の配備が必要と判断した。
 米海軍は声明で、「西太平洋の安全保障をめぐる情勢により、最
も能力を有する艦船を前方展開させる必要が増している」と説明し
た。米海軍はニミッツ級空母を九隻保有しているが、どの艦船を配
備するかは明らかにしていない。
 キティホークの後継をめぐっては、早期退役が見込まれていた通
常動力型空母ジョン・F・ケネディ(JFK)の配備も検討された。
しかし、米海軍はすでに通常動力型空母を建造しておらず、すべて
の空母が原子力型になるのは「時間の問題」と日本側にも説明して
きた。
 今回のタイミングで、原子力空母の横須賀配備を決定した背景に
は、米軍の世界的な軍の変革・再編(トランスフォーメーション)
の一環として、横須賀の重要性が増していることがある。
 米海軍は紛争への早期対処のため「艦隊即応計画(FRP)」を
進めている。一カ月以内に空母や巡洋艦などで構成する「空母戦闘
群」五−六個を紛争地に派遣し、三カ月以内に一−二個を追加でき
るようにするものだ。
 米政府は同計画を進めるなかで、中東地域などでの前方展開を維
持するためにも、日本に空母の母港を置くことは不可欠としている。
このため、在日米軍の再編協議でも、横須賀の恒久的な利用を「重
要課題」(アーミテージ前国務副長官)と位置づけてきた。
 一方、米海軍は声明で、一九六四年以来、原子力艦船が千二百回
以上日本に寄港し、日本の港を安全に使用することを確約している
と、地元に理解を求めた。これに対し、訪米中の松沢成文・神奈川
県知事は「地元の意向が無視され、極めて遺憾だ」と語った。
     ◇
 ■米駐日大使「地域の平和に貢献」
 シーファー駐日米国大使は二十八日の記者会見で、「ニミッツ級
原子力空母は最高度の能力を持つ艦船であり、その前方展開は日米
のみならず地域全体の平和と安定に貢献する」と強調し、アジア・
太平洋地域に強力な軍事的プレゼンスを維持する米政府の世界戦略
を強く印象づけた。
 北朝鮮の核開発、台頭する中国の軍事力、台湾海峡問題など、東
アジアはいくつもの安全保障上の不安定要因を抱えるが、大使は「
いくつもの選択肢を検討したが、最終的には原子力空母の持つ能力
が判断の決め手となった。通常動力型から原子力空母への転換は、
プロペラ機からジェット機に変わるのと同じぐらいの大きな変化だ
」と述べ、東アジアを重視するがゆえにニミッツ級を投入するとの
米政府の判断を強調した。
 一方、「原子力空母はこれまでの歴史で一度も事故を起こしたこ
とはなく、安全性は万全だ」としながらも、会見中に何度も「核に
対する微妙な国民感情や、通常型空母配備を求める地元の要請を真
剣に考慮した」と繰り返した。
(産経新聞) - 10月29日2時54分更新


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